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藤井雄一郎NTD(左)、ジェイミー・ジョセフHC
2023年のワールドカップまで1年あまりとなった9月2日(金)、ラグビー日本代表が会見を開き、秋のテストマッチシリーズに出場する日本代表候補52名(FW/フォワード28名、BK/バックス24名)を発表した。登壇したのは藤井雄一郎NTD(ナショナルチームディレクター)、そしてジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)の2人だ。
まず、藤井NTDは「春も何試合か試合がしっかりできて、若い選手もプレーすることができた。今度、オーストラリアAと3戦、またオールブラックス、欧州遠征でイングランド代表とフランス代表と、強豪チームとの対戦が続きます。しっかり、いい経験を積んでワールドカップに備えたい」と話した。
ジョセフHCは6月、7月のシリーズの4試合に関しては「フランス代表に2敗し、最終的に自分たちは十分な力を発揮できなかったし、現在の自分たちの状況を正しく反映したものだと思います」。
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
「フランス代表との2試合目は勝つために本当に良い位置につけていたが、後半詰め切れなかった。だから10月から11月にかけて行われるテストマッチに向けて、そのような点を強化していきたい」と振り返った。
さらにケガや病気で選手が抜けた代わりに、新しい選手がアピールしたことは大いに評価した。「SO(スタンドオフ)李承信は21歳の若者ですが、これまでテストマッチに出たことがないのに、フランス代表戦で突然出場することになりました」。
「それからSH(スクラムハーフ)齋藤直人は流大の後ろにいて、あまり試合に出るチャンスがなかったが、非常に強力なパフォーマンスを発揮し、チームにとって良い状況を作り出してくれました」。
「LO(ロック)ワーナー・ディアンズはまだ20歳ですが、身長の大きな選手で、懸念されるLOのポジションの厚みを作り出してくれましたし、今後も期待されます。それからFL(フランカー)ベン・ガンターは、日本に来た時は、まだ19歳やそこらだったかと思いますが、今でもまだまだ若いですし、日本に来て大きな成長を遂げました。
こうした選手たちは、それぞれポジションで潜在能力を発揮していると思いますし、実際にハードなラグビーをさせることができれば、ワールドカップまで、間違いなくレベルアップすると思います」。
指揮官は、春は2チーム制で70名ほどのスコッドで動いていたが、秋のシリーズ向けて1チームで、52名の選手をピックアップした。
「コーチとして、まず必要なのは、より多くの選手を準備すること、テストマッチの準備をすることだと思います。(選手を選ぶときには)ティア1のテストマッチに出場した経験のある選手と、将来を見据えた新しい選手や若い選手をうまく組みあわさなければならない」。
(だから52名の)大所帯のチームということになります。宮崎・別府の合宿で52人の選手を準備することで、新たな視界が開けることになります」。
改めて、1チームで強化する意図を聞かれてジョセフHCは「どのようにゲームをプレーしたいのか、個々の選手がゲームプランの中で、どのような役割を果たすのかを理解させるには、少し時間がかかる。52人の選手で何試合も準備したことはないので、私たちにとって新しい試みです」と話した。
選手のサポートとして、クボタスピアーズ東京ベイ・船橋から田邊淳コーチに合宿に来てもらうことにしたという。「彼は素晴らしいコーチでサンウルブズ時代、ブラウニー(トニー・ブラウンコーチ)との相性がいいので、選手たちの育成をサポートし、またS&Cなど特別なコーチングリソースを提供してもらいます」。
ただ、52名の選手の中には現在ケガをしている選手もいるとのことで、「ケガ人がたくさんいます。残念なことですが、同時にこのチームは新たな機会を与えてくれます。新しい選手たちが入ってくることで、新たなチャンスが生まれる」と前向きに捉えた。
左からFB松島、SO松田、NO8姫野
SO(スタンドオフ)松田力也、FB(フルバック)セミシ・マシレワの2人はケガのために今秋のスコッドには入らず、今回、日本代表候補に入ったPR(プロップ)具智元、CTB(センター)中村亮土、WTB(ウイング)松島幸太朗、NO8(ナンバーエイト)姫野和樹もケガから完全復帰しておらず、ジョセフHCは「彼らを復帰させるときは慎重に行いたいし、完全に回復することを確認したい」と話した。
また、LOに関してはサナイラ・ワクァ、ヴィンピー・ファンデルヴァルトの2人は、合流まで3~4週間かかる予定だという。2019年ワールドカップに出場したジェームス・ムーアは現在ケガをしており、サウマキ アマナキや辻雄康も同様だという。
HO(フッカー)堀江翔太に関しては、今秋に関しては自ら代表を辞退したのこと。「日本代表LOのポジションの層の厚さはそれほどでもないし、残念なことで仕方がないですが、昨年プレーした小瀧が今回、ケガから復帰しスコッドに入りました。彼は昨年、ヨーロッパで非常に良いプレーをしてくれたし、経験も豊富です」(ジョセフHC)。
キャプテンは春シーズンに続いてHO坂手淳史が務める。ジョセフHCは「(春シーズン)彼は素晴らしい仕事をしました。彼はいつも良いリーダーでした。ここ3~4年は常にリーダーグループに属していましたが、彼は本当にチームのキャプテンとしてステップアップしましたし、今後は彼がキャプテンを務めることになるでしょう」。
「彼は傑出した存在で、選手たちのお手本になってくれました。彼は本当に素早くチームをまとめ上げていました。彼は頭がよくて、チームや選手のことをよく理解しています」と高く評価した。
この後、日本代表は10月のオーストラリアAとの3試合の前に、ケガ人の回復状況によるが、40人くらいに絞る予定だ。
ジョセフHCは「強度の高いラグビーのために、選手を準備するためのスーパーラグビーがない。この3試合の後、オールブラックスと対戦し、その後、イングランド代表と対戦。さらにフランス代表と対戦するのですが、この3チームは世界でもトップクラスのチームです」。
「試合を犠牲にして、みんなにプレーする機会を与えることができるチームだとは思っていない。だから選手たちはこれから3週間、自分たちのポテンシャルをパフォーマンスにつなげられることを示さなければならない」と語気を強めた。
日本代表候補選手52名は、9月4日から大分・別府で合宿をスタートして、まずは10月1日のオーストラリアA代表戦に備える。
【2022年秋シーズン日本代表候補52名】
※(所属チーム/キャップ数)
◆PR
淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ/1)
稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/42)
ヴァルアサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ/23)
海士広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/1)
木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ/5)
クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6)
具智元(コベルコ神戸スティーラーズ/18)
三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/9)
◆HO
坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/30)◎主将
橋本大吾(東芝ブレイブルーパス東京/3)
日野剛志(静岡ブルーレヴズ/5)
堀越康介(東京サントリーサンゴリアス/5)
◆LO
秋山大地(トヨタヴェルブリッツ/1)
飯野晃司(東京サントリーサンゴリアス/1)
ヴィンピー・ファンデルヴァルト(浦安D-Rocks/20)
大戸裕矢(静岡ブルーレヴズ/5)
小瀧尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ/11)
サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/2)
ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/9)
ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/4)
◆FL
下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/0)
布巻峻介(埼玉パナソニックワイルドナイツ/7)
ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/13)
古川聖人(トヨタヴェルブリッツ/3)
ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/5)
リーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京/75)
◆NO8
姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ22)
ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/4)
◆SH
茂野海人(トヨタヴェルブリッツ/16)
小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス/8)
高橋敏也(リコーブラックラムズ東京/0)
流大(東京サントリーサンゴリアス/27)
◆SO
田村優(横浜キヤノンイーグルス/70)
中尾隼太(東芝ブレイブルーパス東京/0)
山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/4)
李承信(コベルコ神戸スティーラーズ/3)
◆CTB
梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス/2)
シェーン・ゲイツ(浦安D-Rocks/4)
中野将伍(東京サントリーサンゴリアス/5)
中村亮土(東京サントリーサンゴリアス/30)
ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/7)
ラファエレティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ/28)
◆WTB
高橋汰地(トヨタヴェルブリッツ/1)
ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/0)
ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/3)
シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ/9)
根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/1)
松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス/44)
◆FB
野口竜司(埼玉パナソニックワイルドナイツ/14)
メイン平(リコーブラックラムズ東京/1)
山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ/24)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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