【ハイライト動画あり】明治大学、選手コメントで振り返る苦戦の筑波大学戦。ラグビー関東大学対抗戦

試合を決めるトライを決めた石田主将

待ちに待ったラグビー関東大学対抗戦。9月10日（土）、明治大学は難敵・筑波大学と対戦。チームで『ノーペナルティ』を目標に掲げて挑むが、多くの反則が見られた。だが、明大の粘りを見せつけ、33-22と白星発進を遂げた。

前半5分、明大にチャンスがやってくる。左FL（フランカー）森山雄太（政経3＝東福岡）の強靭な身体から生み出すボールキャリーで前進し、SO（スタンドオフ）伊藤耕太郎（商3＝国学院栃木）が筑波大のディフェンスをすり抜けてトライ。しかし前半9分、筑波大はゴール前のラインアウトの好機を生かし、すぐに同点に追い付かれてしまう。「自陣に入ってきたらほとんどトライを決めて、点を取ってくる相手だった」（森山）。

両者ともに譲らない戦いが繰り広げられる。明大のセットプレーでは多くの反則が見られ、筑波大に2本のPG（ペナルティゴール）の機会を許すも、相手のミスに助けられる。「ペナルティで自陣に返されたところが多かったので、自分たちのミスで自分たちの首を絞めていた」（ゲームキャプテン・右CTB/センター齊藤誉哉・文4=桐生一）。

前半38分、明大は巧みなパスでボールをつなぎ、敵陣ゴール前近くまでゲインし、齊藤がグラウンディング。ゲームキャプテンの意地を見せた。「（森山）雄太がゲインしてくれて、相手をオーバーラップすることができた」（齊藤）。

前半終了間際にもマイボールスクラムから、左サイドにいた伊藤耕がインゴールにダイブ。「あまり点差もなく、前半最後のプレーで決められて良かった」（伊藤耕）。筑波大に7点をリードし、後半を迎える。

後半は自陣で筑波大の果敢なプレーが続き、なかなか敵陣に入ることができない。「キッキングゲームでエリア取りがうまい」（左PR/プロップ中村公星・情コミ4＝国学院栃木）。後半12分には筑波大の粘りでトライを奪われ同点に追い付かれてしまう。

それでも後半17分、伊藤耕が筑波大のディフェンスを突破し、FB（フルバック）安田昂平（商2＝御所実）が豪快なトライを挙げる。「チームが結構ミスが続いた時にトライが取れたので良かった」（安田）。その後、明大にチャンスがやってくるもつかみきれず、粘りの時間を刻む。

後半37分、ゴール中央のラックからSH（スクラムハーフ）萩原周（商3＝大阪桐蔭）が持ち出し、最後は途中出場の石田吉平主将（文4＝常翔学園）がグランディング。明大は最後まで気を抜かず、初戦を勝利で飾った。「開幕戦を勝ち切れたことは良かった」（齊藤）。

POMに選ばれた伊藤耕

際立ったプレーを見せた伊藤耕が今試合のPOM（プレイヤー・オブ・ザ・マッチ）に選出された。試合を通して、BK（バックス）陣の活躍が目立ったが、ミスも多く課題が見つかる試合でもあった。「心強いBK陣に助けられた」（中村）。

筑波大のスローガンでもある「バチバチ」としたプレーに苦しまれるも、明大のチーム力で乗り越えた。「チームに点数を付けると、40点。残りの60点はやはりミスが多い、トライを取り切れないところ」（石田）。対抗戦優勝に向け、今後も進化を遂げていく明大。次戦は日本体育大学戦。スローガン「AHead」のように課題を修正し、前に突き進むのみだ。

文：井垣友希／写真：宇野萌香（明大スポーツ新聞部）