好スタートを切った横浜イーグルスとスピアーズ東京ベイ・船橋。連勝を飾るのはどちらか。ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1第2節プレビュー

横浜キヤノンイーグルス vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

ともに開幕戦で難敵を破った強豪同士が激突する第2節屈指の大一番。ここで白星を積み重ねられれば、トップ4入りをかけたレースで一歩前に出ることができる。今シーズンの覇権争いをも左右する、大切なゲームといえるだろう。

12月25日、昨季6位の横浜キヤノンイーグルスと同3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、イーグルスのセカンドホストエリアである大分県の昭和電工ドーム大分で激突する（12時キックオフ）。イーグルスは前節、4シーズン前のチャンピオンであるコベルコ神戸スティーラーズとのタフな接戦を39-30で競り勝った。対するスピアーズも前年度準優勝の東京サントリーサンゴリアスから18シーズンぶりとなる勝利を挙げ、好スタートを切っている。どちらも心身ともに充実した状態で、この一戦に臨んでくるはずだ。

それぞれの戦いぶりを振り返ると、イーグルスはセットピースを起点にしたBKの巧みな仕掛けから2本、得意のラインアウトモールから2本と、練り上げてきた武器を効果的に駆使してトライを重ねた（ターンオーバーからの1本を合わせトータル5トライ）。注目の南アフリカ代表SHファフ・デクラークは後半14分から入替で出場し、的確な判断と落ち着いた球さばきでゲームをコントロール。拮抗したせめぎ合いを勝ち切り、昨シーズンからの進歩を示した。

一方のスピアーズは自慢の強力FWを軸に接点のバトルで優位に立ち、ボール争奪局面を制圧。31-18の最終スコア以上に差を感じさせる内容で、実力者サンゴリアスから完勝を収めた。FWはリザーブまで含めインパクト抜群のプレーヤーが並び、BKも木田晴斗、根塚洸雅の両WTBがこの日の全トライ（3本）をマークするなど、得点力が飛躍的に向上してきている。攻守に隙のないバランスのとれたチームに仕上がりつつある印象だ。

横浜キヤノンイーグルススターティングメンバー

キックオフ2日前に発表された登録メンバーを見ていくと、イーグルスのFW第1列は前節と同じPR岡部崇人、HO川村慎、PR杉本達郎の3人で、LO陣はリアキマタギ・モリがFLから5番に繰り上がり、スティーラーズ戦2トライのコリー・ヒルとコンビを組む。両FLは前節リザーブのシオネ・ハラシリと初先発の新加入、ミッチェル・ブラウンで、NO8はおなじみのアマナキ・レレイ・マフィ。前節より一人平均で約2.5キロ重くなり（前節108.9／今節111.3）、より力強さを感じさせる布陣だ。

SHはいよいよファフ・デクラークが先発で登場。状態のよさを感じさせるSO田村優とのペアでどのようなプレーメイクを見せるのか、期待がふくらむ。TB陣は前節と同じ梶村祐介（キャプテン）、ジェシー・クリエルのCTBコンビに、ヴィリアメ・タカヤワとイノケ・ブルアの両WTB。FBにはエスピー・マレーに替わって小倉順平が入った。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー

対するスピアーズは、バックアップも含め前節とまったく同じラインアップで挑む。フロントローはルースプレーでも存在感を示すPR海士広大、HOマルコム・マークスにPR松波昭哉という並び。両LOは205センチのルアン・ボタと199センチのデーヴィッド・ブルブリングという南アフリカ出身のツインタワーだ。FW第3列はピーター・ラピース・ラブスカフニ、末永健雄の両FLにNO8ファウルア・マキシと、球際に強いハードワーカーがそろう。

HB団は加入3季目のSH藤原忍と、オーストラリア代表75キャップのSOバーナード・フォーリー。キャプテンの立川理道とテアウパシオネのCTB陣が中盤の攻守を引き締め、両翼は木田晴斗、根塚洸雅の勢いある若きフィニッシャー2人が務める。FBは特大のキックとスピードが光るゲラード・ファンデンヒーファーだ。

いずれも安定感あるセットピースを軸にしたアタックを得意とするチームだけに、スクラムおよびラインアウトの攻防は、この試合のひとつの焦点になるだろう。相手が厳しくプレッシャーをかけてくる中でいかにマイボールをキープし、そこからどんな崩しを見せるのか楽しみだ。消耗戦が予想されるだけに、リザーブメンバーの投入のタイミングも重要なポイントになるだろう。

なお昨季はカンファレンスAで2度対戦し、第5節のファーストレグはスピアーズが50-21、第12節のセカンドレグはイーグルスが30-21と、ともにビジターチームが勝利している。トップ4、さらにはその先のステージを視野に入れる両者にとって、越えなければならない壁ともいえるこの一戦。見応えある好ゲームになるのは必至だ。