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ラグビー コラム 2022年11月28日

【ハイライト動画あり】流経大、法大の気迫に苦しむも、 後半にスイッチ切り替え2位で大学選手権へ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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11月27日、江戸川区陸上競技場では、優勝に望みをつなぐ流経大と、大学選手権出場がかなわず、この試合がシーズン最後の戦いとなる法大が対戦した。第1試合では東洋大立正大を破り3位以内が確定。大学選手権初出場を決めていた。流経大は法大との試合前、勝ち点計算上は、1位、2位、3位いずれの可能性もあった。5点をとって同時に試合をしている東海大がボーナス点無しで敗れた場合は、勝ち点26で並び、リーグ内の勝敗数で勝る流経大の優勝。勝ち点4の場合は、東海大の結果に関係なく、2位。ボーナス点を取れずに敗れたときは3位となる。

だが、そんな勝ち点計算など忘れるほど、法大の気迫はすさまじかった。このチームでのラストゲームに全身全霊をかけて戦ったのだ。午後2時、流経大のキックオフで試合は始まった。開始1分、流経大は法大のラインアウトが乱れたボールを確保し、1年生NO8ティシレリ・ロケティが2人、3人とタックルを弾き飛ばしでトライをあげる。WTB堀井雄登(4年)のゴールも決まって、7-0とリード。対する法大は、1年生CTB田中大誠、FB石岡玲英(3年)がPGを決めて、7-6と迫る。

前半19分、今度は流経大が法大ボールのラインアウトをLO神田康生(3年)がスチールし、このボールを素早く展開。法大のディフェンスラインが思い切って前に出てきたところで、CTB土居大吾キャプテン(4年)がディフェンス背後にキック。このボールをつなぎ、FB中村楓馬(2年)が快足を飛ばしてトライをあげる。スコアは、14-6。しかし、法大も負けてはいない。流経大陣22mライン付近のマイボールラインアウトでいったんはボールを奪われたが、転々とするボールにPR河村龍成(4年)がプレッシャーをかけ、集団でボールを乗り越えると、HO井口龍太郎(4年)がボールを拾ってトライ。14-13と差を詰めた。

続く28分にはPKからの速攻で石岡が右コーナーにトライ。40分には、LO竹部力(3年)が相手ボールを奪って自陣から攻撃し、石岡が左タッチライン際を快走し。いったんWTB南部翔大(4年)につないだボールをサポートして再びパスを受けトライをあげる。これでスコアは、14-25。法大の勢いが流経大を上回った前半だった。

ラグビー 関東大学リーグ戦2022

【ハイライト】流通経済大学 vs. 法政大学

ハーフタイム。流経大は気持ちを切り替える。「走りきろう」。土居キャプテンによれば、後半は選手たちから何度もそんな声が聞こえたという。チームとして掲げる「ダイナミックラグビー」をやりきるのだ。そんな思いが流れを変えた。後半12分、ラインアウトのモールから攻め、LOアピサロメ・ボギドラウ(4年)がタックルを受けながらも右コーナーにボールを押さえる。堀井が難しいゴールをきめて、21-25。しかし、攻撃の起点になるラインアウトが安定しない。15分には、法政にラインアウトのボールを奪われ、NO8高城喜一に約40mを走りきられる。スコアは、21-32。その後も流経大は攻め込みながら、ラインアウトが確保できずに苦しんだ。

しかし、32分、法大のキックを受けてのカウンターアタックから、土居キャプテンがトライし、28-32。続く、35分、お互いにボールが手につかず、ボールが行ったり来たりしたあと、堀井がタックラーを次々にかわして50m以上を独走する逆転のトライ。ゴールも決めて、35-32とした。流経大はその後も疲れの見える法大のディフェンスを揺さぶり、試合終了間際、交代出場のHO小西清太郎(4年)がダメ押しのトライをあげた。プレーヤーオブザマッチは、トライ後のゴールをすべて決め、自らも逆転トライをあげるなど勝利に貢献した堀井雄登が選ばれた。「嬉しいです。難しい角度のゴールは、『この角度、余裕だな』と言い聞かせて蹴りました」。

流経大の内山達二監督は「法大の思いを感じた試合でした。それを上回る準備ができなかったことに尽きますが、今季はあまりメンバー交代をしてこなかったなかで、今日は全員でつかんだ勝利です」と話した。土居キャプテンは大学選手権を見据えた。「前半は法政の勢いに飲み込まれました。選手権でこんな試合をしていては、飲み込まれたまま終わってしまいます。最初から自分たちのプレーを見せたいです」。

この結果、関東大学リーグ戦1部は、1位東海大、2位流経大、3位東洋大が全国大学選手権に出場することが確定した。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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