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ラグビー コラム 2022年12月31日

早稲田大学、2年ぶりの『年越し』で関西王者の京都産業大学と対戦。ラグビー全国大学選手権準決勝

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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80mを走り切る独走トライを挙げたSH宮尾

全国大学選手権の準々決勝で明治大学との死闘を制し、昨年の雪辱を果たした早稲田大学。両校ともに一歩も譲らない展開が続いたが、最後は実戦復帰となったFL(フランカー)相良昌彦主将(社4=東京・早実)の値千金のジャッカルで勝利を決めた。

決勝進出、そして『荒ぶる』奪還に向けてーー。負けが許されない大学選手権準決勝は、正月の1月2日。舞台を国立競技場に移し、関西の雄・京都産業大学との一戦に挑む。

準々決勝の明大戦、99年目を迎えたライバル対決は『伝統の一戦』にふさわしい試合となった。WTB(ウィング)松下怜央(スポ4=神奈川・関東学院六浦)のトライや、CTB(センター)吉村紘(スポ4=東福岡)のPG(ペナルティゴール)で得点を積み重ねるものの、前半終了間際に逆転トライを許し、1点ビハインドで試合を折り返す。

それでも後半は松下のトライで逆転に成功すると、SH(スクラムハーフ)宮尾昌典(スポ2=京都成章)のインターセプトからの独走トライで明大を突き放す。しかし、攻撃の手を緩めることはない明大。しばらくは自陣に攻め込まれる展開が続いたが、最後は早大の粘り強いディフェンスが光った。

果敢に攻め込む明大を、相良主将のジャッカルでターンオーバー。直後に吉村が蹴り出し、26-21で試合は終了した。明大の猛追を振り切り、見事にリベンジを果たした早大。今大会を通して取り戻しつつあるチーム力が、遺憾なく発揮された試合だった。

春から力をつけてきたスクラムで優位に立てるか

準決勝のポイントは、やはりセットプレーになるだろう。明大戦ではHO(フッカー)佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)とプPR(プロップ)井元正大(文4=東京・早実)が後半投入で奮闘し、強力な明大FW(フォワード)にスクラムで押し勝つ場面も見られた。今回も京産大伝統のスクラムを相手に、安定感のあるスクラムで対抗できるか。

また、積極的なボールキャリーで勢いをもたらすFL栗田文介(スポ1=愛知・千種)や爆発的な走りでトライを量産する松下、圧巻のランと突破力を併せ持つSO(スタンドオフ)伊藤大祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)などにも注目がかかる。

厳しい戦いが予想される本試合は、精度の高いプレーを1人1人が突き詰め、前節のテーマでもあった『ワンチーム』『ワンビジョン』を体現できるかが勝敗のカギを握るに違いない。

悲願の日本一へ勢いに乗る京産大の強みは、力強いFW。中でも、破壊力抜群の外国人選手の勢いを抑え切れるかがポイントだ。アサエリ・ラウシーとソロモネ・フナキの両LO(ロック)コンビは力強い突破でアタックの起点を生む。

また、ケガにより準々決勝が今シーズン初先発となったFL三木皓正も、キックチャージからトライを決めるなど、高いパフォーマンスを発揮している。京都成章高時代、互いに研鑽(さん)を積み重ねたNO8(ナンバーエイト)村田陣悟(スポ3=京都成章)や、宮尾との対戦となれば、並々ならぬ思いで向かってくるだろう。

力強いFWから得点力の高さを誇るBK(バックス)陣へ。バランスよく機能する京産大のアタックを防ぐために、早大はディフェンスラインを常に整備し、前に出るタックルで徹底的に真っ向勝負を仕掛けたい。

昨年のリベンジを果たし、2年ぶりに『年越し』を決めた早大。試合を経るごとに成長し、チームとしての円熟度が徐々に増している。それはフィールドを駆ける選手だけに限らない。スタンドで試合を見守る部員たちも、赤黒戦士を何度も奮い立たせてきた。日々高まる『荒ぶる』への思いは、全部員で築き上げている。

頂点の景色まであと2戦。早稲田の誇りを胸に、笛が鳴るまで部員150人全員で戦い抜く。

文:安齋健/写真:冷水睦実、山田彩愛(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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