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突破するリーチ マイケル
12月17日(土)に開幕した、2シーズン目の「NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23」。今週末に第2節が行われ、クリスマスイブの12月24日(土)は、ディビジョン1のカンファレンスAに属する東芝ブレイブルーパス東京(昨季4位)とリコーブラックラムズ東京(昨季9位)が激突、つまり「東京ダービー」が東京・味の素スタジアムで行われた。
開幕戦を落とした両チーム。まずはブレイブルーパス東京のトッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)は、その埼玉ワイルドナイツ戦から先発を1名変更。日本代表CTB(センター)中尾隼太がメンバー外となり、CTBニコラス・マクカランが先発に回った。
他にはFL(フランカー)徳永祥尭、SH(スクラムハーフ)小川高廣の共同キャプテンの2人が先発。日本代表でも活躍する20歳のLO(ロック)ワーナー・ディアンズを筆頭に若きFW(フォワード)陣、34歳の日本代表NO8(ナンバーエイト)リーチ マイケルらが先発した。
一方、こちらも黒星スタートとなったブラックラムズ東京のピーター・ヒューワットHCは、前節からFW3人、BK(バックス)2人の計5人を変更。PR(プロップ)千葉太一、LOはジョシュ・グッドヒューと、ロトアヘアポヒヴァ大和、FLブロディ・マクカラン、CTB礒田凌平が先発となった。
SOで先発のルーカス
他にはキャプテンHO(フッカー)武井日向を筆頭に、元イングランド代表NO8ネイサン・ヒューズ、若きSO(スタンドオフ)アイザック・ルーカス。今季、移籍してきたCTBハドレー・パークス、日本代表FB(フルバック)メイン平らもスターターに名を連ねた。
一昨季のトップリーグのプレーオフトーナメントで、ブラックラムズ東京が27-24で勝利し、昨季はブレイブルーパス東京が43-22で勝利した。ともに接点の強さ、激しさにプライドを持っている両チームの激突は5518人が見守る中、午後2:30にキックオフされた。
ジャパンラグビー リーグワン2022-23
【ハイライト動画】東芝ブレイブルーパス東京 vs. ブラックラムズ東京
試合早々、相手陣でプレーしていたホストのブレイブルーパス東京は前半2分、SO(スタンドオフ)トム・テイラーがPG(ペナルティゴール)を決める。続く4分もスクラムからNO8リーチが抜け出してチャンクメイクし、最後は共同キャプテンのSH小川がラックサイドを突いてトライ、ゴールも決まって10-0とリードを広げた。
そこから攻めるブレイブルーパス東京、守るブラックラムズ東京という展開となるが、ブラックラムズ東京は粘りのディフェンスを見せて、激しいディフェンスでミスを誘ったり、モールを止めてターンオーバーするなどゴールラインを割らせず、前半はそのまま10-0で折り返した。
後半の最初も拮抗した状態が続くが、10分、ブラックラムズ東京にPGのチャンスが来たが、SOルーカスが正面を外してしまい、スコアは10-0のまま。すると15分、ブレイブルーパス東京が相手ゴール前でモールを押し込むと、ブラックラムズ東京のNO8ヒューズが反則でトライを阻止したという判定。ブレイブルーパスのペナルティトライが認められて17-0とリードを広げる。
疲れてくる選手が出はじめると、後半、互いにベンチメンバーを投入し合う。25分、ブラックラムズ東京のSOルーカスがステップで相手ディフェンスラインを突破し、そのまま50mほどを走りきってトライ、10点差に追い上げる。
終盤はブラックラムズ東京のペースとなったが、今度はブレイブルーパス東京がディフェンスで粘りを見せて、それ以上得点を与えることなく、そのまま17-7でノーサイド。ブレイブルーパス東京がホストの開幕試合を勝利で飾り、ファンに今季初白星というプレゼントを渡すことに成功した。
勝った東芝は勝ち点4を重ねて総勝ち点を5に伸ばした。一方のブラックラムズ東京は善戦したものの勝ち点を挙げることができず、総勝ち点も0のままとなった。POM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)には勝利したブレイブルーパス東京の共同キャプテンSH小川が選出された。
今季初勝利をホストスタジアムで挙げることができたブレイブルーパス東京のブラックアダーHCは「全体的には満足している。試合の開始はプレッシャーをかけていくことができた。ただ、それを最後まで繰り返せなかった。改善すべき点はあるが修正は可能だ」と振り返った。
POMのSH小川キャプテン
共同主将のSH小川は「まずは勝ててよかった。自分たちのミスでチャンスを逃した部分もあるが、ブラックラムズのブレイクダウンが素晴らしかった。まだまだ伸びシロがあるので、2週間後の静岡ブルーレヴズ戦に向けて修正していきたい」と先を見据えた。
開幕から2連敗となったブラックラムズ東京のヒューワットHCは「最後の20分くらいはチャンスが来ると思って、その通りの展開になって勝つチャンスもあったが、残念ながら活かしきれなかった。でも、選手たちが長くファイトし続ければ結果が出てくると思う。先週はとても自分たちのチームと思えなかったが、今週はそういう意味では改善できた」と、試合には敗れたが選手たちのパフォーマンスには一定の評価を与えた。
キャプテンのHO武井は「ブレイブルーパスはフィジカルが武器だとわかっていたので、接点の部分で負けないことを意識して入った。それがしっかりゲーム中に出て、自陣では守り切ることができたり、ディフェンスで圧力をかけたりすることはでき、そこは先週から成長できたと思う。チャンスもあったが、ものにできなかったので、一個一個の精度を突き詰めてないといけないが、正しい方向に向かっていると思う」と前を向いた。
来週、リーグワンは「Bye Week」(休みの週)となり、第3節は年明けに行われる。連勝を狙うブレイブルーパス東京は1月7日(土)、フレンドリーエリアとなった神奈川県川崎市にある等々力陸上競技場に静岡ブルーレヴズを迎える。ブラックラムズ東京は、1月8日(日)、ビジターチームとして愛知県・豊田スタジアムに乗り込み、トヨタヴェルブリッツと戦う。
文:斉藤健仁/PhotobyS.IDA
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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