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東海大の現在の勝ち点は26で、同21の2位流通経済大との差は「5」。東海大はこの最終戦で敗れたとしても、7点差以内なら優勝という優位な状況だ(流通経済大がボーナスポイント付きの勝利を挙げ、東海大が勝ち点なしで敗れた場合、勝ち点26で並び、全試合の勝利数で上回る流通経済大が優勝)。もっとも理想は勝って5連覇を決めることであり、いい形でリーグ戦を締めくくりたいという気持ちが強いはず。この先に控える大学選手権へ勢いをつけるためにも、強い意気込みで臨んでくるだろう。
一方日本大の現時点の勝ち点は15で、大学選手権への出場権が与えられる上位3校入りへ、かすかではあるが可能性を残している。ただし他会場の結果に左右される部分が大きく、こちらもまずは目の前のゲームに勝利することに集中しているはずだ。シーズンの前半戦で痛恨の惜敗を喫し、ここまで本来の力を発揮できない戦いが続いただけに、こちらもこのリーグ最終戦にかける思いは強いだろう。
ちなみに昨シーズンの対戦は19-19で引き分けており、最終的にはともに6勝1分けの勝ち点32で並んだ末に、全試合の得失点差で上回った東海大が優勝を手にしている。東海大にすれば今回こそきっちり勝って決着をつけたい思いがあるだろうし、日本大としても勝ち切れなかった昨季の悔しさをここで晴らしたいところだろう。お互いの意地がぶつかる激戦になることが予想される。
それぞれのここまでの戦いぶりをチェックすると、東海大は不戦勝となった大東文化大戦を除く5試合の平均得点が53.6で、平均失点は19.2。全試合でボーナスポイントを獲得している上に70得点以上の試合も2つあり、高いトライ奪取力を誇示している。対する日本大は6試合平均で得点29.6、失点は27.2。昨季に比べると失点が多く(昨季は7試合で平均16.2失点)、不安定な防御が苦しい戦いの要因となっている印象だ。リーグ随一の攻撃力を誇る東海大を相手に、日本大がどこまでディフェンスで踏みとどまれるかが、この試合のひとつの見どころといえるだろう。
また東海大は11月13日に予定されていた大東文化大戦が相手の出場辞退により中止となったため、今回は10月30日の第5節関東学院大戦以来、約1か月ぶりの公式戦。それだけに試合の入りの局面は、いつも以上に意識して臨んでくるだろう。プレッシャーがかかる序盤戦でどちらが主導権を握るかという点も、大きなポイントになりそうだ。
発表されたスターティングラインアップを見ていくと、東海大のFWは第1列が井上優士、石橋慎悟の両PRにHO下江康輔という不動の3人で、LO陣は5戦連続で椎名耀二とワイサケ・ララトゥブアのコンビ。バックローは薄田周希、レキマ・ナサミラの両FLとNO8井島彰英という並びになった。
伊藤峻祐主将(東海大学)
BKではSH清水麻貴、SO武藤ゆらぎのHB団と伊藤峻祐主将、近藤翔耶のCTBペアが6試合連続の先発。WTBは左に照屋林治郎、右が今季初出場の中川湧眞で、FBは谷口宜顕が務める。
これに対し日本大のフロントローはPR金樹一、HO林琉輝、PR岩上龍の3人。両LOは太田寿一郎とイオセファツ・モレコが3試合連続でペアを組む。第3列は原田竜弥が2試合ぶりに6番に復帰し、7番にキャプテンの平坂桃一、NO8は佐川奨茉という布陣だ。
HBは前節に続きSH齋藤史哉とSO中司大也が務める。本来10番の饒平名悠斗は12番にシフトし、広瀬龍二とCTBコンビを形成。バックスリーには水間夢翔、ナサニエル・トゥポウのWTBにFB普久原琉という決定力ある3人が入った。
普久原琉(日本大学)
マッチアップで注目したいのは、東海大・谷口宜顕と日本大・普久原琉の両15番。ともに多彩な能力を有するアタックのキーマンで、陣地を進めるキッキングゲームでも重要な役割を担う存在だ。ボールタッチが多く状況を変える力のある選手だけに、それぞれ厳しいマークを受けるだろう。そのプレッシャーの中で、流れを引き寄せるパフォーマンスを見せてくれることを期待したい。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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