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山村のトライを喜ぶSO(スタンドオフ)伊藤耕太郎(商3=國學院栃木)
前戦・青山学院大学戦では、相手の攻守ともにすぐれた戦術に前半苦しめられた明治大学。それでも、後半は昨年度より強化しているラスト20分のフィットネスで走り勝ち、最終スコア70-27で白星を挙げた。
前半6分、先制点は青学大。「相手に主導権を握らせないためにこっちから行こうと話をしていた」(左FL/フランカー森山雄太・政経3=東福岡)ものの、明大のノットリリースザボールでPG(ペナルティゴール)の機会を与え、得点を許す。
その後も青学大の盤石な守りに苦戦するも、12分にFB(フルバック)安田昂平(商2=御所実)が、22分にはHO(フッカー)松下潤一郎(法3=筑紫)がトライを決める。このまま明大が突き放すかと思われたが、キックオフのからのミスで相手がすぐに点を取り返す。
「自陣ゴール前で相手にスクラムを選択させてしまったことが、明大のプライドとしてよくない」(左LO/ロック山本嶺二郎・法3=京都成章)。34分には自陣ゴール前での相手ボールのスクラムでのペナルティからミスが続き、ペンルティトライと右LO武内慎(商4=石見智翠館)の一時退場につながってしまう。それでも、38分に1人少ないFW(フォワード)のラインアウトモールからトライが生まれる。相手に点差を詰められながらも、前半を28-20でなんとかしのぎ折り返した。
後半は、前半と打って変わり得点を伸ばす。「ボールキープをしてアタックし続けることができれば得点につながると分かっており、どうすれば継続できるか話し合った」(右CTB/センター齊藤誉哉・文4=桐生一)。
特に光ったのはラスト20分。昨年度よりこの『明治タイム』のフィットネスを強化している明大だが、18分から怒涛のトライラッシュが訪れる。右WTB(ウィング)秋濱悠太(商2=桐蔭学園)や山村和也(商1=報徳学園)のダメ押しのトライもあり、最終スコア70-27で見事4連勝を収めた。
プレッシャーのかかる試合でも、チームが冷静でいられたのはPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)にも選ばれた左CTB廣瀬雄也(商3=東福岡)の活躍も大きいだろう。10本中10本のコンバージョンゴールを決め、チームの得点を確実なものとした。「1本目がいい感じで蹴れていたので、その時点で今日は高確率でいけると思いました」(廣瀬)。後半、DG(ドロップゴール)を狙うシーンもあり、キックを使った幅広い戦術の選択肢を持っていることを伺わせる。
力強いスクラムに期待のFW陣
明日、明大と対戦する慶應義塾大学は相性の悪い相手。「一昨年も対抗戦は優勝しましたが、あのメンバーで慶大に負けています。対抗戦の慶大戦となると何が起こってもおかしくないので、しっかりと準備をしていきたい」(廣瀬)。廣瀬の幅広いプレーの選択肢は、明日の勝利への1つのカギとなるだろう。
また、慶大について「シンプルなオーソドックスなチームでFWが強く、キックでしっかりエリアをマネジメントしてきて、ディフェンスで身体を張る。これらを繰り返して、最後はゴール前まで入ってスコアしてくるといったイメージ」(武内)。
今年度の慶大は、5シーズンぶりの開幕4連勝を飾り、明大と早稲田大学と並び同率2位。かなり勢いのあるチームだ。「接点で引かない、コンタクトエリアで絶対に相手を前に出させないというのが一番大事になってくる」(武内)。激しいぶつかり合いが予想される。
「ディフェンスだったら自分たちがピンチのときに、ジャッカルやタックルでチャンスに変えれるようなシーンにしたいです」(右FL福田大晟・商2=中部大春日丘)と、下級生の意気込みも十分。対抗戦優勝、ひいては全国大学選手権優勝という悲願に向けても、明日は明大にとって重要な一戦になりそうだ。
文/写真:堀之内萌乃(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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