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ラグビー コラム 2022年9月30日

ここまで盤石の王者・帝京大に、実力者筑波大が挑む。ラグビー関東大学対抗戦プレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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9月10日に開幕した関東大学対抗戦は、第2節を終えて帝京大早稲田大明治大慶應義塾大の4校が2連勝を飾った。昨シーズンの上位勢が順調なスタートを切った格好だが、そこに割って入る存在として注目されているのが、前年度6位の筑波大だ。ここまで勝利こそないものの、敗れた2試合はいずれも強豪相手の接戦(22-33明治大、17-23早稲田大)。内容的にも地力を感じさせるもので、リズムに乗ればどの相手にも勝利できるポテンシャルを秘めたチームといえる。

対抗戦の優勝争いの鍵を握るこの実力者が今週末に挑むのは、昨季4年ぶりに大学日本一の座へ返り咲いた帝京大だ(@江戸川区陸上競技場、14時キックオフ)。帝京大にとってはこの秋最初の関門であり、筑波大にすれば優勝へ望みをつなぐ上で絶対に勝利がほしい一戦。見応えある好勝負になることが予想される。

両校の今季2試合を振り返ると、帝京大は初戦で立教大から14トライを奪って88-0と大勝した後、9月17日の第2節で青山学院大と対戦。相手の気迫みなぎるシャローディフェンスに前半は5-0と苦しんだが、浮き足立つことなくしっかりと体を当て続けて流れを引き寄せ、後半だけで47点を挙げて52-0の完勝を収めた。思うようにいかない展開にも動じず、自分たちの強みに立ち返って最終的に突き放すという大人びた試合運びに、チームとしての重厚な底力がにじんだ。

一方の筑波大は明治大との初戦で残り5分まで22-26と肉薄するも、終盤に決定的なトライを許し敗戦。続く早稲田大戦も前半0-23から後半猛追して6点差まで詰め寄ったが、逆転にはあと一歩届かなかった。いずれも勝つチャンスがあっただけに2戦を終えた時点で勝点1にとどまっているのは惜しまれるが、上位勢と遜色ない実力を備えていることは間違いなく、ここから躍進を遂げる可能性も十分ある。

それぞれの戦いぶりから今回の対戦で焦点となりそうなのは、セットプレーの攻防だ。帝京大の強みはなんといってもスクラムで、青山学院大戦では再三ペナルティを奪うなど攻守の起点を文字通り制圧したことが、後半のトライラッシュの呼び水となった。今節もパックウエートで大きく上回るだけに(帝京大852kg、筑波大780kg)、厳しく圧力をかけてゲームの主導権を握りにくるだろう。

反対に筑波大の武器はラインアウト。今季はバックファイブに180cm台後半の高さのある選手がそろっており、安定したボールキープからの結束の固いドライビングモールが大きな得点源となっている。早稲田大戦でも3トライのすべてをその形でマークしており、敵陣22mライン内でいかにマイボールラインアウトの機会を作れるかが、この試合のポイントとなるだろう。

もうひとつの見どころは、両者の激突で常にキーファクターとなる接点のバトルだ。過去の対戦でもコリジョンの局面で帝京大が圧倒した時はビッグスコア、筑波大が互角に戦えた時はクロスゲームになっている。学生随一の推進力を誇る帝京大を相手に、「バチバチ」のスローガンを掲げる筑波大がどこまで粘り強く体を当て続けられるかで、スコアボードの数字は決まるだろう。

帝京大学スターティングメンバー

発表された登録メンバーを見ていくと、帝京大は2週前の青山学院大戦から先発4人を変更。両PRは前節と同じ高井翔太、上杉太郎で、HOに福井翔がイン。LO陣は尹礼温、江里口真弘のコンビに変わった。バックローはFL青木恵斗、FL奥井章仁、NO8延原秀飛という不動の3人だ。

BKは11番が長谷川毅に変わっただけで、残る6人は同じ顔ぶれ。SH李錦寿とSO高本幹也がHB団を務め、TBはWTB長谷川、CTB松山千大、CTB二村莞司、WTB小村真也という並びに。FBは青山学院大戦で際立つ活躍を見せた谷中樹平だ。

筑波大学スターティングメンバー

対する筑波大は前節の早稲田大戦の先発メンバーから5人を入れ替えた。フロントローはキャプテンのPR木原優作、HO肥田晃季の主軸2人に、スクラムが持ち味の田中希門が3番という布陣。LOは梁川賢吉が2試合ぶりに復帰し、本郷雄斗とペアを組む。前節LOの横溝昂大ショーンは7番へシフトし、FL茨木颯、NO8谷山隼大という第3列となった。

HBはSH白栄拓也とSO楢本幹志朗が3戦連続のスタメン。11番が一口直貴に変わり、12番浅見亮太郎から13番松島聡、14番濱島遼は前節と同じ構成だ。FBは明治大戦で2G1PGを決めた高田賢臣が、2試合ぶりに先発する。

シーズン前半に上位校との対戦が集中している筑波大にとっては、厳しい2連戦を経て中2週で迎えるゲームだけに、心身ともいいコンディションで臨めるはず。帝京大は前2戦から相手のレベルが大きく上がる中で、いかに自分たちのラグビーを遂行できるかが問われる試合となる。それぞれのこの先の歩みを左右する一戦となりそうだ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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