【ハイライト動画あり】早稲田大学、アタックの精度に苦しむも立教大学に勝利。ラグビー関東大学対抗戦

大外を走りインゴールへ向かうWTB槇

雨風が次第に強まる新潟市陸上競技場。早稲田大学はラグビー関東大学対抗戦の第4節の立教大学戦を迎えた。コンディションの悪い中、前半から果敢に攻撃し、９分、WTB（ウィング）磯崎錬太郎（商3＝徳島・城東）のトライにより先制。

その後も得点を挙げ、19-０で前半を折り返す。しかし、後半は一転して苦しい戦いに。立ち上がりの失点以降、敵陣に入るもののなかなか得点とはならず。終盤にFW（フォワード）陣が追加点を挙げ、ノーサイド。最終スコアを31-７とし、対抗戦4連勝を飾った。

前半は風上でスタートした早大。キックを有効に使い、序盤から敵陣に攻め込んでいく。そして９分、敵陣中央左５m付近のスクラムから左に展開し、対抗戦初トライとなる磯崎の先制から、早大がスコアを動かす。その後も17分に敵陣22m付近のラインアウトからWTB槇瑛人（スポ4＝東京・国学院久我山）が大外を走り切り得点。

23分にも、HO（フッカー）佐藤健次（スポ2＝神奈川・桐蔭学園）がラインアウトモールから抜け出し追加点を挙げるなど、早大は主導権を握る。しかし、以降は攻撃で思うようにゲインできず、30分にはパスミスから相手のブレイクを許し、前半最大のピンチを迎える。SO（スタンドオフ）吉村紘（スポ4＝東福岡）や、佐藤の必死のタックルにより守備を立て直し、危機を逃れるが、重なる反則で攻撃が続かず、最後は相手が外に蹴りだして前半終了。19-０で試合を折り返した。

後半は立大の巧みなキックから自陣５mでラインアウトを与える。そこから相手FWに粘られ開始3分で失点。その後は相手の反則につけ込み、敵陣でゲームを展開する早大だったが、再三のチャンスを不用意な反則で得点に結びつけることができない。ディフェンスでは前に出るタックルでゲインを許さなかったが、アタックの部分で攻めあぐねる時間が続く。

ゲインを切るFL前田

22分には、SH（スクラムハーフ）小西泰聖（スポ4＝神奈川・桐蔭学園）を投入してテンポを上げ、「スコアできないことにストレスを感じずに、ここのエリアでボールをキープすることにフォーカスしよう」（吉村）と、最後まで気持ちを保ち続けた早大。38分、CTB（センター）平田楓太（スポ4＝福岡・東筑）のグラウンディングは取り消されたが、アドバンテージ直後の敵陣５mでのマイボールスクラムを起点に、最後はFL（フランカー）前田知暉（社4＝東海大大阪仰星）が押し込んで待望の追加点。

試合終了直前にもLO（ロック）藤井将吾（スポ3＝大阪・早稲田摂陵）がインゴールに飛び込んだ。吉村のキックも決まり、試合はノーサイド。31-7で勝利し、対抗戦順位を明治大学、慶應義塾大学と並んで2位タイとした。

セットプレーを安定させたPR（プロップ）亀山がPOM（プレイヤー・オブ・ザ・マッチ）

今節は天候のコンディションが悪い中でも、今季力を入れているセットプレーで試合を支配し続けた。だが攻勢をかけるものの、アタックの精度には反省点が見られる。次戦はいよいよ帝京大学との試合を迎える。夏の練習試合では1トライ1ゴール差までに迫り、春からの成長を印象づけた。今年度はまだ勝利を挙げられていない昨年の覇者との一戦へ。もう悔しい思いは十分だ。今節で浮き彫りとなった、各個人のスキル面を改善し、早稲田らしさを体現する試合としたい。

文：森田健介／写真：谷口花（早稲田スポーツ新聞会）