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ラグビー コラム 2022年12月30日

【ハイライト動画あり】尾道が常翔学園を破るシードバック。16校が年明けの3回戦へ。全国高校ラグビー大会 2回戦結果

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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勝利して喜ぶ尾道フィフティーン

12月27日から大阪・東大阪市花園ラグビー場を中心に「花園」こと、全国高等学校ラグビーフットボール大会が始まった。30日(金)はシード13校が登場し、大会最多となる2回戦16試合が行われた。

◆第1グラウンド(★:Aシード ☆:Bシード)

○報徳学園(兵庫★)47-3 高鍋(宮崎)●
●岐阜工業(岐阜)10-43 佐賀工業(佐賀☆)○
○東海大大阪仰星(大阪第3☆)42-7 大分東明(大分)●
○石見智翠館(島根)20-0 黒沢尻北(岩手)●
○大阪桐蔭(大阪第2☆)41-7 目黒学院(東京第2)●
●開志国際(新潟)7−61 東福岡(福岡★)○

夏の7人制MVP、報徳学園SO伊藤利江人

第1グラウンドでは6試合が行われた。第1試合はAシードの報徳学園に高鍋が挑んだ。高鍋は前半3分にCTB(センター)里岡颯太(3年)のPG(ペナルティゴール)で先制したものの、その後は報徳学園が終始優位に試合を進め、モールからHO(フッカー)山下秦(3年)のトライなど7トライを重ねて47-3でした。

武器のモールで押し込む佐賀工業のFW

第2試合ではBシードの佐賀工業と岐阜工業が対戦。佐賀工業は前半5分にモールでHO藤松優翔(3年)のトライで先制すると、その後も得点を積み上げた。岐阜工業も後半にSH(スクラムハーフ)山際敬祐(3年)のトライで7点を返すも、7トライを挙げた佐賀工業が43-10と快勝した。

モールから東海大大阪仰星がトライ

第3試合はディフェンディングチャンピオンのBシード・東海大大阪仰星が1回戦で130得点を取った大分東明のチャレンジを受けた。試合巧者の東海大大阪仰星キャプテンのFL(フランカー)松沼寛治(3年)のトライなどで着実にトライを重ねて6トライを挙げて、守っては1トライに抑え42-7と快勝した。

第4試合はともに1回戦を勝ち上がってきた石見智翠館と黒沢尻北が激突した。黒沢尻北は前半、懸命なディフェンスを見せて1トライ1ゴール差で折り返すも、終始優勢に試合を進めた石見智翠館が20-0で完封勝ちした。

第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】2回戦 東海大学付属大阪仰星vs.大分東明

第5試合はBシード・大阪桐蔭と目黒学院が対戦。互いにキックで敵陣に入っていく展開となった。ただ、フィジカルで勝る大阪桐蔭が、SH須田龍之介、WTB(ウイング)福永然(ともに3年)がトライを挙げ、守っては1トライに抑え、41-7と勝利。今季も3回戦に駒を進めた。

大阪桐蔭、WTB福永然のトライ

2回戦最後となった第6試合は、優勝候補の一角のAシードの東福岡が常に主導権を握り試合を展開、WTB上嶋友也の2トライなど9トライで開志国際を寄せ付けず61-7と快勝した。

◆第2グラウンド

●大津緑洋(山口)10-26 國學院久我山(東京第1)○
●日本航空石川(石川)19-28 長崎北陽台(長崎☆)○
●茗溪学園(茨城)12-43 國學院栃木(栃木☆)○
○流通経済大柏(千葉☆)43-12 倉敷(岡山)●
●加治木工(鹿児島)7-55 東海大相模(神奈川☆)○

第2グラウンドでは5試合が行われた。第1試合は國學院久我山と大津緑洋が対戦した。國學院久我山は前半BK(バックスで)2トライを取りリードするが、大津緑洋もディフェンスで粘りながらキャプテンのNO8(ナンバーエイト)林万一心(3年)のトライなどで追い上げる。それでも後半にWTB鈴木彪馬(3年)らが2トライを挙げた國學院久我山が最終的に26-10と突き放した。

長崎北陽台vs.日本航空石川

第2試合は日本航空石川がBKから展開、3トライを挙げ、Bシードの長崎北陽台に19-0と大きなリードを持って前半を折り返した。しかし、後半に入って地力に勝る長崎北陽台は落ち着いて、武器であるFW(フォワード)でプレッシャーをかけて4トライを取り28-19と逆転勝利を収めた。

第3試合はBシードの國學院栃木vs.茗渓学園の関東勢同士の対戦となった。よく練習試合をしているという両者の対戦は、地力に勝る國學院栃木のFW陣が前に出て、モールを起点にHO尾池政人(3年)が4トライを挙げるなど、計7トライを挙げて43-12で快勝した。

第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】2回戦 常翔学園vs.尾道

第4試合は1回戦で花園初勝利を挙げた倉敷が、Bシードの流通経済大柏にチャレンジ。NO8丸尾瞬(3年)らのトライで前半を12-10で折り返すなど主導権を握った。しかし、シード校の流通経済大柏が、NO8小澤天(3年)のトライなどで着実にトライを重ね逆転。43-12で勝利した。

東海大相模、途中出場のFB工藤寛治のトライ

第5試合は総合力に勝るBシードの東海大相模がFL(フランカー)金井悠隼、WTB石山航大(ともに3年)の2トライなど9トライで圧倒し、加治木工業を寄せ付けず55-7で勝利した。

◆第3グラウンド

○中部大春日丘(愛知☆)64-0 名護(沖縄)●
●常翔学園(大阪第1☆)30-31 尾道(広島)○
○天理(奈良☆)29-15 青森山田(青森)●
●昌平(埼玉)12-40 京都成章(京都☆)○
●東海大静岡翔洋(静岡)7-32 秋田工業(秋田)○

ハットトリックを決めた中部大春日丘LO物部主将

第3グラウンドでも5試合が行われた。第1試合はシード校の中部大春日丘が常に主導権を握り、キャプテンLO(ロック)物部耀大朗(3年)が、前半だけでハットトリックを達成するなど計9トライを挙げ、名護に1トライも許さず64-0と大勝した。

第2試合はBシードの常翔学園が尾道と激突した。常翔学園はキャプテンのSH田中景翔(3年)のトライなどで20-12とリードする。だが、後半に入って尾道がPR(プロップ)檜山蒼介(3年)のトライなどで3トライを挙げて逆転に成功。常翔学園は試合終了間際に途中出場のWTB三田村眞生(2年)のトライで1点差に迫るもコンバージョンが左に外れ31-30でノーサイド。尾道が接戦を制し、今大会、2回戦で唯一のシードバックを達成した。

第3試合は天理が青森山田と対戦。天理はWTB田中功永、PR松沢和輝(ともに3年)らのトライで着実にセットプレーからスコアを重ねて、青森山田を29-15に勝って3回戦に進出した。

第4試合は京都成章と昌平と互いにディフェンスに強みを持つ両者が対戦した。京都成章はWTB山村駿人(3年)の2トライなど、前半からシード校らしい強さを見せた。昌平もNO8西村泰士(3年)らのトライで追い上げるも、京都成章が40-12で昌平を下した。

第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】2回戦 東海大静岡翔洋vs.秋田工業

第5試合は、秋田工業が東海大静岡翔洋と、ともにモールに強みをもつ両校の激突となった。秋田工業はFB(フルバック)黒澤航希(3年)の2トライなど、コンスタントにトライを重ねて32-7と勝利し、3回戦に進んだ。

花園は1・2回戦が終わり、35校が聖地を去り、年明けの3回戦に進む16校が決定した。1月1日の元日はシード校同士の対決もあり、さらに盛り上がりを見せるはずだ。

【3回戦組み合わせ】

◆第1グラウンド

10:30 報徳学園(兵庫★)vs. 國學院久我山(東京第1)
11:55 尾道(広島)vs. 長崎北陽台(長崎☆)
13:20 天理(奈良☆)vs. 石見智翠館(島根)
14:45 大阪桐蔭(大阪第2☆)vs. 東海大相模(神奈川☆)

◆第3グラウンド

10:30 中部大春日丘(愛知☆)vs. 佐賀工業(佐賀☆)
11:55 東海大大阪仰星(大阪第3☆)vs. 國學院栃木(栃木☆)
13:20 流通経済大柏(千葉☆)vs. 京都成章(京都☆)
14:45 秋田工業(秋田)vs. 東福岡(福岡★)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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