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ラグビー コラム 2022年12月9日

いざ準々決勝へ!流経大(リーグ戦2位)×慶大(対抗戦4位)が激突!大学選手権3回戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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準々決勝へ駒を進めるのはどちらか。

2022年度の大学王者が決まる「第59回全国大学ラグビー選手権大会」は3回戦。

12月11日(日)、東京・秩父宮ラグビー場で、関東大学リーグ戦2位(6勝1敗)の流通経済大学と、対抗戦4位(4勝3敗)の慶應義塾大学が相まみえる。

慶大は短い試合間隔で、負ければ終わりのトーナメント初戦、3大会連続39回目の舞台に挑む。

2連敗(対明治大学/3●54、対早稲田大学/13●19)で迎えた対抗戦の帝京大学戦は8日前の12月3日。トライ6本差(2-8)により14-57で大敗を喫した。

帝京大戦後、慶大の栗原徹監督は「フィジカルや後半の集中力の差を痛感した」と語った。

「これからまだまだ修正、成長できると思います。選手権に向けて1週間、良い準備をして、また帝京大学さんと試合ができるように成長したいです」

帝京大は反対側の山にいる。再戦の可能性は選手権ファイナルだ。

週末の流経大戦に勝ち、準々決勝で12月25日(日)に大阪で関西学生Aリーグを2連覇した京都産業大学を撃破し、さらに準決勝を突破するのだ。

しかしまずは一戦必勝。流経大とは今季練習試合を含めて1勝1敗だ。

「流通経済大学さんには春季大会では負け(22-26)、夏合宿では勝ち(25-12)、日頃から切磋琢磨させて頂いている大学さんのひとつです」と慶大・栗原監督。

「(流経大は)ダイナミックラグビーでボールを大きく動かすプレー、そして大きなFWに強みがあると思います。彼らの強みを出させないように対策を考えたいです」

直近の勝利は10月16日の筑波大学戦。白星から約2か月遠ざかっているが、大一番へ向けた先発15人は大学トップクラスだ。

慶應義塾大学スターティングメンバー

先週の帝京大戦から4名変更。PR鈴木悠太、LO栗田大次郎、NO8高(中が目)武俊輔、CTB鬼木崇が入った。

守備を引っ張るのは大黒柱、FL今野勇久キャプテン。空中戦やフィールドプレーで光るLOアイザイア・マスプアも先発する。

バックスでは正確なゲームメイカーであるハーフ団、SH小城大和、SO中楠一期。そしてフィニッシャーでありキックゲーム名手でもあるFB山田響。献身性溢れるフォワードが花形バックスを引き立てる。

一方の流経大はリーグ戦で勝ち癖をつけ、シーズンが深まるにつれ成長を遂げてきた印象だ。

今季リーグ戦の4試合が10点差以内。そのすべてを勝ち切っている。

後半スコアが前半を上回る「終盤力」もあり、唯一負けた東海大学戦では前半を0-26で折り返しながら後半4トライで26得点。敗戦はしたものの、エナジーの持続性を見せた。

気になるのは失点だろう。流経大のリーグ戦1試合平均失点は29.6(慶大は23.9)。シーズン前半は反則の多さも目立った。

昨シーズンは14年振りに選手権出場を逃した流経大。セットプレー、ブレイクダウンでの反則を減らし、2大会ぶり22回目の大舞台で、思う存分攻撃力を発揮したい。

流通経済大学

そんな流経大は2週間前から先発3人を変更。FL越高梁、SO柳田翔吾、FB谷惇平が入った。

柳田は今季初先発だが、下級生から主力であり経験は豊富。アタックの主軸であるCTB土居大吾キャプテン、WTB永山大地らとは流経大柏高からの同期だ。

焦点のひとつはブレイクダウンだろう。

慶大が早大戦で見せたブレイクダウンワークは強烈だった。慶大としてはブレイクダウンの強みを発揮し、ボールを大きく動かす流経大のラグビーを封じたい。

かたや流経大は持ち前のフィジカル、接点で圧倒したい。

慶大を苦しめた帝京大、明大はいずれも強烈なフィジカルが大きな武器だ。流経大は1対1、ゲインラインのバトルで力を見せたい。

準々決勝への切符を手にして、関西王者・京産大へチャレンジするのはどちらか。負ければ終わり。お互いの集大成がぶつかりあう大勝負だ。

文:多羅正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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