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ラグビー コラム 2022年10月31日

【ハイライト動画あり】京都産業大、立命館大に貫禄の完勝で4連勝。関西大学ラグビーAリーグ第4節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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シオネ・ポルテレ(京都産業大学)

目指すのはさらなる高み。だからこれで満足するわけにはいかない。選手たちのそんな声が聞こえてくるような完勝だった。

接点のバトルを圧倒し、思い通りのリズムで縦横にボールを動かして、さまざまなパターンでフィニッシュを重ねる。最終スコアは54-14。同志社大近畿大に競り勝つなどここまで好調の立命館大を寄せつけず、京都産業大があらためて今季の充実ぶりを誇示した。その上でなお成長の余地を感じさせるのだから、今後への期待はふくらむ。

赤紺ジャージーの15人は、キックオフ直後から全開だった。開始7分、敵陣22メートル線付近のラインアウトから左オープンを攻め、WTB高井良成がコーナーに飛び込んでこの日最初のトライをマークする。14分にはスクラムを起点にFWが近場を攻め、LOアサエリ・ラウシーが密集脇をねじ込んで14-0とリードを広げた。

その後しばらくは好機を作りながら足踏みするシーンが続き、28分に立命館大CTB宮嵜隼人にラインブレイクを許して7点を返される。しかし直後の自陣ゴール前のピンチをしのぎきってふたたび流れを引き寄せると、35分に自陣から一気に攻め上がり、最後はキックパスを受けたWTBシオネ・ポルテレがインゴールへ。さらに38分にも相手のパスをインターセプトしたポルテレが50m超を独走し、28-7としてハーフタイムを迎えた。

後半に入っても京都産業大は攻め抜く姿勢を崩さず、立ち上がりから厳しくプレッシャーをかけてたたみかける。まずは41分、キックチャージからの切り返しで抜け出したCTB小野麟兵が右中間にトライ。47分には看板のFWがパワープレーでジリジリと前進し、LOフナキ・ソロモネがポスト左に押さえる。その5分後には、後半から出場のWTB西浩斗がブラインドサイドを突破しグラウンディング。いずれもSO西仲隼がコンバージョンを決め、残り25分あまりで49-7までスコアを拡大した。

しかし不用意な反則から自陣レッドゾーンに攻め込まれ、56分に立命館大WTB安井拓馬にトライを奪われると、一方的だった流れが一変。以降はいい形を作るものの、起点のセットプレーや仕留めの場面でエラーが頻発し、攻めあぐねる状況が続く。

ラグビー 関西大学リーグ2022

【ハイライト動画】立命館大学 vs. 京都産業大学

ようやく追加点が刻まれたのは、ゲーム最終盤の79分。ラインアウトからFWの縦攻撃で前進を重ね、入替出場の堤田京太郎がゴールラインを越える。4試合連続となる50点オーバーを決めたところで、フルタイムを迎えた。

この勝利で京都産業大は開幕からの連勝を4に伸ばし、勝点を20として先週4戦目を終えている天理大に並んだ。もっとも得失点差は+218で、+125の天理大を大きく上回る。ゲーム内容を踏まえた現時点の印象でいえば、頭ひとつ抜けた状況といっていいだろう。

FW、BKが一体となった攻撃でたたみかける時の迫力と躍動感は、全国でも屈指だ。課題はこの日も見られたように、中だるみのような停滞する時間が生まれてしまうこと。80分を通して厳格なスタンダードを持続することが悲願の日本一獲得のためのテーマであり、11月20日のたけびしスタジアム京都での天理大戦(14時キックオフ)は、それを確かめる絶好の機会となる。

一方の立命館大は第4節を終えて2勝2敗、勝点8の6位で後半戦に臨むこととなったが、昨季の上位4チームとの対戦を終えての成績であることを考慮すれば、上々の結果といえるだろう。この先も簡単ではない戦いが続くが、大学選手権出場枠の3位以内に十分手が届く位置につけているのは事実だ。こちらも勝敗数で並んでいる関西学院大との直接対決(11月13日14時キックオフ@神戸ユニバ)は、互いにすべてをかけて挑む大一番となりそうだ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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