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ラグビー コラム 2022年12月23日

早稲田大学、明治大学に対抗戦と昨年の借りを返すリターンマッチ。ラグビー全国大学選手権 準々決勝

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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カギを握るSO伊藤大祐

12月25日、聖地・秩父宮ラグビー場では負けられない戦いが繰り広げられる。早稲田大学が迎え撃つは、昨年の全国大学選手権で『荒ぶる』への道を阻まれた明治大学だ。

3回戦の東洋大学戦に勝利し、明大へのリベンジの切符をつかんだ早大。関東大学対抗戦の課題を克服し、雪辱を果たすことができるか。目標とする日本一に向けて乗り越えなければならない一戦を迎える。

前節の東洋大戦は、ゲームの入りと終わりにこだわる『1st10/Fin10』をゲームテーマに掲げた。序盤は自陣でのプレーが続いたものの、SH(スクラムハーフ)宮尾昌典(スポ2=京都成章)が先制トライを決め、テーマを体現する滑り出しを見せる。

その後は相手の勢いに飲まれ、リードを許して試合を折り返した。後半早々には、相手にトライを許すが、CTB(センター)吉村紘(スポ4=東福岡)のトライで嫌な流れを断ち切り、以降は早大ペースで展開する。

18分にはテンポ良く大外にボールを運び、WTB(ウィング)槇瑛人(スポ4=東京・国学院久我山)が逆転トライ。33分にはWTB松下怜央(スポ4=神奈川・関東学院六浦)が勝利を決定づける追加点を挙げた。

東洋大戦、ボールキャリーで魅せたHO(フッカー)安恒直人

勝因の1つとして挙げられるのはセットプレーの修正力。80分間を通したチーム全員の粘りから得た勝利となった。負けられないプレッシャーのかかる中、今季勢いに乗る東洋大に白星を挙げたことは早大に自信をもたらしたに違いない。

今回の明大戦、勝利のカギとなるのは対抗戦で課題となった決定力、東洋大戦で修正を見せた立ち上がりの部分だろう。対抗戦最終節、明大と対戦した早大は序盤から圧力を受け、3連続でトライを許す。その後は敵陣に攻め込む場面が多く見られたが、22mラインに入ってからの決定力を欠き、点差を縮められなかった。次こそは序盤から主導権を握り、チャンスをものにしたいところだ。

一方で注目されるのは、SH宮尾とSO(スタンドオフ)伊藤大祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)のハーフ団。息の合ったコンビネーションで早大のアタックを指揮し、チームに流れをもたらす。

また、PR(プロップ)川崎太雅(スポ3=東福岡)はスタメンでの起用、FL(フランカー)相良昌彦主将(社4=東京・早実)は対抗戦での慶應義塾大学戦以来の実戦復帰だ。「主将のために」。前節、相良主将への思いを胸に戦った早大。核となる主将の復帰で早大の士気はより一層高まることだろう。

一方の明大陣営。前回の早明戦からメンバーに大きな変更は見られないが、3週間という期間の中で要所を強化してきたに違いない。190センチを超えるLO(ロック)陣や強靭な体格を擁するFW(フォワード)は、明大の武器だ。

さらに、巧みなパスで攻撃を操るSO池戸将太郎やCTB(センター)齋藤誉哉の力強いボールキャリーを、早大は抑え切りたいところ。スローガンである『Ahead』を体現するかのような完成度の高い明大のアタックは、早大の警戒ポイントともなる。負けたら終わりの大学選手権、明大にとっても落とせない一戦は、白熱した展開が待ち受けていることだろう。

早大は昨年の大学選手権での黒星から、明大に勝利を挙げることができていない。宿敵・明大にこれまでの借りを返し、2年ぶりの『年越し』を決めることができるか。リベンジに闘志を燃やす早大の意地を見せつけ、日本一へ大きく近づく勝利をつかみたい。そして再び東京・国立競技場へ-。ここで負けるわけにはいかない。

文:中村日菜美/写真:前田篤弘(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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