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ラグビー コラム 2022年11月21日

100周年の「早慶戦」!4勝1敗同士の早稲田大×慶應義塾大が激突!関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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第1回は100年前、大正11年(1922年)に行われた。

日本ラグビーの風物詩、100周年を迎えた早慶戦が今年も行われる。

試合日は伝統的に11月23日。早稲田大学マネージャーだった中村元一が中央気象台(気象庁)で一番雨の少ない日を調べた上で固定された。

最多16回の優勝を誇る早稲田大学と、日本ラグビーのルーツ校である慶應義塾大学

重厚な歴史を紡いできた「赤黒」(早大)と「黒黄」(慶大)は、関東大学対抗戦Aで共に4勝1敗。勝点でも19で並んでいる。

そんな両雄が東京・秩父宮ラグビー場で、今年も11月23日(水・祝)に激突する。

敗戦からの立て直しをはかる状況も似ている。

11月6日(日)の埼玉・熊谷で、慶大は昨季準優勝の明治大学に3-54、早大は昨季王者の帝京大に17-49。それぞれチームの今季最多失点で初黒星を喫した。

それぞれ大学選手権出場は決めてはいる。ただ、ここで連敗を喫すると対抗戦4位が現実味を帯び、4位となれば選手権準々決勝で関西王者(京産大or天理大)と敵地・大阪で激突する山に入る。今後に影響を及ぼす、負けられぬ一戦だ。

早慶戦の通算対戦成績は早大の71勝7分20敗。

振り返ると、慶大は2010年度に10-8で勝利している。当時の慶大にはCTB/FB竹本竜太郎主将を筆頭にLO村田毅(花園L)、NO8小澤直輝(東京SG)らがおり、相手の早大はNO8有田隆平主将、SO山中亮平(共に神戸S)らがいた。

近年は歓喜から遠ざかっているが、今季はコロナ禍後初めて春季大会を経験し、秋の対抗戦では3連敗中の筑波大学に16-12で競り勝った。

筑波大に勝利した指揮官の栗原徹監督は「このチームに筑波大学さんに勝った経験がある選手はいませんでした。しっかり準備してチャレンジする、ということを全員で一生懸命やってきてくれた結果」と喜びを表現していた。

ただ、5季振りの開幕4連勝だっただけに、明大戦の大敗から早期に立ち直りたいところだ。早慶戦の勝利は得がたい自信をチームに与えるに違いない。

慶應義塾大学スターティングメンバー

慶大はその明大戦から先発15人中3人変更している。

3人全員が神奈川・桐蔭学園出身で、フランカーにタックルマンの樋口豪(3年)が戻り、センターに中村大地(4年)、高校日本代表候補のルーキーWTB今野椋平がリザーブから上がってきた。

フォワードは8人中6人の4年生が牽引する。ジャッカルも得意なFL今野勇久主将、突進力あるNO8高(中が目)武俊輔、193cmのLOアイザイア・マプスア。

そしてフロントファイブ(FW前5人)では、PR松岡勇樹、PR鈴木悠太、LO栗田大次郎という慶應義塾高卒の最上級生3人が、学生最後の早慶戦に臨む。

ハーフ団はスピードのあるSH小城大和(2年)と、スキルに欠点の見当たらないSO中楠一期(4年)のコンビ。

バックスはさらにWTB佐々木隼(4年)、CTB永山淳(3年)、そしてFB山田響(3年)と世代を代表する才能が並ぶ。またリザーブでは迫力満点の8番、福澤慎太郎が9月の立教大戦以来のメンバー入りを果たし、出場に備える。

早稲田大学スターティングメンバー

一方の早大は、帝京大戦での敗戦から立ち直り、永遠のライバルである明大との“国立決戦”(12月4日/対抗戦最終戦)へ向けて経験、自信を上積みしたいところだろう。

帝京大戦では後半30分以降に3トライを奪われたが、随所に献身的なディフェンスも見せた。その帝京大戦から、先発は3人変更となっている。

ルーキーのFL栗田文介がリザーブから先発を飾り、前回は今季初先発だった小西泰聖(4年)がリザーブとなり、足技でのトライアシストもあったSH宮尾昌典(2年)が先発復帰。3人目はセンターで起用されてきた好キャリアーのWTB松下怜央(4年)だ。

徹底強化しているスクラムは、不動のフロントロー(PR井元正大、HO佐藤健次、PR亀山昇太郎)が最前列で引っ張る。前回のフランカーから村田陣悟(3年)は経験豊富な8番に入り、ナンバーエイトだった相良昌彦主将は7番になった。

司令塔は前戦に続いて、東海大大阪仰星出身のルーキー野中健吾が務め、CTB吉村紘(4年)は12番でプレーメイクする。エリア獲りで存在感を放つFB小泉怜史(4年)のキック精度は要注目だ。

両軍はバックスに大学屈指のスピードランナーが揃っており、展開時の勝負は見どころ。好キッカーもおりエリア合戦の行方も注目したい。早大は帝京大にプレッシャーを受けたスクラムで、もう一度プライドを示したい。

1年前の11月23日では、早大に軍配が上がった。ただ慶大は前半の30点ビハインド(5-35)から猛追し、結果的に7点差(33-40)まで追い上げてみせた。

伝統の一戦はしばしば予想外の展開が巻き起こる。100周年の早慶戦でも、見えざる伝統の力は立ち現れるか。水曜日の祝日は、秩父宮のピッチから目が離せない。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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