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準々決勝4試合が行われる第1グラウンド
12月27日から大阪・東大阪市花園ラグビー場で開幕した「花園」こと、第102回全国高校ラグビー大会はベスト8が出揃った。東日本のチームは姿を消し、関西勢が5校と九州勢3校の8校が1月3日の準々決勝に進出した。
◆準々決勝組み合わせ(★:Aシード ☆:Bシード)
10:30 佐賀工業(佐賀☆) vs. 東福岡(福岡★)
11:55 大阪桐蔭(大阪第2☆) vs. 京都成章(京都☆)
13:20 天理(奈良☆) vs. 長崎北陽台(長崎☆)
14:45 東海大大阪仰星(大阪第3☆) vs. 報徳学園(兵庫★)
第1グラウンドで準々決勝4試合が行われる。10:30からの第1試合は、Bシードの佐賀工業とAシードの東福岡の九州勢同士が激突する。
BKの展開力も大きな武器となる東福岡
今季は例年以上にディフェンスに注力してきた東福岡は、キャプテンFL(フランカー)大川虎拓郎主将、LO(ロック)舛尾緑(ともに3年)らFW(フォワード)の前に出る力を軸に、ケガから復帰を果たしたSO(スタンドオフ)高本とわ(3年)のゲームコントロール、BK(バックス)陣の展開とバランスが取れている。FWの強い相手に、FW陣の奮闘が欠かせない。
佐賀工業も右足のSO服部亮太、左足のFB(フルバック)井上達木(ともに2年)らのキックを使って敵陣で戦い、身長190cmのFWが4人揃うFW陣で常にプレッシャーをかけ続けたい。昨年6月に行われた九州大会決勝では、東福岡が佐賀工業を33-10で退けて優勝している。Aシードの東福岡が順当に勝つのか、Bシードの佐賀工業が九州大会のリベンジを果たすのか。
第2試合は午前11:55にキックオフされ、大阪桐蔭と京都成章の関西のチーム同士が対戦する。フィジカルラグビーの大阪桐蔭は3回戦で、東海大相模に55-0と快勝し、花園に向けて調子を上げてきた。HO(フッカー)梶川尚能、キャプテンFL松岡風翔主将、CTB(センター)上田倭士(いずれも3年)ら前に出る力のある選手も多い。攻守で前に出て3回戦同様に相手を圧倒できるか。
FW人の奮闘が鍵を握る京都成章
京都成章は伝統のディフェンスを武器に、共同キャプテンを務めるNO8(ナンバーエイト)森山飛翔が引っ張るFWはフィジカルに長けており、SH(スクラムハーフ)香山創祐、SO本橋尭也(いずれも3年)の2人を軸としたBKも展開力にも長けており、決定力も高い。トライを重ねて相手にプレッシャーをかけたいところだ。
13:20からの第3試合では天理と長崎北陽台、Bシード同士が対戦する。ともに3回戦まで粘り強く勝ち上がってきており、チーム力は上がってきていると言えよう。粘り強いアタックと守備が持ち味の天理は、キャプテンNO8太安善明、HO松隈孝成(ともに3年)を軸としたモールも武器とする。
2回戦、3回戦と逆転勝利を収めた長崎北陽台は、まず前半の入りでしっかりとディフェンスをしたいところ。そしてキャプテンLO白丸智乃祐(3年)を軸とした武器のモールでトライを重ねていきたい。
14:45にキックオフされる準々決勝の第4試合は、昨季の王者・東海大大阪仰星と高校「3冠」を狙う報徳学園の関西の強豪同士が激突する。昨季の花園では、3回戦で対戦し東海大大阪仰星が33-0で報徳学園を退けた。また、昨年10月に花園ラグビー場で行われた特別招待試合では報徳学園が29-24と僅差で勝利している。
東海大大阪仰星は昨季の優勝を知るメンバーも多く、もともと組織力の高いチームだが、2回戦の大分東明戦、3回戦の國學院栃木戦と強豪相手に強固な守備からリズムを作った。キャプテンFL松沼寛治、NO8藤原蒼士、SO西川康士郎、FB増山将(いずれも3年)ら力のある選手も多く、判断力とスタンディングラグビーは健在。今季も花園で報徳学園に勝ちきって連覇に一歩前進できるか。
報徳学園SO伊藤
高校3冠を目指す報徳学園は、SO伊藤利江人、NO8石橋チューカ、CTB炭竈柚斗、WTB(ウイング)海老澤琥珀(いずれも3年)ら8人の高校日本代表を揃えており、総合力は高い。2回戦、3回戦ではアタックのミスは多かったものの、失トライ0は評価できよう。準々決勝では守備の固い相手に対して、アタックの精度を上げて1997年度以来のベスト4駒を進めることができるか。
熱戦、接戦が多かった3回戦に続いてき、準々決勝もクロスゲームが多く見られるだろう。なお、1月5日の準決勝の対戦カードの組み合わせは、準々決勝で勝利した4チームのキャプテンによる抽選で決定される。今季の花園も残り7試合となった。「4強」に進むことができるチームはどこになるのか、準々決勝も必見の試合が目白押しだ。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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