人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2022年10月21日

折り返しの第4節、後半戦へ弾みをつけるのはどちらか。近畿大×関西大、ラグビー関西大学Aリーグプレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
  • Line

近畿大学 vs. 関西大学

9月中旬の開幕から1か月余りが過ぎ、関西大学Aリーグは今週末にシーズンの折り返しとなる第4節を迎える。春のトーナメントで優勝を分けあった京都産業大天理大が前評判通りの実力を発揮して3連勝と快走する一方、残る6校の間では際どい接戦が繰り広げられており、大学選手権の出場権が与えられる3位の座を巡って緊迫した順位争いが続いている状況だ。

そうした中、10月23日の天理親里競技場では、前年度2位の近畿大と同6位の関西大が激突する(14時キックオフ)。第3節終了時点の順位は、近畿大が1勝2敗で勝点5の5位、関西大は3敗で勝点1の7位。ただし関西大が京産大、天理大と上位勢との対戦を終えているのに対し、近畿大はこれから上位校との連戦が控えている。選手権出場へ望みをつなぐため、また入替戦を回避するためにも、両チームにとって何としても勝利がほしい一戦だろう。

それぞれのここまでの戦いぶりを振り返ると、近畿大は初戦で摂南大を33-19と退け白星スタートを切ったものの、第2節は関西学院大の出足鋭いディフェンスを崩しきれず、7-27で勝点ゼロの敗戦。巻き返しを期して臨んだ前節の立命館大戦は、後半30分過ぎまで20-8とリードしながら残り10分あまりで17点を奪われ、痛恨の逆転負けを喫した。いずれも十分勝利に手が届く内容だっただけに、悔しさが募る連敗となった。

その2試合で浮かび上がった課題は、勝負どころの時間帯での試合運びだ。関西学院大戦は好機を仕留めきれなかったことで次第に流れを失い、立命館大戦ではゲームを締めくくる局面での詰めの甘さから逆転を許した。攻守の起点となるセットプレーの安定感という大きな武器があるだけに、どちらに流れが傾くかという状況で主導権を掌握することが、今節のテーマになるだろう。

対する関西大は前半22-10と先行しながら後半に逆転を許し、25-26と1点差で惜敗した同志社大との2戦目が痛かった。前節は京都産業大の強烈なコンタクトに接点のバトルで圧倒され、15-99で大敗。そこからプレー、メンタルの両面をいかに立て直してくるかが、近畿大戦でのポイントとなる。

もっとも10-63で完敗した天理大との初戦を含め、準備してきたプレーを遂行できた時はどの相手にも通用したし、トライも取りきることができた。背中で牽引するリーダー、NO8池原自恩キャプテンを筆頭に接点で体を張る意識の高い選手もそろっている。天理大戦、同志社大戦で目立ったペナルティをできる限り減らし、タイトなクロスゲームに持ち込むことができれば、自分たちのペースになるはずだ。

キックオフ48時間前に発表された登録メンバーを見ていくと、近畿大は前節からHO平沼泰成、LO駒井凌太、FB高城圭雄の3人を変更。池田真人、稲場巧の両PRにLO甲斐登生と実力者が並ぶタイトファイブには、スクラムとラインアウトで圧力をかけることが期待される。3戦連続でそろって先発となるFL中村健志、FL岩本圭伸、NO8古寺直希のバックロー3人は、いずれも接点の激しさが持ち味のハードワーカーだ。

SH田原慶人、SO半田裕己のHB団と三島琳久と植田和磨の両WTB、CTB森元翔紀の5人も、開幕から4戦連続の先発出場となった。アウトサイドCTBには前節に続いて志和池昂豊が入り、FBでは4年生の高城圭雄が今シーズン初のスターターを務める。

一方の関西大は前節からFW2人、BK3人を入れ替えた。第1列は今季初先発の左PR河瀬拓磨、HO今井虎太郎の2人に右PR細矢一颯という並びで、LO陣は中薗拓海、中村豪の不動のコンビ。バックローは奥平一磨呂、岩崎友哉の両FLとNO8池原自恩主将が3戦連続の先発出場だ。

BKではSO池澤佑尽が2試合ぶりのスタメン復帰でSH末井健将とペアを組む。TB陣はCTB米虫悠輔とWTB遠藤亮真が前節リザーブから先発に戻り、澤口飛翔がCTBから11番に、藤原悠が13番から12番にシフト。FBには2試合連続で山村英毅が入った。

近畿大にすれば最大の強みであるセットプレーで厳しくプレッシャーをかけ、いい形で決定力あるバックスリーを走らせる展開に持ち込みたいところだろう。反対に関西大はそうした状況を作らせないために、規律を保ちつつ前に出るディフェンスでスペースを奪い、敵陣で試合を進めることが勝利の条件となる。近畿大の半田裕己、関西大の池澤佑尽という両10番のキックを使ったゲームコントロールも、重要な見どころのひとつだ。

勝てば後半戦に向け大きく弾みがつく一戦。気迫のこもった熱戦を期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ