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ラグビー コラム 2022年12月16日

トヨタヴェルブリッツvs.静岡ブルーレヴズ、東海ダービーの開幕戦。ジャパンラグビー リーグワン第1節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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トヨタヴェルブリッツvs.静岡ブルーレヴズ

いよいよ、2シーズン目を迎える「NTTジャパンラグビーリーグワン」が、12月17日(土)に開幕する。愛知・豊田スタジアムでは、ディビジョン1のカンファレンスAに属するトヨタヴェルブリッツ(昨季5位)が静岡ブルーレヴズ(昨季8位)を迎える。開幕戦から「東海ダービー」となった。

昨季、上位チームに対してあまり勝つことができず、プレーオフ進出を逃したトヨタヴェルブリッツ。今季は日本代表、サンウルブズなどでの指導歴もあるニュージーランド出身のベン・ヘリングHC(ヘッドコーチ)が新たに指揮を取ることになった。

共同キャプテンのFL(フランカー)古川聖人とNO8(ナンバーエイト)姫野和樹の2人、PR(プロップ)木津悠輔、SH(スクラムハーフ)茂野海人と、今秋の日本代表で欧州遠征に参加した4人はベンチからのスタートとなった。

トヨタヴェルブリッツ

スターティングメンバーを見ていくと、FW(フォワード)第1列のPRは今年、日本代表でもプレーした三浦昌悟淺岡俊亮の2人、HO(フッカー)はベテランの彦坂圭克で構成。LO(ロック)には西村龍馬と今年日本代表初キャップを獲得した秋山大地のコンビ、バックローは、FLが2019年世界最優秀選手で、南アフリカ代表のピーターステフ・デュトイ吉田杏、NO8には日本代表経験もあるフェツアニ ラウタイミが入った。

BK(バックス)は、ゲームキャプテンを務めるSH福田健太とSO(スタンドオフ)ティアーン・ファルコンのハーフ団、CTB(センター)にはロブ・トンプソンと清水建設江東ブルーシャークスから新加入のディック・ウィルソンのニュージーランド出身の2人のコンビ。WTB(ウイング)がクリタウォーターガッシュ昭島から新加入のフィジー出身の23歳のジョネ・ナベテレヴと日本代表経験のある高橋汰地、FB(フルバック)は新人のヴィリアメ・ツイドラキ(摂南大学出身)が務める。

リザーブには日本代表4人のほか、HO加藤竜聖、PR清水岳、東海大学出身の新人SO丸山凜太朗、2018年度のトップリーグ新人賞CTB岡田優輝が控える。スプリングボクスのFBウィリー・ルルー、イングランド代表経験のある新加入のLOジョー・ローンチブリーはメンバー外となった。

ヘリングHCは「すごくいい準備ができていて、チームがすごくいい状態なので開幕戦が楽しみ」と語り、ゲームキャプテンのSH福田も「1つターゲットにしていることもあるので楽しみ。(開幕戦を)意識し過ぎずに、ここから個人としてもチームとしてもレベルアップしていきたい」と自信をのぞかせた。

次に静岡ブルーレヴズのメンバーを見ていこう。昨季はコロナ禍の影響もあり、4試合が不戦敗となり、8位と不本意な成績に終わった。今季は南アフリカ代表NO8クワッガ・スミスと今年日本代表候補にもなった2年目のFB(フルバック)奥村翔が共同キャプテンを務め、トップ4に入りプレーオフ進出を目指す。

「同じポジションの選手がどれだけ競争していくかがチームの力になる。若い選手もどんどん使っていきたい。常に競争あるトレーニングに取り組んで前進していきたい」と堀川隆延HC(ヘッドコーチ)が言うように、経験値の高い選手とフレッシュな選手のバランスの取れた布陣となった。

静岡ブルーレヴズ

FWは帝京大学出身の新人PR泓城蓮がベテランのPR伊藤平一郎とコンビを組み、今年日本代表に復帰したHO日野剛志とともにフロントローを務める。LOが日本代表で前キャプテンの大戸裕矢と桑野詠真の2人、FLは杉原立樹と庄司拓馬、NO8はキャプテンのスミスが入った。

BKを見ると、クルセイダーズから加入したマオリオールブラックスSHブリン・ホールとSOサム・グリーンがゲームをコントロールし、CTBが東芝ブレイブルーパス東京から移籍した、7人制ラグビー日本代表経験のあるジョニー・ファアウリと小林広人がコンビを組む。WTBは2021年のトライ王のマロ・ツイタマ伊藤力、共同主将のFB奥村がバックラインを統率する。

ベンチにはHO江口晃平、PR河田和大、中央大学出身の新人PR茂原隆由、横浜キヤノンイーグルスから移籍した元日本代表LOアニセ サムエラ、帝京大学出身の新人リッチモンド・トンガタマ、ベテランの元日本代表SH矢富勇毅、CTBクリントン・スワート、WTBキーガン・ファリアが入った。

昨シーズンも両チームは同じカンファレンスに入り、開幕戦も同カードで戦う予定だったが、残念ながらコロナウィルス感染拡大の影響で中止となり、トヨタヴェルブリッツの不戦勝となった。4月23日に行われた試合では静岡・エコパスタジアムで接戦の末、ビジターのトヨタヴェルブリッツが18-15で静岡ブルーレヴズを退けている。

トヨタヴェルブリッツといえばフィジカルラグビー、静岡ブルーレヴズと言えばスクラムがチームの代名詞だ。ともにスクラム、モールに長けているだけに、FW戦で優位に立ったチームが勝利に近づくはずだ。

なお、この試合の後、午後4:30頃から、リーグ戦の出場の少ない選手の育成・成長を提供するためにメンバー外選手による「MIRAI MATCH」も行われることになった。リーグワン初の試みであり、今後も増えていくことを期待したい。

昨季は互いに悔しい思いをした両チームは、プレーオフ進出のためにも開幕からスタートダッシュをかけたいはずだ。コラボグッズなどを作り、盛り上げを見せている「東海ダービー」を制して、勢いをつけるのはどちらか。試合は12月17日(土)、愛知県・豊田スタジアムで午後2:30にキックオフされる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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