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別府合宿で汗を流すワーナー・ディアンズ(左)と小瀧尚弘
2023年ワールドカップに向けて、成長と活躍が期待されている2人のLO(ロック)がいる。1人は20歳とチーム最年少のワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)と、もう1人は昨秋、久しぶりに代表復帰を果たした30歳の小瀧尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ)だ。9月5日に本格的に秋の日本代表合宿が始まって3日目、2人のLOがオンライン会見に応じた。
合宿初日から52名を3チームに分けて、厳しいトレーニングをしていることに対して、ディアンズは「始まりからきつかった。チームをよくするために僕も頑張る。(3チームに)分かれてもみんな代表。ジャパンがもっと良くなってほしい」と前を向いた。
オンライン会見に出席したワーナー・ディアンズ
7月にはフランス代表とのテストマッチを経験した伸び盛りのディアンズ。「自分の身長を活かしてラインアウト、キックオフといった空中戦で勝ち、自分の身体を使ってフィジカルバトル勝つことにフォーカスしています。課題は試合の中で、キャリー、タックルも何回もあったが、回数を上げるワークレイト、オフザボールの動きを速くしないといけない」。
ニュージーランド出身のディアンズにとって、10月29日(土)には母国オールブラックスとのテストマッチも控えているが「対戦相手としてはまだ考えていない。最初のオーストラリアA代表戦に出られるようにがんばっています。3つのオーストラリアA代表との試合に出て、いいパフォーマンスできたら、オールブラックス戦に出て、欧州ツアーに行けたら」と話すにとどめた。
9月8日は2023年ワールドカップ開幕までちょうど1年。3年前は流通経済大学柏高校の3年だった。「オールブラックス戦やいろんな試合を見に行った。日本代表vs.アイルランド代表は、お父さんと2人で、家で見て盛り上がった。すごいなと思っていたが、今は対戦相手になる選手ばかり。ちょっと変な感じです」と正直な感想を述べた。
高校生当時は「できたらいいなと思っていたが、こう(日本代表に選ばれてテストマッチを戦っているように)なっているとは思っていなかった」という。ただ、「勉強が得意じゃないし、自分のラグビーキャリアのこともあるので」と大学進学は考えておらず、高校卒業後は、同じニュージーランド出身のFL(フランカー)リーチマイケルも所属するリーグワンの東芝ブレイブルーパス東京に加入する道を選んだ。
高校卒業し、リーグワンのレベルに慣れるまで「ギャップが一番大きかった。最初は大変だった」と振り返る。だが半年間、日本のトップレベルの選手たちと練習し、さらに昨秋には日本代表合宿にも参加して「身体も大きいからすぐ慣れました」。昨季のリーグワンでは東芝ブレイブルーパス東京の主力LOとして気を吐いてベスト4にも貢献した。
LOのポジションは「(4番でも5番でも)両方できます」と語気を強める最年少かつ、チーム最高身長のLOは、ワールドカップに向けて、成長のスピードをさらに加速させていく。
ベテランの小瀧尚弘
もう1人は昨秋、4年ぶりの代表キャップを得たLO小瀧だ。2019年ワールドカップもチャンスがあったが、「まだ若くて、そこまでジャパンに対してこだわりがなかった」という。ただ、2019年ワールドカップの日本代表の活躍を目の当たりにし、「うれしい反面、悔しかった。そこからもう一度、ジャパンを目指してがんばってきた」と話す。
昨季、東芝ブレイブルーパス東京から、コベルコ神戸スティーラーズへ移籍しプロ選手になったのも「自分が成長したい、変わりたい」という理由からだった。ただ、4月に負傷した腕のケガの影響もあり、春シーズンは日本代表にも、NDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)にも呼ばれなかった。
しかし、「少し落ち込んだが、もう1度、リーグワンで頑張ろう」と思っていた矢先、日本代表候補メンバーが発表される数日前に吉報が届いたという。「チャンスをいただいたので、今、燃えている。自分がアピールできる成長の場をいただいたので精一杯、がんばりたい」。
現在、日本代表は3チーム制で合宿を行っている。小瀧は「主力の選手がケガをして出ているので、アピールする場があることがうれしい。もちろん、ミスをしてもそれを取り返すチャンスもあると思うので、たくさんプレーできて、今はうれしいですね」と前向きに捉えている。
10歳下のライバルであるディアンズに関して聞くと、小瀧は「身長もありますし、身体も強い。素晴らしい選手なので意識はします」と正直に話した。また、CTB(センター)中村亮土は鹿児島実業高校、そして帝京大学の1つ上の先輩だ。「同じ高校、大学なので、ワールドカップに一緒に出たい気持ちはあります。昨秋、日本代表に呼ばれたときはコミュニケーションしていただき、このときはこうしてと教えていただきました」。
9月8日は2023年ワールドカップ開幕1年前にあたる。小瀧は「本当にワールドカップに出られるのであればすごく名誉なこと。それに向けて選ばれるために日々、頑張りたい。僕は派手なことはできないので、ただ、ひたむきに真面目にやり続けたい」と語気を強めた。
ラグビー日本代表は今秋、オールブラックス戦(10月29日)、イングランド代表(11月12日)、フランス代表(11月20日)と大きなテストマッチを控えている。ただ、その前に10月にオーストラリアA代表と3試合が組まれており、まずはこの3試合のメンバーに選ばれて活躍することが欠かせない。
LOのポジションは2019年大会の主力のジェームス・ムーア(浦安D-Rocks)ら、数人はケガのため呼ばれておらず、サナイラ・ワクァ(近鉄ライナーズ)と、ヴィンピー・ファンデルヴァルト(浦安D-Rocks)は合宿に参加はしているが、復帰まで時間がかかる見込みだ。ディアンズ、小瀧の2人はまずはオーストラリアA代表戦のメンバーに選ばれて大きくアピールしたいところだ。
文/写真:斉藤健仁
◆JAPAN XV vs. オーストラリアA代表
・第1戦:10月01日(土)19:00 秩父宮ラグビー場(東京)
・第2戦:10月08日(土)14:00 ベスト電器スタジアム(福岡)
・第3戦:10月14日(金)18:30 ヨドコウ桜スタジアム(大阪)
◆日本代表テストマッチ
・10月29日(土)vs. ニュージーランド 国立競技場(東京)
・11月12日(土)vs. イングランド トゥイッケナム(ロンドン)
・11月20日(日)vs. フランス スタジアム・ド・トゥールーズ(トゥールーズ)
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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