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東京都の2代表が決定する
102回目を迎える「花園」こと、全国高校ラグビーの東京都予選決勝の2試合が、11月13日(日)に東京・秩父宮ラグビー場で行われる。第1地区決勝は昨季の花園出場校の國學院久我山高校が成城学園高校と対戦。第2地区決勝は昨季の花園に出場した目黒学院高校が東京高校と対戦する。
東京都は2月の新人大会、5月の春季大会ともに國學院久我山が優勝し、両大会とも2位~4位が東京、目黒学院、成城だったことを考えると順当な組み合わせとなった。
◆第1地区決勝:國學院久我山vs.成城学園
第1地区の準決勝、國學院久我山が早稲田実業を20-10で、成城学園が本郷を27-14とそれぞれ難敵を下して決勝に進出を果たしたが、やはり花園優勝5回を誇る、新人戦と春の王者である國學院久我山の総合力が高い。
HO(フッカー)清水健伸、LO(ロック)磯部俊太朗(ともに3年)の高校日本代表候補2人がいる強力なFW(フォワード)陣が軸となる。BK(バックス)はSH(スクラムハーフ)酒井明人、FL(フランカー)からコンバートしたCTB(センター)下坂陸、WTB(ウィング)阿部太一ら、昨季の花園を経験している3年生がリードする。昨季から先発している絶対的司令塔SO(スタンドオフ)袖山遼平(3年)はメンバー入りしなかったが、1年生のSO齋藤航が10番を背負う。
対する成城学園は2014年以来の決勝進出となった。準決勝は12-12で迎えた後半残り10分から、2トライを挙げる展開ラグビーを見せた。初等学校(小学校)、中学校時代から一緒にプレーしている選手が多く、連携には長けている。
アタックに冴を見せるSO吉田有佑(3年)を中心に仕掛け続けて、準決勝でもトライを奪ったWTB清水大世(2年)、仲西祐太(1年)らの両翼でトライを取り切りたい。エリア、ポゼッションを優位に試合を進めたいところだが、勝利するにはゲームキャプテンNO8(ナンバーエイト)舩越乙夢(3年)を中心としたFWの奮闘も欠かせない。
2014年の決勝では國學院久我山が10-7で勝利している。國學院久我山がスクラム、ラインアウトからのモールでしっかりプレッシャーをかけ、試合を優勢に進めて2大会連続43回目の花園出場なるか。成城学園はディフェンスで粘りを見せて展開ラグビーで勝機を見いだし、3度目の出場を目指す。
◆第2地区決勝:東京高校vs.目黒学院高校
第2地区準決勝では東京が明大中野を39-0と零封。目黒学院は東京朝高に49-3と大勝して、それぞれ決勝に駒を進めた。なお、両者は昨季も決勝で対戦し、目黒学院が38-0で勝利している。両校はともに多摩川河川敷で練習しており、普段から交流、練習してきている仲だ。ただ、今季は新人大会、春季大会でともに東京が目黒学院に勝利している(36-10、0-0の抽選勝ち)。
3大会ぶり14回目の花園出場を目指す、伝統的にシャローディフェンスを強みとしている東京。やはりフィジカルチームである目黒学院を前に出て止めて、ターンオーバーからチャンスを掴みたい。昨季の決勝を経験している水野拓(3年)、鈴木浩介(2年)のCTB陣のディフェンスに期待がかかる。また、東京は伝統的に土手で鍛えたモールも武器としており、キャプテンNO8苅和野俊(3年)を中心にFWからも得点能力が高い。
昨季の決勝で勝っているとは言え、目黒学院は今季連敗中の相手にチャレンジャーとして臨む。まず、トンガ人留学生のLOシオネ・テネフフ(2年)、NO8イライシア・サーフ(3年)を中心としたフィジカルでプレッシャーをかけてFW戦を優位に持ち込みたい。また、キャプテンCTB菅瑞揮、FB(フルバック)鳥居壮基、FL平坂亮輔(いずれも3年)といった昨季からの中軸が安定感あるプレーを見せて、相手のアタックを止めたいところ。
ともにディフェンス力が高く、相手を知り尽くしているだけにがっぷり四つの展開が予想されている。しっかりチャンスで取り切ったチームが勝利に近づくはずだ。今季好調の東京が前に出るディフェンスを武器に3年ぶり14回目の花園出場をつかむか。それとも昨季、花園に出場した目黒学院が新人大会、春のリベンジを果たし3大会連続21回目の出場なるか。
花園の東京都代表2校はいずれになるのか。第1地区決勝の國學院久我山vs.成城学園は午前11:30、第2地区決勝の東京vs.目黒学院は午後1:20にキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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