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ラグビー コラム 2022年8月29日

サクラフィフティーン、「自信と努力に結果がついてきた」。女子ラグビーワールドカップ を前に国内4試合の総括会見

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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サクラフィフティーン、40名の選手が登壇

8月29日(月)、「サクラフィフティーン」こと、女子15人制ラグビー日本代表が7月から8月にかけて行われた「太陽生命 JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022」4試合の総括と、10月にニュージーランドで行われるワールドカップに向けて記者会見を開いた。

女子日本代表ナショナルTD(チームディレクター)の浅見敬子氏、レスリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)、キャプテンのPR(プロップ)南早紀ら40名の選手たちも登壇した。

浅見 女子日本代表ナショナルTD

まず、浅見TDが冒頭、「先月と今月、南アフリカ代表とアイルランド代表と4戦戦うことができ、選手たちはよく頑張りました。土田雅人会長からも激励をいただき、ワールドラグビーの皆様からも素晴らしかったとコメントをいただきました」。

「9月24日にブラックファーンズ(女子ニュージーランド代表)と対戦しますが、胸を借りるというより、ワールドカップで結果を残すために前哨戦として戦って参ります」と話した。

40名の選手たちは本日、いったん解散して、9月10日から菅平で合宿を行う。現在の日本代表メンバー40人から、ニュージーランド遠征に参加する、つまりワールドカップスコッド32名と、プラス何人かが参加する。

そして、15日にニュージーランドに向けて出発して、ワールドカップ本番に備える。遠征メンバーは32名だが、もしケガ人が出た場合は残りの8名から補充するという。

レスリー・マッケンジーHC

続いて、2019年1月に就任したマッケンジーHCは「3年半、サクラフィフティーンと一緒に過ごしてきましたが当時を考えると、アイルランド代表戦で勝利をもたらした今を光栄に思います。この数年の間、コロナ禍もありましたが、また試合ができるようになり、厳しい結果もありましたが、ここまで学びもありました。これからまだまだ成長できると思います」。

「ニュージーランドに向かうのは32名ですが、今ここに土曜日の素晴らしい試合の結果に貢献した40名がいます。私はこれまで80名ほど招集してきましたが、全員の貢献があって、今の位置にいると思います。80名がいたからサクラフィフティーンが強化され、若い女性の興味や情熱が伸びたと思います」。

「ジャパンにはジャパンらしくプレーしてほしい。プレッシャーの中、チャレンジし続ける姿勢を持てば、ニュージーランド戦、ワールドカップのプール戦も戦い抜けると思っています。人々には日本のように戦いたいと思ってほしいし、選手たちにもジャパンらしく戦ってほしい。選手全員のパフォーマンスに感謝しています」と挨拶した。

南早紀キャプテン

南主将は「国内テストマッチ4試合を経て、勝利、敗戦を繰り返し自分たちが改めて成長できたことを実感しています。先日のアイルランドの(1試合目の)敗戦から自分たちを一から見直し、ベクトルを自分たちに向けて修正できました」。

「(2試合目では)キャップ授与式という歴史的な日に、歴史的な勝利ができた。ここにいる40人全員の勝利だと思います。ワールドカップでは今まで積み上げてきたものをもとに、大きなウェーブを起こせるように頑張ります」と語気を強めた。

2017年までサクラフィフティーンを指導してきた浅見TDは、2019年にマッケンジーHCが就任してから現在まで「(女子ラグビーが)オリンピック競技になり競技人口は増えているが、強化という部分で選手層を厚くすることができたのはレスリーさんがキーだった」と語った。

そして、「2017年ワールドカップは各国と比べると平均身長で10cm、平均体重で10kg少なかった。フロントローはジャパンが一番軽かった。今回のアイルランド戦を見ると、身長は日本人の平均身長がそこまで伸びることはないが、まず重さは世界とだいぶ近づいてきた。レスリーHCが選手層を厚くしようと、2019年からオンラインセッションも含めて約270日、27回合宿を行ってきた」。

「テストマッチも14回、海外遠征も4回行った。また、彼女がいろんな試合を見に行って、いろんな選手ピックアップして、ポジションや見極めも含めて、育てていく視点で強化し、選手が強くなってきて、実際にケガ人も少なくなった。ここまで成長したのはレスリーのプランニングの下、強化していったから」と振り返った。

ラグビー女子日本代表テストマッチ2022

【ハイライト動画】日本 vs. アイルランド(8月27日)

レスリーHCも指導してきた3年半に関して、「コンタクトスポーツなのでいかに効果的になれるか。もっとサイズを大きくして、ケガをしない身体作りをしないといけなかった。背は伸びないが、低く重みのあるコンタクト、スクラムができるチームとして成長したと思います」。

「あとはプレッシャーの下で、選手のスキルをいかに発揮できるか。そこをどんどん伸ばしていって、スキルも洗練されてスピードのあるエキサイティングなラグビーを見せられるようになった」と選手たちの成長に目を細めた。

ワールドカップでの目標はベスト8以上だ。レスリーHCは「スコッド全体が、何か挑戦することに勇敢に立ち向かえるようになった。タスクが大きかったとしても、置かれた環境でチャレンジして立ち向かい、仲間同士で教え合うことができている。結果、勝敗ももちろん大事ですが、目の前のチャレンジに全員で勇敢に飛び込むことができるチームをワールドカップに連れていきたい」と話した。

10月のワールドカップに挑むサクラフィフティーン

また、2度目のワールドカップ出場となる南主将は「レスリーHCの母国・カナダ代表とワールドカップの初戦で戦えることに運命的なものを感じます。レスリーHCにとって特別なものになるし、私たちも初戦に向けてよりよい準備をしていきたい」。

「2017年ワールドカップでは1勝に終わり、なかなか思うような結果がついてこなかったが、今はテストマッチの数も増えて強化も進み、合宿もたくさん積み重ねた。自分たちの努力に対する自信もありますし、自信と努力に結果がついてくると思っています」とまっすぐ前を向いた。

9月上旬にはいよいよワールドカップスコッド32名が発表される予定だ。7月の釜石合宿から、「ワールドカップまで進化する」(南主将)という言葉をテーマに強化を積み重ねてきたサクラフィフティーン。夏の4試合の経験、反省を踏まえて、ここからW杯本番までさらに進化の速度を上げていく。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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