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ラグビー コラム 2022年10月17日

【ハイライト動画あり】「明治タイム」健在!CTB廣瀬も躍動し終盤5連続トライ。青山学院大はスクラムで真っ向勝負

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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廣瀬雄也(明治大学)

昨季の明治大学は、鍛え上げたフィットネスが武器になる後半20分以降を「明治タイム」と呼んだ。

帝京大学に14-27で負けた大学選手権ファイナルでさえ、後半スコアで7点上回る(14-7)など、逞しい“終盤力”で準優勝の戦果を残した。

今季はそのフィットネスに、フィジカルを中心に上乗せし、9月10日(土)に開幕した関東大学対抗戦で3連勝を飾っていた。

そして10月16日(日)、群馬・太田で開催された青山学院大学(3敗)との第4戦でも「明治タイム」は健在だった。

「前半は自分たちのラグビーができず、悔しい時間帯が続きました」(明治大・CTB廣瀬雄也)

青学大は28季振りの大学選手権出場を目指す立場だが、着実に力をつけており、前半から明治大を苦しめた。

まず前半6分にPG(ペナルティゴール)で3点先制。明治大に連続トライを許して11点ビハインド(3-14)となったが、被トライ直後の同24分、開始8秒でインゴールを奪った。

明治大はキックオフ・ボールに対するコンテストが甘くなり、死角から落下点にアプローチしたWTB榎本拓真が見事に捕球。そのまま走り込み、開始8秒のトライ&ゴールで4点差(10-14)に迫ってみせた。

さらに前半34分、観客1082人を収容した太田市運動公園陸上競技場がどよめく。1トライを奪われていた11点ビハインドの青学大が、ビッグスクラムで逆襲したのだ。

明治大は、自陣ゴール前で自軍5回目のスクラムだった。

ここで青学大が先発フロントロー(PR田中創太郎、HO田中太陽、PR安部駿亮)を中心にプッシュ。豪快にめくり、平栗大士レフリーの笛。明治大はこの日初めてスクラムでボールを失った。

直後のスクラムで、明治大はさらにオフサイドの反則。ここでSH宮下賢志が速攻。明治大がゴールラインまで下がらずに宮下を止めたため、青学大にペナルティトライ(7点)。明治大はこのプレーでLO武内慎が後半5分までシンビン(10分間の一時退出)となってしまった。

ラグビー 関東大学対抗戦2022

【ハイライト動画】明治大学 vs. 青山学院大学

しかし明治大は、1人少ない状況で5対5のラインアウトを選択し、3本目のモールトライを奪取。流石の遂行力だったが、青学大もPGを返して8点差(20-28)。接戦模様のまま後半へ向かった。

後半開始直後から青学大は奮闘した。スクラムで奮戦したPR安部、LO荒川真斗のディフェンスから攻守交代も起こした。

後半20分手前まで、明治大と8点差の熱闘。青学大は執念、実力を示した。

しかし明治大が終盤力を発揮した。

豊富なフィットネス、重厚な途中出場組、そして東福岡高時代に高校日本代表も経験しているCTB廣瀬雄也が、圧巻のパフォーマンスでチームを後押しした。

CTB廣瀬は筑波大学との開幕戦など、天下一品のキックスキルで窮地を救ってきた。

この日も追加点が欲しい後半、類い稀な精度のロングキックで「50:22」(自陣から蹴ったボールが敵陣22mライン内でバウンドして外に出るとマイボールラインアウトになる)を披露。ムードを一変させた。

途中出場組も活躍し、メイジの時間帯を造り上げた。

後半投入されたプロップの中村公星、古田空が入ったスクラムでターンオーバー。後半18分のLO山本嶺二郎のトライに繋げた。

ここから明治大は怒濤の4連続トライ(後半22、26、33、41分)。

青学大の堅守をスピード、パワーで徐々に上回り、決定力あるWTB秋濱悠太は2トライを奪った。

伊藤耕太郎(明治大学)

バックスの途中出場組も実力発揮。後半26分のSO伊藤耕太郎のトライをお膳立てした21番山村和也の突進、22番池戸将太郎のノールック・パスは鮮烈だった。

最終スコアが70得点の大台に乗ったのは、CTB廣瀬の仕事が大きかった。

179センチ92キロの21歳は、難しい角度もあった10回のコンバージョンを全成功。一人で20得点を叩き出し、文句なしのプレイヤー・オブ・ザ・マッチに。日本代表を狙う大器が力を示した。

「後半は修正ができました。次は慶應戦なのでもう一回チームで頑張っていきたいと思います」(明治大CTB廣瀬)

次戦は勝点19で並んでいる慶應義塾大学と、注目の全勝対決だ。

昨年は46-17で快勝したが、2016年以降では4点差以内の接戦が4度。そのうち2016年を除く3度は競り負けている。11月6日(日)の埼玉・熊谷が、決戦の舞台だ。

スクラムでも力を見せ、後半途中まで奮闘したものの、4敗目を喫した青学大(勝点0)。

同じく4敗(勝点2)の筑波大学と、目標である大学選手権出場へ向けた重要な一戦を迎える。11月5日(土)の埼玉・熊谷Bグラウンドで、蓄えた自信とスキルを発揮し、今季初勝利を掴みたい。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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