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ラグビーコラム 2022年11月20日

【ハイライト動画あり】同志社大学、近畿大学に完封負けで大学選手権出場が遠のく4敗目。ラグビー関西大学リーグ

近大のディフェンスに無得点に終わる

11月20日、たけびしスタジアム京都でラグビー関西大学リーグ第6節が行われた。近畿大学と対戦した同志社大学は0-34で完封負け。終始主導権を握ることができず、攻守で後手に回る展開となった。

前日に大学選手権出場を争う関西学院大学と立命館大学が敗れ、勝てば暫定3位に浮上する一戦。再び自力での選手権出場が復活し、絶対に負けられない戦いとなった。対するのは昨年2位の近大。相手にとっても選手権出場に向け、落とすことができない大一番。第2試合に京都産業大学と天理大学の首位攻防戦が行われることもあり、独特の緊張感が漂う中、試合は始まった。

序盤は互いに攻めきれず、膠着状態が続いた。6分、ラインアウトからの攻撃でゲインするも、相手のジャッカルで反則を犯してしまう。一方の同志社も、自陣深くでPR（プロップ）山本敦輝（社3）がボールに絡み窮地を救った。一進一退の攻防が続く中、迎えた前半14分。自陣10m付近のスクラムから、フェーズを重ねられ近大に先制トライを許した（0-5)。

反撃したい同志社は、敵陣10m付近のスクラムでプレッシャーをかけ、ペナルティを誘発。しかし、直後のラインアウトからの攻撃で落球し好機を逃す。「我慢の勝負のところで、近大さんの方が早くリアクションできていた」（宮本啓希監督）。15人が連動しながら動き続ける攻撃を継続できず、得点につながらなかった。

突破を試みるルーキー大島

27分にはSO（スタンドオフ）大島泰真（スポ1）が相手ディフェンスのギャップを突き、ビックゲイン。一気に敵陣５m付近まで前進した。たが、相手の素早いジャッカルに対応できず反則を取られてしまう。「2人目の寄り、レースの部分で負けてしまい、そこでジャッカルに入られてしまう場面が多かった」（FL／フランカー小島雅登・社4）。エリアを返され、チャンスをものにすることはできなかった。

ボールをキャリーする小島

するとその直後、キックをファンブルしたボールを近大に拾われ、そのままインゴールまで運ばれてしまう（0-12）。39分にも、自陣での反則からPG（ペナルティゴール）を決められ、点差を広げられた（0-15）。「だんだん自分たちの流れを失っていった」（宮本監督）。前節、京産大相手に見せた展開ラグビーは鳴りを潜め、無得点のままハーフタイムを迎えた。

ラグビー関西大学リーグ2022

【ハイライト】同志社大学 vs. 近畿大学

後半は、前半で苦戦を強いられたブレークダウンを修正し、徐々に攻撃の時間を増やす。しかし、出足の速いディフェンスの圧力を受け、敵陣深くに侵入することができない。なんとしても後半最初の得点を取りたい同志社は、7分にAリーグデビュー戦となるNO8（ナンバーエイト）半谷絃（政策３）とルーキーHO（フッカー）長島幸汰（スポ1）を投入。「点差が開いていたので、インパクトプレーヤーとして起用した」（宮本監督）。交替で流れを変えるべく、総力を挙げて近大に立ち向かった。

しかし、両チームともハンドリングエラーと反則が目立ち、スコアボードは動かない。緊迫した状況の中、後半最初に得点したのも近大だった。24分、スクラムから徐々にゲインラインを切られると、相手WTB（ウィング）植田和磨に、この日3本目となるトライを決められた(0-20）。

27分にも、交替選手が入り不安定だったスクラムから、BK（バックス）陣がラインのギャップを抜かれ、トライを許す（0-27）。「1対1のところをずっとやってきたが、飛び込んでしまう場面が多かった」（宮本監督）。1つのタックルミスが致命傷となり、ディフェンスラインに綻びが見え始めた。

「リズムが作れなかった」と市川

「同志社が手詰まりになって、アタックのリズム作れずに、80分間やってしまった」（CTB／センター市川亮太・法3）。33分にもダメ押しのトライを許し、0-34で今季初の完封負け。SO大島のラインブレークを中心に何度かゴールラインに迫ったが、最後まで近大の堅守を破ることはできなかった。

試合後、宮本監督は「ブレイクダウンのところだったり、ディフェンスのコネクションのところだったり、ラインブレイクしたときの反応だったり、そういったところで集中力がなかった」と課題を指摘。80分間1秒も集中力を切らなさいという思いを、今試合のテーマである「4800秒」に込めたが、精彩を欠く結果となった。

ベンチから仲間を見守る梁本主将

次戦は2位につける天理大学との最終節。結果次第では大学選手権出場の可能性も、入れ替え戦出場の可能性もある。「今日できなかった反省点を天理戦で出して、勝ちに行きたい」（FL／フランカー梁本旺義主将・社4）。ジャージを貰えない仲間のために。スタンドに駆けつける紺グレファンのために。1年間積み上げてきた動き続けるラグビーを体現し、伝統校としての矜持を見せつけろ。