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前節は同志社大学と対戦。ここまで全勝の京産大優位の試合になるかと予想されたが、同志社大のスピードプレーや自分たちのミスで攻撃の波に乗れない。後半には一時24-26で逆転されるも、最後までひたむきに戦い抜き、31-26で勝利した。
試合開始直後、SO(スタンドオフ)西仲隼(法4=近大附属)が相手のディフェンスを躱しながら約70m走り切り、トライ。毎試合、自身のベストプレーを見せる西仲はリーグ内最多得点を誇り、チームの核となっている。このトライを皮切りに、さらに得点を重ねたいところだったが、相手も譲らず得点が動かない時間が続いた。
21分、敵陣でのラインアウトモール。LO(ロック)ラアサエリ・ラウシ(現4=日本航空石川)がゴールライン目前までボールを運び、最後は共同主将のFL(フランカー)福西隼杜(済4=報徳学園)がインゴールへ。ともに主将として支え合ってきた家村健太(法4=流経大柏)が欠場の中、気迫のトライだった。
39分、スコアは19-7。敵陣でのラインアウト、投げたボールがジャンパーの上を通り過ぎる。そのこぼれたボールを、公式戦初出場のCTB(センター)藤本凌聖(法2=朝明)が受け取りゴールまで運んだ。公式戦初トライを決めた藤本の周りには、多くのメンバーが集まり、その活躍を共に喜んだ。
後半から徐々に京産大のプレーにミスが増え始める。これまでずっと課題にしてきたラインアウトがやはり安定せず、チャンスを作れない。今日のラインアウトの精度を見て、「スキルの部分とグランドスピードにもっと磨きをかけて『相手に追いつかれないラインアウト』をもっと意識してやっていきたい」と福西共同主将。天理戦の勝利のカギを握るのは、ラインアウトを始めとするセットプレーの精度だと言えるだろう。
ノーサイドの後、喜びの雄叫びをあげるタモエフォラウ
後半開始から、相手に3連続でトライを決められ、24-26で逆転を許す。窮地に立たされた京産大はさらに一段階ギアを上げた。後半34分、ここでも敵陣でのラインアウトモール、しっかりミスせず丁寧にボールを運ぶ。ゴールラインまであと約25mという所だったが、FW(フォワード)を中心に全力で押し進めた。最後には、途中出場のNO8(ナンバーエイト)ヴェア・タモエフォラウ(現3=札幌山の手)がディフェンスの隙をつき逆転のトライ。伝統の一戦、会場の熱気は最高潮に達した。
その後、しっかり守り切りノーサイド。両校のプライドをかけたこの試合は、京産大の勝利で幕を閉じた。試合後、福西共同主将が「競った試合で勝てたことはチームにとっても大きい。この経験を糧にして、天理戦に臨みたい」と語ったように、関西リーグの大一番とも言える天理大戦を前にして、厳しい試合を経験できたことは何よりの収穫である。
「勝ちきりたかった」。春季トーナメントが終わった後、選手の口から何度もこぼれた言葉だ。あと一歩で勝てた、そんな経験が彼らをさらに強くした。ついに決着をつける時が来た。泥臭く、ひたむきな京産大らしいプレーで、リーグ優勝に王手をかけたい。
文/写真:藤田芽生(京産大アスレチック)
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