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ラグビー コラム 2022年9月11日

【ハイライト動画あり】流通経済大が関東学院大に大勝で好発進。ラグビー関東大学リーグ戦開幕戦レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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関東学院-流通経済戦

昨年のリーグ戦の順位は4位と5位。上位3校に与えられる大学選手権への出場権を手にするため、また今シーズンの戦いにはずみをつけるためにも、両校にとってなんとしても勝利がほしいゲームとなった関東大学リーグ戦のオープニングマッチは、一方的なスコアでの決着に終わった。

緊張感ある攻防に硬さゆえのエラーが混じる開幕戦らしい立ち上がりの中、先に得点を挙げたのは流通経済大だった。12分、スクラムでのペナルティ奪取から相手陣ゴール前でマイボールラインアウトのチャンスを得ると、192cmのNO8神田康生がクリーンキャッチしモールを形成。そのまま悠々と押し切って5点を先制する。

関東学院-流通経済戦

関東学院大も続くキックオフから好タックルで反則を誘い、タッチに蹴り出して敵陣ゴール前へ。FWで粘り強く近場を攻め、ディフェンスの視線を内側へ寄せたところで、鋭く縦に切れ込んだCTB松元陸がポスト下に飛び込む。コンバージョン成功で7-5と逆転した。

関東学院-流通経済戦

しかし流通経済大はここからがたくましかった。22分、ラインアウトモールでゴールラインに迫ると、密集脇に走り込んだCTB土居大吾主将がディフェンダーの間をすり抜けて左中間にグラウンディング。12-7とふたたび先行する。

その後はしばらく膠着した状況が続いたが、流通経済大は36分に中盤左でマイボールラインアウトの機会をつかむと、今度はすぐにBKへ展開。ラックから順目へテンポよくボールを動かしてCTB土居が抜け出し、フリーでパスを受けたCTBリクアタ・テアウパがインゴールへ駆け抜ける。

さらに前半終了間際には、自陣での相手ディフェンスライン裏へのグラバーキックをCTBテアウパが見事にキャッチし、CTB土居→FB谷惇平とつないで独走。24-7とリードを広げてハーフタイムを迎えた。

後半も先にスコアを刻んだのは流通経済大だった。44分、またもゴール前ラインアウトからFW勝負を挑み、最後はLOブレンドン・ネルがラックサイドをねじ込んで右中間に押さえる。これで完全にペースを握ると、48分にはCTB土居のビッグタックルによるターンオーバーからWTB堀井雄登がカウンターランで約50mを走り切り、一気に関東学院大を突き放しにかかる。

ラグビー 関東大学リーグ戦2022

【ハイライト動画】関東学院大学 vs. 流通経済大学

以降はセットプレーの優位性をベースに流通経済大が攻守にプレッシャーをかけ、がっちりとゲームの主導権を掌握。54分CTB土居、62分HO作田駿介、さらに66分にはCTB土居がこの日3本目のトライをマークする。終わってみれば9トライを挙げる猛攻で55-14の完勝を収め、シーズン開幕戦で好スタートを切った。

流通経済大の快勝の要因は、終始優勢を保ったセットピースと、そこからのパワフルなアタックだ。特にラインアウトモールの推進力は強烈で、敵陣に攻め込めばスコアできるという手応えを開始早々につかめたことが、安定した試合運びを呼んだ。BKにも土居主将、テアウパのCTB陣を筆頭に走力あるランナーが多く、縦横にボールをつないでたたみかける攻撃は確かな可能性を感じさせた。

何よりシーズンの初戦で近い順位の相手から白星を挙げられたことは、チームにとって大きい意味があるだろう。これで選手たちは地に足がついた状態で、より大胆にチャレンジできるようになるはず。大東文化大(9月25日)、日本大(10月2日)、東海大(10月16日)と、昨季の上位勢との対戦が続くこの先のスケジュールが楽しみになる一戦だった。

関東学院大は序盤の20分こそ互角の戦いを見せたものの、スクラムの劣勢からペナルティが重なり、自陣でディフェンスする時間が増えたことが大きな敗因となった。マイボールで圧力を受け、思うようにアタックを仕掛けられないシーンもたびたびあっただけに、ここは立て直しを急ぎたいところだ。いかに敵陣でゲームを進め、アタックの機会を増やしていくかが、今後の戦いのキーポイントになるだろう。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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