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ラグビー コラム 2022年10月24日

【ハイライト動画あり】ベスト8が出揃う。オーストラリアはウェールズとの接戦を制し決勝トーナメント進出。ラグビーワールドカップ(女子)

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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POMに輝いたオーストラリアNO8ハミルトン

10月8日にニュージーランドで開幕した女子15人制の世界一を決める「ラグビーワールドカップ2021」。3週目となる10月22日(土)23日(日)に各プール最終戦が行われた。22日(土)、ファンガレイのノースランドイベントセンターで3試合が行われ、決勝トーナメント進出を狙うプールAのオーストラリア(世界ランキング6位)とウェールズ(同9位)が激突した。

オーストラリアは初戦で、ホスト国で優勝候補の「ブラックファーンズ」こと、ニュージーランドと対戦。善戦したが17-41で敗れた。続く第2戦はスコットランドを14-12の接戦で退け、1勝1敗の勝ち点4で、2位で通過するには勝利が必要だった。一方のウェールズは初戦でスコットランドに18-15と競り勝ったが、ニュージーランドには12-56と大敗し、1勝1敗で同じく勝ち点4で並んでいた。

オーストラリアのジェイ・トレゴニングHC(ヘッドコーチ)は前節から3人の先発を変更。LO(ロック)アタシ・ラファイがケガのため、グレース・ケンプが5番に入り、ベンチにはカイトラン・ラーニーが今大会初のベンチ入りでワールドカップデビューをうかがった。また、この試合でオーストラリアは先住民にちなんだ「インディジニアス・ジャージー」を着用して試合に臨んだ。

スコットランドのイアン・カニンガムHCは、ニュージーランドの戦から4名の選手を変更。2試合の出場停止となったPR(プロップ)ドンナ・ローズに変わり、セリーズ・ヘイルが3番で先発。CTB(センター)ハンナ・ジョーンズがキャプテンと務め、FL(フランカー)シウォン・リリクラップがベンチに入り、出場すればテストマッチ50キャップを達成する記念すべき試合となった。

オーストラリアとウェールズはワールドカップで過去4度対戦しており、いずれもオーストラリアが勝利。これまでウェールズはPG(ペナルティゴール)で3得点を挙げたのみだった。ウェールズが勝てばワールドカップでオーストラリア戦初白星となり、また、1994年大会以来のワールドカップ予選プールで2勝を挙げることになる。

先制トライを挙げたオーストラリア代表SHバティバサガ

ともに自力でのベスト8をかけた決戦はファンガレイのノースランドイベントセンターで、現地時間午後2時15分にキックオフされた。先手を取ったのは格上のオーストラリアだった。前半5分、SO(スタンドオフ)アラベラ・マッケンジーからCTBシャーニ・ウィリアムズがオープンサイドにパスして前進する。さらにNO8(ナンバーエイト)グレイス・ハミルトンがピック&ゴーで敵陣5mまで近づきチャンスを作る。

ラックからSH(スクラムハーフ)イリセヴァ・バティバサガが、左と見せて右を攻め、さらにダミーを使ってラックサイドを突き、そのままゴール下へ飛び込んでトライ。FB(フルバック)ロリ・クレイマーのゴールも決まって、オーストラリアが7点を先制する。

モールからトライを挙げたウェールズ

だが、ウェールズも負けていない。23分、ラインアウトからモールで敵陣に入り、NO8シオニド・ハリーズが飛び出し、相手ゴール手前まで迫る。アドバンテージが出たウェールズは再びNO8ハリーズが右中間にねじ込んでトライ。SOエリナー・スノーシルのコンバージョンも決まり、7-7と同点に追いつく。ウェールズは前半終了間際にトライのチャンスを迎えたが相手のディフェンスの前に取り切ることができず、逆にオーストラリアがPGで3点を追加、10-7とリードして前半を折り返した。

後半に入ってもお互いに譲らないまま、10-7のまま膠着状態が続く。残り10分となってオーストラリアはLOラーニーがイエローカード(シンビン)となる。数的有利となったウェールズが攻めるも、オーストラリアのディフェンスにはばまれ得点を挙げることができない。逆に、終了間際の38分、オーストラリアがPGで3点を追加し、結局13-7でノーサイドを迎えた。

オーストラリアは勝ち点を8に伸ばし、地力でベスト8進出を決めた。ウェールズは敗れたが、7点差以内の敗戦でボーナスポイントを加えて勝ち点を5に伸ばし、翌日スコットランドがニュージーランドに敗れたため、プールAで3位となり全体の8位で決勝トーナメント進出を決めた。

女子ラグビーワールドカップ2021 ニュージーランド大会

【ハイライト】オーストラリア vs. ウェールズ

オーストラリアのトレゴニングHCは「選手たちの最後までやり抜く姿勢は素晴らしかった。ただ、取りきれなかった部分も多いので、決勝トーナメントに向けて修正したい」と気を引き締めた。キャプテンのFLシャノン・パリーも「80分出し切れたと思うが、規律の部分はより厳しくならないといけない」と勝利したものの反省点を口にした。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれたオーストラリアNO8ハミルトンは「今日の仕事はキャリーすることだったので(28キャリーできて)満足している」と胸を張った。

一方、敗れたウェールズのカニンガムHCは「とてもタフでタイトな試合だった。ディフェンスは良かったが、テリトリーも取れず、取ったとしてもすぐにボールを手放してしまった。決勝トーナメントに進出ではこの試合をしっかりレビューしないといけない」と振り返った。キャプテンのCTBジョーンズは「決勝トーナメントに進むために勝ちたかったし、自信もあった。しかし、チャンスをものにできなかった」と悔しさを露わにした。

いよいよ10月29日(土)30日(日)には準々決勝が行われる。プールAの2位&全体で6位となったオーストラリアは30日(日)の現地時間午後1時30分にオークランド・ワイタケレスタジアムで、プールC1位&全体3位のイングランドに挑む。

プールA3位、全体8位となったウェールズは、29日(土)現地時間午後7時30分、ファンガレイのノースランドイベントセンターで、プールAの1位で全体でも1位となった開催国ニュージーランドにチャレンジする。

【10月22日(土)23日(日)予選プールの結果】
※☆は決勝トーナメント進出 ( )は全体順位

【プールA】
○オーストラリア 13-7 ウェールズ●
○ニュージーランド 57-0 スコットランド●

◆順位
1位☆ニュージーランド 勝ち点15(1位)
2位☆オーストラリア 8(6位)
3位☆ウェールズ 5(8位)
4位 スコットランド 2

【プールB】
●日本 8-21 イタリア○
○カナダ 29-14 アメリカ●

◆順位
1位☆カナダ 勝ち点15(2位)
2位☆イタリア 9(5位)
3位☆アメリカ 5(7位)
4位 日本 0

【プールC】
○フランス 44-0 フィジー●
○イングランド 75-0 南アフリカ●

◆順位
1位☆イングランド 勝ち点14(3位)
2位☆フランス 11(4位)
3位 フィジー 4
4位 南アフリカ 1

【準々決勝組み合わせ】

◆10月29日(土)
フランス vs. イタリア、ニュージーランド vs. ウェールズ

◆10月30日(日)
イングランド vs. オーストラリア、カナダ vs. アメリカ

文:斉藤健仁/写真:WORLD RUGBY/Getty Images

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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