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関西連覇で大学選手権に挑む京都産業大学
12月3日、ラグビー関西大学Aリーグに所属する8校がラグビーの聖地・花園ラグビー場に集結した。京都産業大学は前節、天理大学との激闘を制し、首位に躍り出た。関西のタイトルを絶対に勝ち取ると意気込みで練習に励んできた。関西リーグを最後までタフに戦い抜き、大学選手権へ向け勢いをつけたいところだ。
第1試合、ここまで5勝1敗で2位の天理大学が同志社大学に敗れ、試合前に京産大の優勝が確定した。しかし、京産大には「優勝確定」「選手権出場決定」よりも、目の前にいる近畿大学という敵を倒すことが最も重要である。これまでも目の前の試合1つ1つに真剣に向き合い、勝利を重ねてきた。京産大らしくひたむきにプレーすることで全勝優勝を決めたい。
対する近大は勝ちか引き分け、負けても7点差以内なら選手権出場が決定するという大一番。鋭いタックルから、すぐにジャッカルの姿勢に入り、相手のペナルティを誘うという得意の流れで、試合開始早々ボールを奪われる。
着実に得点していきたい近大は、PG(ペナルティゴール)で先制点を奪う。一方、京産大は4分、敵陣ゴール前でのラインアウトでタイミングをしっかり合わせた。着地で崩れモールは組めなかったが、HO(フッカー)李淳弘(営2=大阪朝高)がボールを持ち出し、パスを繋げる。激しいアタックで相手の反則を誘った。ここで京産大もPGを狙い、3-3と同点に追いついた。
両チームが得意としているスクラム。京産大のプライド、3番を背負うPR(プロップ)渡辺龍(営4=甲南)が急遽欠場し、代わりに川口新太(法2=東海大仰星)が出場した。先発出場は初だったが、力強いスクラムで相手を圧倒し、チームに何度も追い風を吹かせた。前半24分、敵陣でのラインアウトモール。今回はしっかり組み押し進める。相手の激しいディフェンスでなかなか前に進めなかったが、最後はLO(ロック)堤田京太郎(営4=大阪桐蔭)が勝ち越しのトライを決めた。
トライを決めて喜ぶ選手たち
前半28分、近大のキックをWTB(ウィング)シオネ・ポルテ(現1=目黒学院)がキャッチしそのまま持ち出すも、自陣22mライン付近で相手にジャッカルを決められピンチに陥る。近大はここでも堅実にPGで得点。
その後、すぐに激しいタックルでターンオーバーされ、一気に22mラインまで攻め込まれた。自陣5mラインでのマイボールラインアウト、相手にボールを奪われる。ここでラインアウトの要FL(フランカー)松永壮太郎(済2=京都工学院)が負傷し、天理大戦から復帰したハードタックラー・FL三木皓正(済3=京都成章)が早めの段階で投入された。しかし、自陣の中央での相手スクラムはボールをすぐに持ち出され、右サイドの隙に被トライ。8-13と逆転を許した。
前半押され気味の京産大、リードして試合を折り返したい。マイボールラインアウトからCTB(センター)家村健太共同主将(法4=流経大柏)が大きくゲイン。その後も家村がキックパスを左サイドに出し、それをWTB西浩斗(済2=熊本西)がグラウディングした。その後も何度かピンチはあったものの、しっかり守り切り15-13で前半終了。
京産大らしいダイレクトなラグビーをしようと臨んだ後半戦。バウンドした近大のキックをSH(スクラムハーフ)土永旭(営2=光泉カトリック)がLO(ロック)アサエリ ・ラウシー(現4=日本航空石川)に渡し、そのままノーホイッスルトライを決めた。廣瀬佳司監督が今試合のキーマンとして選んでいたアサエリが、その期待通りの活躍を見せる。6分、インパクトプレーヤーとして、毎試合流れを変えるNO8(ナンバーエイト)ヴェア ・タモエフォラウ(現3=札幌山の手)が投入された。
その後、京産大はペナルティからピンチを招くも、FL福西隼杜共同主将(済4=報徳学園)や三木の刺すような鋭いタックルで相手のアタックを阻む。すると10分、土永のキックしたボールがバウンド、保持したボールをアサエリがポルテレにパスし、そのまま走り切りトライ。スーパールーキーが存在感を見せつけた。
ラグビー 関西大学リーグ2022
【ハイライト】近畿大学 vs. 京都産業大学
次の得点も京産大。ポルテレが敵陣ゴールライン目前で相手のキックをチャージ。そこからチャンスを掴み、ラインアウトモールで前進。フェイズを重ね、少しずつゴールへ近づいていく。最後は堤田が2本目のトライを決めた。試合に出れない悔しさを味わいながらも努力してきた堤田。巡ってきたチャンスをしっかりものにし、4回生の意地を見せた。「トライを決めた後、みんなが駆け寄ってきてくれる姿を見て、本当に今までやってきたことが無駄じゃなかったんだと感じました」と熱い言葉を口にした。
さらに35分、自陣ゴールライン手前での相手ボールラインアウトのピンチ、ここで相手がキャッチしきれなかったボールをヴェアがすかさずキープ。SO(スタンドオフ)西仲隼(法4=近大附属)が右サイドにいたポルテレにパス、そこから脚力とフィジカルで一気にハーフウェイラインまで運ぶと、高井良成(営3=関大北陽)が残り半分を走り切り、インゴールへ。39-13となった。
43分、京産のノット10mバックで自陣深くに入り込まれる。相手ボールのラインアウトモールで押され、ラストワンプレーでトライを決められたが、最終スコア39-18で京産大は2年連続で関西リーグ全勝優勝を果たした。
最終節はケガ人などが多く、大きくメンバー変更をして挑んだ。渡辺の代わりに出場した川口はスクラムの強さを感じさせ、FB(フルバック)北山絢大(営4=東海大仰星)の代わりに先発した辻野隼大(済2=京都成章)もアグレッシブなプレーで、チームを勢いづけた。選手権大会を前に大きな収穫を得た試合だったといえるだろう。
「メンバー外の選手にもしっかり声をかけてチーム全員で勝ちたい。この思いは変わらない」。この1年、背中でチームを牽引し続けてきた福西共同主将はそう語る。
試合の2日前に実践的なアタックディフェンスをする際、Aチームと同じくらいの熱量で取り組んだBチームのメンバーたち。ケガをしていても、自分にできることを必死に取り組む選手たち。寒い日も暑い日もメンバーをサポートする学生スタッフたち。選手たちのことをよく理解し、指導する指導者の方々。神山グラウンドに行くと、福西共同主将の言う「全員で勝つ」チームの姿がそこにあった。
関西1位のプライドを持って今年こそ悲願の日本一へ。最後まで全員で戦い抜きたい。
文/写真:藤田芽生(京産大アスレチック)
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