最後の選手権出場枠獲得へ、生き残りをかけた決戦。関西大学ラグビーAリーグ、同志社大×近畿大プレビュー

　

最後の一枚となった大学選手権行きのチケットをつかみ取るのは、果たしてどのチームか。関西大学ラグビーAリーグはいよいよ残り2節の終盤戦に入り、順位争いが佳境を迎えた。

現時点の星取表をチェックすると、京都産業大と天理大の2校が5戦全勝で勝点を24まで伸ばし、トップ2が確定。一方3位以下は、3勝2敗で勝点13の関西学院大から同志社大（2勝3敗、勝点11）、近畿大（2勝3敗、勝点10）、立命館大（2勝3敗、勝点8）まで、勝点6の間に4校がひしめく大混戦となっている。今季の関西大学リーグの大学選手権出場枠は『3』。まだ多くのチームに可能性が残されており、ここからの2節は今まで以上に激しい戦いが繰り広げられるだろう。

そうした中、11月20日のたけびしスタジアム京都では、4位同志社大と5位近畿大が激突する（11時45分キックオフ）。両校にとって大学選手権出場に望みをつなぐ上で絶対に落とせない一戦であり、いわば生き残りをかけた決戦だ。ボーナスポイントを獲得できるかという点も大事な要素となるだけに、最後まで目を離せない戦いになることが予想される。

ここまでの戦いを振り返ると、ともに関西学院大、立命館大との接戦に競り負け、シーズン序盤に勝点を積み上げられなかったことが痛かった。もっとも、ここにきてチーム状態は確実に上がってきており、前節は近畿大が天理大に0-10、同志社大は京都産業大に26-31と奮闘している。内容的にもプレー、メンタル両面の充実が伝わるゲームで、今週はさらに気持ちの乗った状態で臨んでくるだろう。

過去5試合のそれぞれの得失点を分析すれば、1試合平均で24得点、20失点という近畿大に対し、同志社大は得点が25.2で失点は25。得失点差では近畿大（20）が同志社大（1）を上回っているものの、その差はわずかで、アタック、ディフェンスとも力は拮抗していることがうかがえる。攻め込んだところできっちりチャンスを仕留め切れるか、そして勝負どころのラスト20分をいかに戦い抜くかということが、勝敗を分ける重要な鍵になりそうだ。

さまざまな面でプレッシャーのかかる試合だけに、どちらがより長く敵陣でゲームを進められるかという点も大事な要素となる。お互いにどのエリアからでも果敢にボールを動かして仕掛けるアタックが持ち味だが、今回はそれぞれ入念に相手を研究して緻密な対策を練ってくるはず。キックで着実にテリトリーを取り、精神的に優位な状況で準備してきたプレーを仕掛けることが、主導権を握る上でのポイントになるだろう。

同志社大学

発表された登録メンバーを見ていくと、同志社大は2週前の京都産業大戦のスターティングラインアップからHO大山卓真、LO寺北亘佑、CTB市川亮太の3人を入れ替えた。両PRは左に山本敦輝、右が李優河が入り、LO鈴木康生が4番から5番へシフト。キャプテンの梁本旺義がFLに下がり、FL小島雅登、NO8林慶音と第3列を組む。

HBはSH新和田錬とSO大島泰真の4回生－1回生ペア。西村海音が市川とCTB陣を形成し、バックスリーは左WTBに山本希、右WTBに渡邊辰之介、FBが大森広太郎という並びとなった。

近畿大学

対する近畿大の前節天理大戦からの先発変更は、13番の藤岡竜也と15番阿曽有馬の2人。FWは同じ8人で、PR池田真人、HO平沼泰成、PR稲場巧のフロントローに駒井凌太と甲斐登生のLO陣。バックローはキャプテンのFL中村健志、右FLに岩本圭伸で、NO8は古寺直希が務める。

HB団はSH田原慶人とSO半田裕己の不動の2人。森元翔紀がインサイドCTBとして藤岡とコンビを組み、三島琳久、植田和磨という決定力ある両WTBが、前節に続いてスターターでの出場となった。

ちなみに昨季の両校の対戦は序盤の第2節で、前半7-10から後半に逆転した近畿大が24-10で勝利。勢いに乗った近畿大がその後2位に躍進する一方、同志社大は波に乗り切れないまま4位でリーグ戦を終えるという対照的なシーズンとなった。そうした流れからも、双方が強い意気込みでこの試合に挑んでくるのは必至だ。激闘の条件はそろっている。