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ラグビー コラム 2022年10月24日

【ハイライト動画あり】近畿大、関西大から9トライを奪う快勝で今季2勝目を獲得。ラグビー関西大学Aリーグ 第4節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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半田裕己(近畿大学)

すっきりしないゲームが続いた過去3戦の停滞感を一掃する快勝。近畿大にとってはまさにそんな試合だっただろう。ひたむきなディフェンスを身上とする関西大を相手に接点のバトルで当たり勝ち、縦横自在のアタックで9トライをマーク。60-19の大差で今季2勝目を挙げ、2年連続の大学選手権出場に望みをつないだ。

序盤、先にチャンスを作ったのは関西大だった。キックオフレシーブからSO池澤佑尽の50:22キックで敵陣22mライン内のマイボールラインアウトを得ると、テンポよく左右にボールを動かしてゴールラインに迫る。しかし近畿大は連携をとりながらしっかりとスペースを埋め、最後はラックでNO8古寺直希が球に絡んでペナルティを奪取。最初のピンチを堂々と切り抜ける。

すると今度は近畿大のSO半田裕己が精度の高いキックで50:22を決め、一気に相手陣ゴール前へ。この場面はラインアウトモールを押し切ることはできなかったものの、そのまま敵陣に居座り続け、関西大にプレッシャーをかける。

1本目のトライが生まれたのは8分過ぎだ。敵陣ゴール前5m付近でマイボールスクラムを獲得した近畿大は、8人一体の力強いドライブで押しきって悠々とゴールラインを越える。スクラムでの圧倒的な優位性を示したこのトライによって、ゲームの流れは大きく近畿大の側へと傾いた。

15分、ラインアウトからのドライビングモールでHO平沼泰成が右中間に押さえると、その後も近畿大が強力なセットプレーを軸にFW戦で主導権を掌握。26分にはスクラム起点のサインプレーから、WTB三島琳久が左ライン際をノータッチで駆け抜ける。さらに自陣ゴール前での関西大の猛攻をしのいで迎えた35分には、中盤ラインアウトからの左展開でふたたびWTB三島がインゴールへ。44分にもSO半田がPGを加え、29-0とリードを広げて前半を折り返した。

溝渕元気(関西大学)

前半は自陣でプレーする時間が長かった関西大も、後半開始直後に敵陣深い位置へ攻め込み、入替で入ったばかりのSH溝渕元気がラインアウトからのサインプレーできれいに抜け出してようやくトライを返す。なおも果敢にボールを動かして攻め立てたが、ここは近畿大も粘り強く体を張って対抗。そして迎えた53分過ぎ、自慢のスクラムでペナルティをもぎ取って大きく陣地を挽回すると、ふたたび近畿大が流れをたぐり寄せる。

ラグビー 関西大学リーグ2022

【ハイライト動画】近畿大学 vs. 関西大学

55分、防御裏へのキックと鋭いチェイスで圧力をかけて相手のエラーを誘い、こぼれ球をCTB森元翔紀がインゴールで押さえてトライ。その3分後には自陣ゴール前のターンオーバーからFB高城圭雄が快走し、90m近くを切り返して最後はサポートしたWTB植田和磨がポスト下へ飛び込む。相手にすればダメージの大きいこの2本のトライで、試合の大勢は決した。

以後、近畿大は67分に豪快なラインブレイクからLO駒井凌太、70分にはスピーディーな連続攻撃からあざやかなスワーブでWTB植田がフィニッシュ。終盤、関西大の反撃に2トライを許したものの、余裕を持ってフルタイムを迎えた。

古寺直希(近畿大学)

関西学院大立命館大に敗れた前2戦は要所での詰めの甘さが目立った近畿大だが、この日は攻守とも大事な場面での集中力が光った。取るべきところで取りきり、守るべきところをきっちり守りきれたことは、チームにとって確かな自信になるだろう。プレーヤーオブザマッチに選出されたNO8古寺を筆頭に、コンタクトエリアでの激しさと前に出る意識でも相手を上回った。

何より目を引いたのは、終始関西大を圧倒したスクラムだ。単に押し込むだけでなくペナルティまでもぎ取ることができる推進力は、どのチームにとっても脅威になるはず。上位校との対戦に突入する今後の戦いが楽しみになるパフォーマンスだった。

逆に関西大は立ち上がりのチャンスを仕留めきれず、自陣で相手のセットアタックを受ける展開に持ち込まれたことが、大敗の要因となった。局面を見れば互角に戦える部分も数多くあっただけに、ビッグスコアでの敗戦という結果が惜しまれる。確固たる自分たちのスタイルの中で個々の奮闘を結集し、後半戦での巻き返しにつなげたい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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