【ハイライト動画あり】ディフェンスを修正した京都産業大学、立命館大学に勝って開幕4連勝。ラグビー関西大学リーグ

先制トライのWTB高井良成

ラグビー関西大学リーグ第4節、京都産業大学と立命館大学の一戦が宝ヶ池球技場で行われた。ここまで3連勝の京産大、大量トライで関西王者の貫禄を見せつけている。

2連覇へ期待が高まる中、この試合も今年の特色であるFW（フォワード）からBK（バックス）の流れを中心に得点を重ね、白星をさらに積み上げた。前節からの2週間で力を入れたディフェンスが機能した一方で、セットプレーなど課題も残り流れを掴みきれない試合となった。

立命大のキックオフで始まった試合は6分、京産大に先制点が生まれた。敵陣でペナルティを得るとラインアウトモールからBKに展開、大外までボールを回し、WTB（ウィング）高井良成（営3＝関大北陽）がトライした。伝統のFWと絶好調のBK、両者の強みを魅せた今季の京産大らしいトライだった。

14分にもトライを奪い、14-0と勢いに乗ると思われたが、ミスが重なり思うように点数を伸ばせない。27分には立命大に押し込まれると、ここまで耐えていたディフェンスを突破され14-7と迫られる。

それでも35分にFB（フルバック）北山絢大（営4＝東海大仰星）のラインブレイクからSO（スタンドオフ）西仲隼（法4＝近大附属）のキックパスが、WTBシオネ・ポルテレ（現1＝目黒学院）に繋がりトライ。38分にも同じくシオネ・ポルテレがトライし、前半を28-7 で前半を折り返した。

ミスが重なりなかなか点差を離せなかった京産大、リードは保っているが前節に99得点を重ねた京産大としては少し物足りないものだったか。課題であったラインアウトなど修正の求められる前半だった。

MOM（マン・オブ・ザ・マッチ）に選ばれたLOフナキ・ソロモネ

後半キックオフ、開始早々にディフェンスで圧をかけターンオーバーすると、前節からスタメンに名を連ねるCTB（センター）小野麟兵（済2＝京都工学院）がトライ、幸先の良いスタートを切った。7分にはこの日、何度もボールキャリーで京産大を引っ張っていたLO（ロック）ソロモネ・フナキ（現２＝目黒学院）がトライ、42-7と立命大を引き離す。

その後は立命大に自陣深くまで侵入されるシーンもあったが、粘り強いディフェンスでトライを許さない。12分にはラインアウトモールから後半途中から投入のWTB西浩斗（済2=熊本西）が狭いサイドを突きトライ、49-7とリードを広げる。しかし、前半と同じくここから流れに乗ってという時間帯で得点を重ねられず、思うようにプレーできない時間帯が続いた。

17分に立命大にトライを奪われると、その後20分間スコアの動かない展開に。キックでの陣取り合戦で敵陣に侵入を試みるも、互いにミスがあり攻めきれない状態が続いた。試合が動いたのは試合終了間際の39分、またもラインアウトからだった。モールでゴールラインまで押し込むと最後はLO堤田京太郎（営4=大阪桐蔭）のトライ。54-14としここでノーサイド、無傷の4連勝を飾った。

試合後に廣瀬佳司監督は「特にディフェンスの部分を、この2週間で修正して臨みました。ゴールラインを背にした時のディフェンスが非常に良い形だったので良かったと思います。ただ、内側のセットプレーがうまくいかない時に、流れが相手に行ってしまった。次節にしっかり修正してやっていきたい」と語ったように、集中的に取り組んだディフェンスではゴールラインでの粘りも含め収穫があった。

一方で細かいミスやラインアウトなど課題が残り、2つの意味で収穫のあった試合となった。特にラインアウトはこの日もいくつかトライを奪っている京産大の鍵となるプレーだからこそ修正が急がれる。

開幕4連勝の京産大、同じく4勝の天理大学が並んで首位に立つ関西大学Aリーグ。3位以下は2勝2敗の4校が続く形になっている。このまま勝ち進むと天理大との第6節が優勝を決定付ける試合となりそうだ。

次週、第5節は関西で苦戦を強いられている同志社大学との試合が予定されている。天理大戦、そして2連覇へ勢いをつけるためにも課題を修正し、同志社大相手に京産大らしさを見せつけたい。

文：出口敬介／写真：藤田芽生（京産大アスレチック）