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アイルランド戦での日本代表
女9月13日(火)、女子ラグビー日本代表は、10月8日からニュージーランドで開幕する「ラグビーワールドカップ2021ニュージーランド大会」の登録メンバー32名を発表した。オンライン会見では、浅見敬子NTD(ナショナルチームディレクター)、レスリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)の2人が登壇した。
会見に先立ってFW(フォワード)19名、BK(バックス)13名のワールドカップスコッドを発表。前回の2017年のワールドカップ経験者は9名、初選出が23名というフレッシュな顔ぶれとなった。キャプテンは引き続き、PR(プロップ)南早紀が務める。
菅平合宿に参加していたメンバー(36名)からHO(フッカー)公家明日香、SH(スクラムハーフ)安尾琴乃、CTB(センター)黒木理帆、WTB(ウイング)谷口令子の4名が残念ながら落選。マッケンジーHCは「(落選をZOOMで伝えたときは)もっとも辛い1日になった」と話した
浅見NTD
冒頭、浅見NTDは「明後日15日に出国します。家族や所属チーム、会社、大学といった関係者に感謝申し上げます。サクラセブンズがワールドカップ過去最高の9位と大健闘して、素晴らしいバトンを渡してくれた。レスリーHCが2019年から丁寧に指導してきて、いよいよその進化が発揮できる舞台が来るのでうれしく思います」と挨拶した。
続いてマッケンジーHCは「32名を発表できたことは非常にエキサイティングです。選手は何年もかけて準備もしてきた。HCに就任したときから、ゴールに掲げていたのはワールドカップへ選手の選抜の課程が、チャレンジングになるように指導してきた」。
レスリー・マッケンジーHC
「選手を選ぶとき難しくなるように、選手のフィジカルを上げて強くハイレベルにしてきた。完璧ではないかもしれないが、とても満足している。フィールドでいいものを見せられると信じています」と語気を強めた
ワールドカップスコッドに選んだ32名に関してマッケンジーHCは、「プレースタイルを実現できる、強い、大きな相手に適切な選手32名を選んだ。ニュージーランドとのウォームアップゲーム、ワールドカップの予選プールの3戦も、フィジカルゲームになると予想されます」。
「その期間中、カバーできるように32名を選んだ。全員に機会があることを臨んでいます。ワールドカップでは、日本代表はもっとも小さいチームなので(個々の選手には)強靱であることが求められます。ケガや他の理由で欠けたときにカバーできる選手を選んだ。もう1つの要素としては、トレーニング中にモメンタムを与えた選手を賞賛したいという気持ちもあり、違った要素もあって32名を選んだ」と説明した。
アイルランド戦ではゲームのテンポを作ったSH阿部
また、「ラッキーガール」として大会中に活躍してほしい選手として指揮官は3人の名前を挙げた。「SH阿部恵は彼女が見せるスタイルは一貫性があってテンポを刻んで、SHとしてのプレーする姿は世界を驚かせるようなパフォーマンスを見せてくれるのでは。
イングランドのプレミアリーグで活躍するPR加藤
PR加藤幸子はイングランドのプレミアシップで、日本人がどういうことできるが世界に見せているが、引き続き同じようなプレーができると期待している。FB(フルバック)松田凛日は快適にできるポジションでどういうことをできるかを見せてほしい」。
アイルランド戦で決定力を見せたFB松田
サクラフィフティーンのスタイルに関して、マッケンジーHCは「ディフェンスとスピードは強みだと思っています。キャラクター性とディフェンスは今まで見せることができていた」。
「国際大会で戦うにはディフェンスが必要で、選手たちは強みと言えるほど上達し、誇りに思えるようになった。スキルのスピード、アジリティーに関しては、女子ラグビーには『ここでこうだとは思わなかった』という要素が必要で、それを日本代表が見せてくれると思います」と自信をのぞかせた。
ラグビーワールドカップ2021はコロナ禍の影響により1年延期されて、2022年の10月に開幕する。マッケンジーHCは「(延期されたこ)1年でさらなるトレーニング、テストマッチに恵まれたことは幸運だった。(延期されなければ)今より若く、小さいまま臨まなければいけなかったので、1年延びたことは幸運だった。選手たちからオーナーシップを肌でも感じたので、1日1日を楽しみたい」と前向きに捉えていた。
ラグビー女子日本代表テストマッチ2022
【ハイライト動画】日本 vs. アイルランド(8月27日)
マッケンジーHCは「サクラフィフティ-ンのポテンシャル、トップな相手にどれだけ最高なラグビーができるかを考えると、エモーショナルになります」と興奮を隠さなかった。
また、南キャプテンも「前回大会では悔しい思いをしましたが、この5年間勝利も敗戦も経験し、より強く成長したことを実感しています。ベスト8以上に入り、女子ラグビーの新しい歴史を創りたい」と語った。
9月15日、32名の選手たちはニュージーランドに渡る。いよいよ10月から、サクラフィフティーンのトップ8を目指す戦いが始まる。
>◆FW:19名
・PR 加藤幸子(横河武蔵野アルテミ・スターズ/早稲田大学、10)
・PR 北野和子(MIE PEARLS/住友電装、6)
・PR 小牧日菜多(日本体育大学ラグビー部女子/日本体育大学、3)
・PR 左高裕佳(弘前サクラオーバルズ/青南商事、12)
☆PR 南 早紀(横河武蔵野アルテミ・スターズ/横河レンタ・リース、25)主将
☆PR ラベマイまこと(横河武蔵野アルテミ・スターズ/凸版印刷、17)
・HO 谷口琴美(MIE PEARLS/住友電装、3)
・HO 永田虹歩(国際武道大学女子ラグビー部/国際武道大学。8)
・LO 川村雅未(RKUグレース/諸岡、3)
・LO 佐藤優奈(東京山九フェニックス/山九、6)
☆LO 高野眞希(横河武蔵野アルテミ・スターズ/セコム、16)
・LO 玉井希絵(MIE PEARLS/パソナグループ、13)
・LO 吉村乙華(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/立正大学ラグビー部、5)
・FL 向來桜子(日本体育大学ラグビー部女子/日本体育大学、2)
☆FL/HO/NO8 齊藤聖奈(MIE PEARLS/住友電装、31)
☆FL/HO 鈴木実沙紀(東京山九フェニックス/NTTファシリティーズ、30)
☆FL 長田いろは(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/関東食糧、15)
・FL 細川恭子(MIE PEARLS/住友電装、7)
・NO8 永井彩乃(YOKOHAMA TKM/横浜未来ヘルスケアシステム、10)
◆BK13名
・SH 阿部恵(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/アール・ディー・シー、10)
☆SH 津久井萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ/リベスト、19)
・SO 大塚朱紗(RKUグレース/茨城トヨペット、9)
☆SO/CTB 山本実(MIE PEARLS/住友電装、21)
・SO/WTB 今釘小町(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/立正大学ラグビー部、9)
・WTB 名倉ひなの(横河武蔵野アルテミ・スターズ/NTTファシリティーズ、10)
・CTB/WTB/FL 伊藤優希(MIE PEARLS/住友電装、11)
☆CTB 鈴木彩香(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/―、18)
・CTB 中山潮音(横河武蔵野アルテミ・スターズ/三幸学園東京リゾート&スポーツ専門学校、7)
・CTB 古田真菜(東京山九フェニックス/NTTファシリティーズ、14)
・FB 庵奥里愛(MIE PEARLS/住友電装、7)
・FB 平山愛(自衛隊体育学校PTS/自衛隊体育学校、4)
・FB/CTB/WTB 松田凜日(日本体育大学ラグビー部女子/日本体育大学、5)
◆日本代表(13位)ワールドカップ日程(プールB)
・10月 9日(日)11:15日本 vs. カナダ(3位)@ファンガレイ
・10月15日(土)13:30日本 vs. アメリカ(6位)@ファンガレイ
・10月23日(日)08:45日本 vs. イタリア(5位)@オークランド
・10月29日(土)30日(土)準々決勝
・11月 5日(土)準決勝
・11月12日(土)3位決定戦、決勝
※( )内の世界ランキングは9月12日現在
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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