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大学選手権3回戦で躍動したルーキー林
大学日本一を決める戦いも残り8校に絞られた。準々決勝からは各リーグで優勝を飾ったチャンピオンチームも登場し、ハイレベルな戦いが予想される。同志社大学が4強入りをかけて戦う相手は、昨年の大学チャンピオン帝京大学。
ラグビー界の名将・岩出監督からバトンを受けた相馬監督の下、今季はセットプレーに力を入れてきた。今秋の関東大学対抗戦では、昨年王者の貫禄を見せつけ優勝。早稲田大学、明治大学、慶應義塾大学といった伝統校を次々と倒し、圧倒的な強さを示してきた。1つ下のカテゴリーである関東大学対抗戦ジュニアでも、負けなしで王座に君臨。他のチームにない選手層を持ち、満を持して紺グレを迎え撃つ。
しかし、同志社もここ2試合で大きな自信をつけてきた。大学選手権出場に崖っぷちの中で迎えた天理大学戦は、47-19で勝ち点5を奪取し、大逆転で選手権の切符をもぎ取った。12月11日に行われた3回戦は福岡工業大学に62-17で快勝し、駒を進めてきた。
多彩なプレーとキック力を誇る大島
SO(スタンドオフ)大島泰真(京都成章=スポ1)とNO8(ナンバーエイト)林慶音(大阪桐蔭=スポ1)を筆頭に、ルーキーたちが躍動し、得点を量産。「試合を重ねるごとにチームのアタックにフィットしてきた」(大島)。その言葉通り、プレーメーカーの大島が統率するチームの攻撃は、徐々にチームの完成形に近づいている。
対する帝京大の特徴は、なんといっても接点の強さだ。HO(フッカー)江良颯やNO8延原秀飛を中心に1対1で相手を圧倒する。昨年の対戦ではタックルを受けながらボールをつなぐオフロードパスを多用され、24-76で大敗。FW(フォワード)陣の縦突破には、特に警戒が必要になるだろう。
また、帝京大はBK(バックス)陣も学生屈指のタレントが揃う。中でも、ゴールキッカーを務めるSO高本幹也は絶対的な司令塔だ。空いたスペースを突き、彼を起点に左右にボールを展開する。WTB(ウィング)には対抗戦トライ王の小村真也が待ち受け、虎視眈々とトライのチャンスをうかがう。
梁本とともに第112代を牽引してきた西村
同志社としては、防御面で素早いリロードとダブルタックルを徹底したい。「ディフェンスでは1対1を作らずに2枚でディフェンスしていけるかが重要」(CTB/センター西村海音副将・同志社=商4)。1年間積み上げてきた前に出る防御は、幾度となくチャンスの芽を摘んできた。
対福岡工大戦でも、足首に突き刺さるタックルと素早いジャッカルで流れを掌握。この試合では後半25分までペナルティが1回と不用意な反則を減らし、粘り強く戦い抜いた。帝京大の武器であるラインアウトからのモールを未然に防ぐために、引き続き80分間規律を守り、我慢強く戦うことが求められる。
セットプレーで優位に立ちたい
セットプレーの攻防も勝敗に関わる重要な要素だ。ラインアウトでは190cm超えのLO(ロック)山川一瑳、本橋拓馬をはじめ、高さで勝負を挑んでくることが予想される。また、元PR(プロップ)の相馬監督の下、強化してきたスクラムにも自信を持っているはずだ。
同志社のスクラムの中心、山本
対する同志社も、リーグ中盤から戦列復帰したPR山本敦(常翔学園=社3)を中心とするスクラムで、重量で上回る相手にも引けを取らない。ラインアウトでも、身長差を速さとスキルで補い安定感を高めてきた。直近2試合のセットプレーを見ても、成功率はいずれも90%と数値に表れている。攻守の起点となる部分でどこまで拮抗した展開に持ち込めるか。準備期間でさらに磨きをかけ、決戦に挑む。
「自分たちはあの負けからスタートした」(NO8梁本旺義主将・常翔学園=社4)。なす術なく姿を消した2021年12月26日。そこから立ち上がった梁本組は多くの逆境を乗り越えて同じ舞台に戻ってきた。多くの選手たちが「戦う前に気持ちで負けていた」と振り返る昨年とは違う。
雪辱を果たしたいと梁本主将
「気持ちの部分で相手に絶対通用する、戦っていくことを意識していきたい」(梁本)。昨年の雪辱を果たすべく、全身全霊をかけ、王者に立ち向かう。因縁の再戦を制し、6年ぶりの年越しを決められるか。80分間自分たちの力を最大限出し切り、古豪復活への第一歩を踏み出せ。
文:勝部健人/写真:松井麻衣、勝部健人、浅川明日香、小野理紗(同志社スポーツアトム編集局)
同志社スポーツアトム編集局
同志社スポーツアトム編集局は1978年に創刊された同志社大学唯一の体育会機関紙です。年6回の本紙の発行を軸に、号外の発行やHPの管理などをすべて学生の手で行っています。
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