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ラグビー コラム 2022年10月21日

天理大の4連勝か。摂南大の今季初勝利か。関西大学Aリーグ第4節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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天理大学 vs. 摂南大学

全7節(1チーム7試合)の関西大学Aリーグは第3節が終了した。

無傷の開幕3連勝は、春季トーナメントで両校優勝を果たし、関東勢撃破の急先鋒となりそうな2校、京都産業大学(昨季1位)と天理大学(同3位)だ。

続くのは2勝1敗の同志社大学(同4位)と立命館大学(同5位)。1勝2敗で昨季2位の近畿大学関西学院大学(同8位)が追いかけ、3連敗は関西大学(同6位)と摂南大学(同7位)になっている。

そして10月23日(日)、奈良・天理親里では、3勝の天理大と3敗の摂南大と対戦する。

チャレンジャーは摂南大だ。昨季は天理親里で0-40の完敗。東芝や男子7人制代表を指揮した瀬川智広監督の下、昨季からの積み上げを見せたいところだ。

2週間前の第3節で、摂南大は同志社大に12-25で競り負けた。

春の対戦では、1点リードで折り返しながらも後半に突き放されて敗戦(27-52)。ただ今回は前半を3点ビハインド(12-15)で折り返した後、大差は許さなかった。

瀬川監督が就任した2020年には新グラウンドや新トレーニングルームが完成しており、環境面は充実。チームも成長の兆しがある。

成長の証の一つが、迫力のあるスクラムだろう。

同志社大戦では3戦先発のPR森山正臣、HO高木崇太郎(共に4年)、PR原渕修人(3年)らがプレッシャーをかけた。今週末の相手はセットプレーに強烈なこだわりを持つ天理大。スクラムバトルは注目せざるを得ない。

天理大戦のメンバーは、前節から1人変更。ロックだった森山迅都(3年)がフランカーに下がり、U18フィジー代表歴のあるLOヴェティ・トゥポウ(3年)が新たに入った。

上記のフロントローも引き続きスタメン。FWリーダーで突進力のあるLO徳永リオ吉平(4年)、トンガU18代表だったNO8ヴィリアミ・ルトゥア・アホフォノ(4年)も先発。フィジカルバトルに備える。

カストン・マイケルズ(摂南大学)

SH藤谷龍哉主将をはじめ、センターコンビは嶋本大賀(2年)と下級年時から有望だった東将吾。南アフリカ出身のルーキー、WTBカストン・マイケルズ(1年)は167センチながら100m11秒台というスピードが際立つ。味方とリンクした攻撃で得点機を仕留めたい。

一方、地元での対決に備える天理大。

今季は開幕節で関西大に63-10で完勝。第2節で立命大に36-13、そして第3節で関西学院大を29-0で完封した。

第3節終了時の23失点はAリーグ最少だ。連携面はこれから精度を高めていく段階だろうが、強力なセットプレー、豊富なスキルを活かした展開力に加え、ディフェンスでも地力を見せている。

その天理大の登録メンバーでは、前節から先発を4人変更(FW1人、BK3人)。

右プロップに秋田工業出身のPR奈良真弥(3年)が入り、BKではここまでリザーブだった田中心大(2年)が今季初10番。WTB豊田祐樹(3年)、FB荒川浩二郎(4年)も先発に入った。

引き続きのスタメンは、広島工業出身のPR宮田 悠暉(3年)、セットプレーのキーマンの一人であるファイターのHO谷口永遠(4年)。

バックローは強烈。台湾出身で大学屈指のハードワーカーであるFL鄭兆毅(3年)、そしてFL照井悠一郎キャプテン、スピードとパワーを兼備するNO8パトリック・ヴァカタ(2年)。

マナセ・ハビリ(天理大学)

バックスでは高知中央高出身で、前節のウイングから移動したCTBマナセ・ハビリ(3年)はやはり注目。力強い足腰からの突破を期待したい。

摂南大はセットプレーで奮闘し、ディフェンスでは80分間コネクションを崩さず今季スローガンの「ALL OUT」(オールアウト)を体現したい。中盤エリアでペナルティを与えれば、春時点ですでに力強かった天理大のモールが炸裂する。しっかりと規律も保ちたい。

天理大はセットプレーの勝負では負けられない。安定したラインアウト、スクラムを維持できれば多彩なアタック、迫力のある突破役たちが躍動する。

日本一も見据える天理大の4連勝か。それとも摂南大が今季初勝利を手にするのか。日曜日の11時45分にキックオフする対決に注目したい。

文: 多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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