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壇上に登った23チーム
11月28日(月)、東京都内で、12月17日(土)に開幕する「NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022-23」(ジャパンラグビー リーグワン)のメディアカンファレンスが行われ、一般社団法人ジャパンラグビーリーグワンの玉塚元一理事長と、リーグワン ディビジョン1~3の23チームから23選手も参加した。
まず、玉塚理事長より今シーズンのスローガン「GO FORWARD AS ONE~ファンと共に世界一のリーグへ~」を紹介しつつ、下記のように挨拶した。「1年目にいろんな経験をしてまいりました。2年目にこのいろんな経験を踏まえて、さらに前進しようと言うことと、今回ファンと共に世界一のリーグというのが非常にポイントになる」。
今季のスローガン
「もっとラグビーを普及し、リーグワンを発展させ、日本のラグビー全体が盛り上がっていくためには、やっぱりファンファーストでなければダメだということ。とにかくファンを増やしていこう、ファンの皆さんに足を運んでいただこう。ファンの皆さんにいろんなメディアを使って、ラグビーに触れていただくことが一番重要だと思っております。最終的には500万人ぐらいのファンのベースをラグビー界で作っていきたい」。
続いて「そのためにやらなければいけないことが4点あります」と言い、玉塚理事長は4つのポイントについて話した。「1つ目はラグビーの競技レベルを上げていくこと。今シーズンも平均キャップ数40弱の各国代表の経験者50名ぐらいが参加します。その選手たちと日本で育ってきた選手たちが切磋琢磨してさらに初年度以上に競技のレベルを上げて行く」。
「2点目は地域の皆さんを巻き込んで、ファンを広げていく。いろいろな取り組みをチームと共有して、さらに進化させていく」。
「3点目はファンエンゲージメント事業を本格的に開始する。チケッティングのところから、ラグビーのコンテンツをどうやってお届けしていったらいいのか、ファンの皆さんにとって本当に扱いやすいアプリは何か、どんな媒体上でつながっていくのか。リーグワンと日本ラグビー協会が完全に一体となって広げていかなきゃいけないので、共同してパートナー企業の皆さんのご支援をいただきながら、このファンエンゲージメント事業を本格的に稼働していきたい」。
ディビジョン1の12選手
「最後の4点目は、世界一のリーグとして、日本のリーグワンのコンテンツをどうやってもっと世界のファンに届けていくか。本当に世界に向けて発信できる競技、そしてリーグの体制、こういったものを2年目にさらに作っていく」。
続いてリーグの概要や日程が発表された。12月17日の開幕から2023年4月にかけて行われるレギュラーシーズンを経て、2023年5月にポストシーズンが行われる。ディビジョン1は、A・B、2つのカンファレンスに6チームずつ分けられ、レギュラーシーズンはカンファレンスごとの2回戦総当たり戦と、カンファレンス交流総当たり戦を行う。そしてリーグ戦上位4チームがプレーオフトーナメントに進出し、年間順位を決定する。
ディビジョン2ではレギュラーシーズンで6チームの総当たり2回戦の結果、上位3チーム、下位3チームを決定し、その各3チームで順位決定戦を行なって年間順位を決定する。ディビジョン3は5チームの総当たり戦を行なって年間順位を決定する。
ポストシーズンではプレーオフトーナメントと並行して入替戦を行なう。ディビジョン1の下位3チームvs.ディビジョン2の上位3チーム、ディビジョン2の下位3チームvs.ディビジョン3の上位3チームが、それぞれ2回戦い、その結果をもとに来季の昇格・降格、残留するチームが決定する
パートナー企業、クラブの紹介が行われた後、開幕戦のカードが発表された。まずはディビジョン3の5クラブが紹介され、登壇した各チームの選手が意気込みを語った。
ディビジョン3の代表5選手
【ディビジョン3】
◆12月17日(土)12:00 Balcom BMW Stadium(広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs. 中国電力レッドレグリオンズ
LO(ロック)佐藤羅雲(マツダスカイアクティブズ広島)
「チームはどんどん調子も上がってきて、開幕に向けてコンディションが整っています。目標としてディビジョン2昇格を掲げているので、しっかりと戦い抜きたい」
キャプテンLO西川太郎(中国電力レッドレグリオンズ)
「今年チームスローガンとしてGrow Up、成長としています。僕自身、キャプテン初年度なのでチームとともに成長していければと思っています。ディビジョン2に向けて一戦一戦戦うのはもちろんですが、まずは開幕戦に向けていい準備をしていきたい」
◆12月17日(土)14:30 ヨドコウ桜スタジアム (大阪府)
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 vs. 九州電力キューデンヴォルテクス
LO杉下暢(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)
「いろいろなチームから選手が集まりましたが、マット・コベイン新HC(ヘッドコーチ)のもと、昨季よりも、大きくボールを動かして、得点、トライに結びつけるラグビーを目指していきたいなと思っています」
WTB(ウィング)山田章仁(九州電力キューデンヴォルテクス)
「九州で唯一のチームなので、九州の皆さんにラグビーをお見せできることを、チーム一丸、非常に楽しみにしています。生まれも育ちも九州で、九州の皆さん、九州のラグビーに育てていただいたという思いがありますので、個人的にはもちろん、皆さんのために恩返しもしたい。ファンの皆さん、九州で待っとるばい!」
◆12月24日(土) ベスト電器スタジアム (福岡県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs. クリタウォーターガッシュ昭島
キャプテンFL(フランカー)石井洋介(クリタウォーターガッシュ昭島)
「非常に若いチームとなっていますので、山村亮FWコーチの下、スクラムとモールに力を入れていいエナジーをもって取り組んでいます」
ディビジョン2の6選手
続いて、ディビジョン2の6クラブが紹介された。
【ディビジョン2】
◆12月17日(土)12:00 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場 (三重県)
三重ホンダヒート vs. 浦安D-Rocks
WTB藤田慶和(三重ホンダヒート)
「仲がすごく良くていいチームですし、一丸となってシーズン戦っていきたい。団結力が試合にも出るのかなという感じで、みんなでつながって全員でディビジョン1に上がりたい。開幕戦はホームなので必ず勝ちたい」
キャプテンSH(スクラムハーフ)飯沼蓮(浦安D-Rocks)
「2つのチームが合わさったバラエティー豊かなチームで、全く昨季とは違うチームなっています。初戦でしっかりインパクト残して、自分たちの新しい文化だったり、色だったりを見せたい。ヨアン・アッカーマン新HC(ヘッドコーチ)は 本当に人として尊敬できる方ですし、とにかく練習がきついです(苦笑)。また、副キャプテンPR(プロップ)竹内柊平が日本代表に行って良い意味で刺激を受けています」
◆12月17日(土)12:00 武蔵野市立武蔵野陸上競技場 (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs. 釜石シーウェイブズ
キャプテンNO8(ナンバーエイト)堀江恭佑(日野レッドドルフィンズ)
「新しい選手だったり、若い外国人選手だったり、新しいコーチだったり、特にアタックの部分では新しいことにチャレンジしているので、すごく楽しみです。昨シーズン、釜石に負けてしまったが、今年はホーム開幕戦なので、絶対に勝ちたい」
NO8中野裕太(釜石シーウェイブズ)
「プレシーズンマッチも数をこなしていますし、新加入選手も徐々にヒットしてきて、合宿でもいい形でチームが一丸となっている。スローガンは『REVIVE』(リヴァイブ)で、昨季から引き続き一緒で、プレーでは寝たらすぐ起きることや、震災からの復興、復活という意味も含めて、練習からも声かけてやっています。あとはリアクションの部分も課題だと思うので、そこは練習からみんなで言い合いながらやっています」
◆12月18日(日)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs. 清水建設江東ブルーシャークス
キャプテンPR山口知貴(豊田自動織機シャトルズ愛知)
「今年はもちろん、ディビジョン1に上がることが目標ですが、今あるこの選手、資源の中で日本一になることを最終的な目標に置いています。チームのスローガンは『BRAVE CHOICE』(ブレイブチョイス)です。常に周りと同じことをしても結果は見えているので、その中で勇敢な選択を毎回、毎回して、なり上がっていこうという意味です」
キャプテンFL高橋広大(清水建設江東ブルーシャークス)
「チーム内で練習からすごくいい強度で高め合って行けて、シーズン開幕に向けいい準備ができていると思います。一番のターゲットは上の入れ替え戦に出て、ディビジョン1に昇格することです」
リーチ(左)とガンター
最後にディビジョン1のクラブ紹介が行われた。
【ディビジョン1】カンファレンスA
◆12月17日(土)14:40 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニック ワイルドナイツ vs. 東芝ブレイブルーパス東京
FLベン・ガンター(埼玉パナソニック ワイルドナイツ)
「今季も非常にいい状態です。ハードワークが実っていて、スキルやフィットネスを見ていると、とてもいい準備ができている。(日本代表がこれから合流するが)全く心配ない。世界を経験した選手が戻ってくることで、チームに還元されるしプラスになる。(南アフリカ代表の)CTB(センター)ダミアン・デアリエンデや、LOルート・デヤハーも加入する。開幕戦は、今季のリーグワンの1つの基準となるような素晴らしい試合になる」
FLリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)
「先週の火曜日にドイツ経由で帰ってきて、昨日の夜、やっと10時間くらい寝られた。プレシーズンが早い段階で始まっていて、ケガ人も増えているが、開幕に向けていい準備ができている。昨季、チームが少し復活したので、今季はまたさらに成長したシーズンにしたい。(自身は)股関節の調子も良くなってきたし、シーズンを通して成長したい。開幕戦の相手は昨季王者なので気合を入れたい。相手にたくさん代表選手はいるけど、勝ちたい。目標は優勝なので1試合1試合大事にしていきたい」
古川主将(左)と奥村
◆12月17日(土)14:30 豊田スタジアム(愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs. 静岡ブルーレヴズ
共同キャプテンFL古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)
「自分は代表で離れていたが、スチールオンスチール、鉄と鉄がぶつかるような熱さで、チーム内で激しい争いができている。ブラザーフッドと言って絆も大切にできている。話を聞いていると一体感が生まれてきているので、それをしっかりラグビーに活かしたい。代表では世界レベルを体感できた。試合には出られなかったが、マインドセット、試合に向かっていく準備を体感できて、スタンダードを知ることができたので、チームに還元し、自分もスタンダードを落とさず貢献したい」
共同キャプテンFB(フルバック)奥村翔(静岡ブルーレヴズ)
「ここまでいい準備ができていると思う。若手もベテランも本当にチームのために力を尽くしている。(共同キャプテンの)クワッガ・スミスは試合でリーダーというものを体現してくれるので、自分はチームのカルチャーを、どう成長させられるかが鍵。昨季は開幕から3節まで戦えず、トヨタヴェルブリッツさんとの開幕戦もなくなったので今季は試合ができる喜びを胸に、日々精進していきたい。今季は最終戦もヴェルブリッツが相手なので、いっそう気合が入る。まずは開幕戦を制して勢いをつけたい」
ファイティングポーズをとる武井主将(左)と岩村主将
◆12月17日(土)12:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs. 三菱重工相模原ダイナボアーズ
キャプテンHO(フッカー)武井日向(リコーブラックラムズ東京)
「昨季は思うような結果が出ず、チームとしても悔しいシーズンとなった。ただ1部に残ることはできたので、悔しさを晴らして今季はしっかり戦いたい。チーム状態としてはいいが慢心せず、開幕まで時間がまだあるので、この数週間で成長していきたい。スローガンはないが、ブラックラムズらしさを取り戻して、シーズン通して泥臭く最後まで諦めない、戦い続ける姿勢、活力と感動を与えられるような戦いを見せていきたい。注目は10番のSOアイザック・ルーカス選手。彼はブラックラムズらしさを体現してくれるし、精神的にも強いので、その姿勢、諦めない思いを見てほしい」
キャプテンSH岩村昂太(三菱重工相模原ダイナボアーズ)
「(移籍2年目でキャプテンに就任は)伝統あるチームなので、誇りに思うしやりがいがある。去年は自分にフォーカスしていたのが結果として残ったのですごく良かった。今季はHCは、もともとディフェンスコーチなので、まずはディフェンスをしっかりやりたい。でも、今季はアタックも面白い。世界を経験している選手が入ってきて、いい影響を与えてくれている。地域の皆さんと戦っているチームなので、今季も皆さんと一緒に戦っていきたい」
齋藤(左)と根塚、ともに日本代表
【ディビジョン1】 カンファレンスB
◆12月18日(日)14:30 味の素スタジアム(東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベ
共同キャプテンSH齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)
「チームは昨季よりハードなトレーニングを行っていると聞いています。プレシーズンマッチは勝ったり負けたりですけど、チャレンジし続けられている。ターゲットはもちろん優勝で、その中でも昨季以上にアグレッシブアタッキングラグビーを追求して、開幕戦では相手の大きなFWを動かして、自分たちらしい、ボールを動かすラグビーをしたい」
WTB根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
「僕らもプレシーズンは勝ったり負けたりですが、競争は高まっていると聞いています。若い選手もリーダーシップを取ってくれている。いかにリーグワンで自分の持ち味を出せるかが、日本代表につながると思うのでしっかり頑張りたい。今季は新しいことも試しながら、基本になるFWの強さとBKの展開力で勝負したい。昨季はサンゴリアスさんにやりたいことをやられて、走らされてしまった。今季はやりたいラグビーでかき乱したい。開幕戦に勝利して優勝を目指したい」
◆12月18日(日)14:30 ニッパツ三ツ沢球技場 (神奈川県)
横浜キヤノンイーグルス vs. コベルコ神戸スティーラーズ
キャプテンCTB梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)
「まずは今季、しっかりトップ4に入りたい。昨季は終盤に力尽きたので、層の厚さも含め、キャプテンとしてチームを引っ張っていきたい。日本代表でチームと過ごす時間が取れなかった分、短い時間の中でこれからコミットしていきたい」
副キャプテンSO李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)
「(自分自身は)ジャパンもそうだし、いろいろな経験ができている。アウェイでティア1と対戦できて、結果は出なかったが、リーグワンでは味わえない強度を感じられ成長できた。リーグワンでは少し余裕を持ってプレーできるのではないかと思います。昨季は納得いかないシーズンだったので、今季はしっかりと王者を目指していきたい。頼もしい選手もいるので、そこにいいボールを供給していきたい」
ピンバッチと付け合うレメキ(左)とクーパー
◆12月18日(日)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs. 花園近鉄ライナーズ
キャプテンWTBレメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛)
「すごく順調にできあがっている。めっちゃ楽しみ!練習に行く時、みんな笑顔が見られてそれも楽しい。昨季、あまり試合に勝てていないけれど、今季はトップ6を目指したい。(キャプテンとしての自分は)優しいよ。オフ、すぐバーベキューするよ。全然、怒らない。注目選手は(新加入の)195cm、 130kgのWTBタンゲレ・ナイヤラボロです」
SO(スタンドオフ)クエイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ)
「(自分のケガは)チームのすごいサポート、バックアップ体制で、ワラビーズからのサポートも受けていて順調です。調子がいいので、リハビリも順調ですし、理想を言えば(来年)3月くらいには戻れるかなと思っていますし、早く1部で戦いたい。1つでも多く勝ちたい。念願のディビジョン1に上がったので、下には落ちたくない。頑張ります」
いよいよリーグワン開幕の12月17日(土)まで3週間を切った。来年5月に笑うのはどのチームになるのか。今季が待ちきれない!
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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