関西大学Aリーグ開幕戦の伝統校対決 王座奪還を目指す同大に立命大が挑む

同志社大学 vs. 立命館大学

9月18日、東大阪市花園ラグビー場で関西大学Aリーグが開幕する。参加8チームが勢ぞろいし、2つのグラウンドを使用して4試合が行われる。本コラムでは、伝統校対決となる同志社大対立命館大について書きたい。ここ数年、天理大、京産大の後塵を拝している両大学だが、立命大は2013年、同大は2015年のリーグ戦を制しており、長らく同リーグを引っ張ってきたチームとして巻き返しを図っている。

同大は今季より、同大OBでサントリー（現・東京サントリーサンゴリアス）でも活躍した宮本啓希監督が指揮を執る。「アグレッシブアタッキングラグビー」を標榜するサントリーの選手時代は、名将エディー・ジョーンズ氏の下で勝つチーム作りを体感した。同大でも春はアタックマインドを重視し、徹底してボールを持って攻めることにこだわった。チーム作りの途上での春季大会では、14－57で立命大に敗れたが、この負けが選手の目を覚まさせ、その後のチーム力向上につながっているという。

チームの先頭に立つ梁本旺義キャプテン（4年）は開幕前の記者会見で「春に負けて悔しい思いをしてので、開幕戦で立命館大学と戦えるのはめちゃくちゃ嬉しくて、徹底的にやり返すという気持ちです」と意気込みを語った。FWのメンバーはスクラムの強さに定評のあるPR山本敦輝（3年）、HO西濱悠太（3年）、PR李優河（4年）、LO梁本ら昨年からのメンバーに、1年生のNO8林慶音が先発。BKでも1年生のSO大島泰真が出場する。林、大島ともに昨年はコロナ禍で特別に行われたU19日本代表候補エキシビションマッチに出場した世代屈指のタレントだ。春は徹底してボールをつないだ同大も、夏合宿の練習試合ではキックも織り交ぜてスペースを攻略するラグビーをしていた。果たして、どんな攻撃を見せてくれるのか。

対する立命大は、コロナの陽性反応が出た選手がいたこともあって夏合宿が中止になった。8月に鍛えこむことができなかったのが不安材料だ。果たして、ハードなトレーニングによってどこまでゲームフィットネスを高められているか。開幕前の記者会見でHO中川魁キャプテン（4年）は、「目標は大学選手権出場です。今年のスローガンは、コネクト。チーム一丸となって戦いたい」と話した。

昨年は失点が多かったことも踏まえ、攻守ともに選手同士がつながって、コミュニケーションをとりながら戦う。中川を軸に機動力あるFWと、正確なキックを持つSO山下真之介（2年）でゲームを支配。スクラムで圧力をかけ、得意のモールでトライを奪いたい。1年生では高校日本一の東海大大阪仰星から加入したWTB御池蓮二、大分舞鶴出身のNO8島正輝が先発する。このほか、春季大会の同大戦にも出ているFL榎本匡志など1年生が4名リザーブ入りしており、フレッシュなメンバーがチームに勢いを与えそうだ。

立命大を率いて2年目になる鬼束竜太ヘッドコーチは同大OB。今季よりディフェンスアドバイザーに就任した佐藤貴志氏も同大のコーチだった。同大選手のことはよく知っており、どんな戦いを挑むのか注目だ。昨年4位の同大対5位の立命大。楽しみな開幕カードである。

文：村上 晃一