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早大初トライを挙げたWTB槇
やはり王者の壁は高かったーー。雲一つない青空の下、早稲田大学は関東大学対抗戦第5節、帝京大学戦を迎えた。埼玉・熊谷ラグビー場には多くのファンが集い、両校の校歌斉唱から緊張感のある雰囲気が流れる。
前半は開始早々にトライを献上するものの、自陣深くに攻め入る帝京大を次々と押さえつける早大。WTB(ウィング)槇瑛人(スポ4=東京・国学院久我山)のキックチャージから生んだトライで得点を挙げるが、前半を7-21で試合を折り返す。後半は攻め込む帝京大に主導権を握られ、4トライを献上。終盤の反撃も及ばず、17-49で帝京大に敗れた。
試合開始直後、勢いよく早大陣営に攻め込んだ帝京大に先制トライを献上。攻めては自陣に引き戻されることを繰り返し、しばらくは守勢が続いた。そんな中、相手キックをCTB(センター)吉村紘(スポ4=東福岡)がチャージする場面や、HO(フッカー)佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が次々と相手を振り切り突破を図る。しかし、帝京大の前に出るディフェンスにより、得点機を生み出すことができない。
前半25分には、素早い展開から帝京大HO江良颯の猛進を止めきれず、被トライ。だが35分、相手パスの乱れに反応したFB(フルバック)小泉怜史(文構4=東京・早実)が敵陣内にキックを放つ。
そこから相手のキックをチャージした槇が、持ち前の俊足を生かした好走を見せ、インゴールでボールを押さえ、早大に待望のトライが生まれる。緊張が高まる会場で、吉村がキックを成功させた。それでも終了間際には連続攻撃の末にインゴールを明け渡し、7-21と大きくリードを許して前半を折り返した。
後半も開始早々にモールからトライを許し、相手優勢の試合運びとなる。その後は互いに競り合う展開が繰り広げられ、迎えた後半21分、HO佐藤のタックルで相手のペナルティを誘い、敵陣左5m付近で早大ボールスクラムを獲得。スクラム戦からNO8(ナンバーエイト)相良昌彦主将(社4=東京・早実)がボールを持ち出し、ラックからこぼれたボールを拾った吉村がスペースに切り込んでトライを挙げる。
ラグビー 関東大学対抗戦2022
【ハイライト】帝京大学 vs. 早稲田大学
攻守共に奮闘したCTB岡崎
42分には、SH(スクラムハーフ)宮尾昌典(スポ2=京都成章)のグラバーキックをものにしたCTB岡崎颯馬(スポ3=長崎北陽台)がインゴールに飛び込んだ。追加点を得た早大だったが、ロスタイムには帝京大に本7つ目のトライを許すと、勝利の望みを断ち切るノーサイドの笛が鳴り響いた。
「自分たちの力が足りなかった」(相良主将)。特に際立ったのは、ラインアウトの精度だろう。FL(フランカー)村田陣悟(スポ3=京都成章)や、相良主将のジャッカルでカバーできた部分があったものの、細部の修正が不可欠だ。しかし、自陣深くでの13フェーズに及んだ帝京大の猛攻を食い止めるなど、今試合を通して選手1人1人が相手に立ち向かう集中力を切らすことはなかった。
「気持ちを切り替えて上を目指していきたい」(佐藤)。無念の敗北となった今回の悔しさを、次節の早慶戦でいかに生かせるか。王座奪還に向かう早大の挑戦はまだまだ終わらない。
文:谷口花/写真:山田彩愛(早稲田スポーツ新聞会)
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