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12月3日(土)、関西大学Aリーグは最終節を迎える。全8チームが東大阪市花園ラグビー場に集結し、4試合を行う。全チームが6試合を終えて、首位は6戦全勝の京産大(勝ち点は28)。2位は5勝1敗の天理大(25点)、3位近大(3勝3敗、15点)、4位関西学大(3勝3敗、14点)、5位同大(2勝4敗、11点)立命大(2勝4敗、9点)、摂南大(2勝4敗、8点)、関西大(1勝5敗、6点)と続く。同リーグの全国大学選手権出場枠は3位まで。京産大と天理大が確定し、残る1枠を近大、関西学大、同大が争うことになった。
例年通り、今季の同リーグは実力が拮抗しており、最終節までひとつも順位が確定してない。選手権出場枠の3チームの順位、入替戦に回る下位2チームもこの日にすべて決まることになる。当日の花園ラグビー場は大いに盛り上がるだろう。本稿は第1グラウンドの第2試合(14:05キックオフ)、近大対京産大について書きたい。2年連続の優勝に王手をかける京産大は、勝てば文句なしの連覇達成。負けた場合は、天理大の勝敗によって2位の可能性もある。
近大は3位争いで一歩リードしているが、3トライ以上差をつけるボーナス点を獲得しての勝利で5点を加算すれば3位が確定する。ボーナス点が獲得できずに4点で終わると、関西学大が5点を獲得したとき、勝ち点が19点で並び、当該チームの勝敗で関西学大が3位となる。京産大に敗れた場合は、関西学大、または同大に逆転される可能性が高く、まさに必勝態勢の戦いになる。
植田和磨(近畿大学)
近大は前節(11月20日)、同大を34-0で下して上り調子だ。この試合で3トライをあげてプレーヤーオブザマッチに輝いたWTB植田和磨(2年)のランニングスキルの高さは京産大にとっても脅威になる。FL中村健志キャプテン(4年)は、京産大戦の勝利のポイントとして「近大の強みはセットプレー、京産大も同じなので、そこで負けないこと。あとは外国人選手が強いのでディフェンスで引かないことです」と語った。12月1日に発表された試合登録メンバーを見ると、同大戦と先発15名は変わらず。得意のスクラムで圧力をかけ、京産大のリズムを崩し、植田をはじめ、決定力あるアウトサイドBKを走らせたい。
堤田京太郎(京都産業大学)
京産大は、前節の天理大戦とリザーブも含む23名が同じメンバーで臨む。天理大戦の2日前にFWの中心選手だったLOソロモネ・フナキ(2年)が負傷したが、代わったLO堤田京太郎(4年)が活躍して穴を埋めた。廣瀬佳司監督によれば、「セットプレーに関しては、堤田のほうが貢献度は高い」と話し信頼を寄せる。春の怪我からようやく天理大戦で復帰したFL三木皓正(3年)は今回もリザーブからのスタートで、NO8ヴェア・タモエフォラウ(3年)とともに流れを変えるインパクトプレーヤーとして登場することになりそうだ。
春から固定したメンバーで戦っていることについて、廣瀬監督は「FWの練習を見ていると、8人全員がまとまって同じ方向に押していくのが強い。そのためには時間が必要です。同じメンバーで信頼関係を構築してほしいのです」と説明した。交代選手も少なく、前節は3名を入替えただけで、FW第一列は現代ラグビーでは珍しく全員がフル出場している。ハードな練習で鍛え上げる京産大ならではという気もするが、それだけ先発メンバーへの信頼が厚いのだろう。
互いにスクラムに自信を持ち、ディフェンスも粘り強い。京産大にはWTBシオネ・ポルテレ(1年)、近大には植田という屈指のトライゲッターがいる。優勝を目指す京産大、選手権出場を目指す近大とモチベーションも高い。立ち上がりから緊迫感ある攻防が繰り広げられることになりそうだ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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