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最終戦に挑む同志社大学
近畿大学戦を終え、最終戦を控えた今、同志社大学は窮地に立たされている。自力での大学選手権出場の可能性が見えた第6節。攻守ともに優位に立つことができず、近畿大学に0-34と大敗を喫し、勝ち点は今季初となるまさかの「0」。最終節の天理大学戦の結果によっては入れ替え戦の可能性も浮上した。
天理大学に3トライ差以上をつけて勝利すれば、大学選手権出場の可能性が残る一方、敗れると入れ替え戦出場の7位になる可能性もある危機に陥った。土曜の最終戦は危急存亡の瀬戸際のゲームになるだろう。
天理大学は現在2位。第6節では最大のライバル・京都産業大学と全勝対決に臨み、22-29と敗れたが、相手の下半身へ突き刺さるタックルや高い持久力、スピーディーなアタックは紺グレを苦しめる脅威になるに違いない。
FL(フランカー)梁本旺義主将は天理大学について、「特にディフェンスが強いチームなので自分達がアタックをどれだけチャレンジできるかがポイント」と言及した。前節では近畿大学の強靭なディフェンスに苦戦したとともに、自らのミスから反則が仇となり大量失点。終始やりたいアタックも体現できず、チャンスをものにできない苦しい展開を強いられた。
敵陣深くまでゲインした場面もあったが、相手の粘り強いディフェンスに阻まれ、無得点で試合終了。「近畿大学のディフェンスに対してゲインラインを切ることができず、後ろに投げているだけになってしまったこともあり、ブレイクダウンで後手を踏み良いアタックができなかった」(CTB/センター西村海音副将)。
第6節でのテーマは「4800秒」(=80分間)。1秒1秒集中を切らさずに戦い切るという意味だ。「ミスは絶対起きるものなので、リアクションスピードやカバーを全力で集中を切らさずにやっていこうという目標だったが、近畿大学戦では1つ1つのプレーで綻びが生まれてしまった」(梁本)。紺グレの僅かな隙に近畿大学がすかさず対応し、トライチャンスを許したことで、完封負けという結果を招いた。
「あとはやるだけ」と梁本旺義主将
前半14分までは拮抗した展開を繰り広げたが、先制を許してからは流れが一転。近畿大学に試合の主導権を譲り、焦りからミスが目立つ展開となった。その後も流れを取り戻せず、まさかのノートライで試合終了。攻守ともに劣勢を喫し、選手たちは唇を噛み締めた。
天理大学戦でも、80分間ひたむきにプレーし、高い集中力であらゆる戦況に対応できるかが鍵となる。9月から開幕したAリーグも残すところあと1戦。「あとはもうやるだけなので、しっかり勝って、いい終わり方をします」(梁本)。
劣勢に立たされたとしても選手同士コミュニケーションを絶やさず、最後の1秒まで「勝ち」を意識し、諦めなければ何が起こるかわからない。今シーズン合言葉にしてきた『プラスワン』(踏ん張りどころでさらに集中力を上げること)を体現し、強敵に挑む最終節。漆黒のわずかな隙を狙い、ラグビーの聖地・花園で喜びの涙を見せてほしい。
文/写真:橋本さくら(同志社スポーツアトム編集局)
同志社スポーツアトム編集局
同志社スポーツアトム編集局は1978年に創刊された同志社大学唯一の体育会機関紙です。年6回の本紙の発行を軸に、号外の発行やHPの管理などをすべて学生の手で行っています。
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