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ボールキャリーする福西隼杜共同主将
夏の風が心地よく吹き付ける菅平高原。8月23日(火)にサニアパークにて昨年の大学選手権でわずか1点差の激戦を繰り広げた京都産業大学と日本大学が顔を合わせた。
8ヶ月ぶりの戦いは日大のキックオフから。熊谷の冬以来の戦いが幕を開けた。
開始早々、会場を湧かせたのはこの春に爆発的なパワーでトライを量産してきたWTB(ウィング)シオネ・ポルテレ(目黒学院・1)だ。セットプレーから相手ディフェンスに対し内側から抜け出すと、そのまま約25mを走り抜けトライ。春から取り組んできた「出だし」を完璧に決めてみせた。
その後も京産大は手を緩めることはなかった。前半8分にはLO(ロック)アサエリ・ラウシー(日本航空石川・4)がタックルを受けながらも前進しトライ。留学生の実力を目の当たりにした序盤となる。
だが、日大も黙ってはいない。「目には目を、歯には歯を」の如く、彼ら2人に対抗し留学生が激走。タッチライン際を走られトライを許す。ボールを持ったら次々とパスが繋がり、一瞬にして自陣に攻め込んでくる日大。
それでも簡単に得点を与えないのがこの日の京産大だった。戻りの早いディフェンスと、低く矢のように突き刺さるタックルで相手を何度もせきとめ、セットプレーへ持ち込み得点を奪う。
12分にはWTB奈須貴大(光泉カトリック・1)に変わった竹下拓己(東福岡・4)のランプレーでトライ、31分にはSH(スクラムハーフ)西川敢太(西陵・4)のトライで前半を35-12で折り返す。
ゴールラインに迫るフナキ・ソロモネ
後半は京産大のモールトライでギアが上がると、その後も前半と同じスタイルで次々と得点を重ねていった。常にチームは献身的なプレーで貢献するLOフナキ・ソロモネ(目黒学院・2)とSH西川の負傷交代で入った西村建哉(京都成章・2)が2本ずつトライを決める。
しかし、一度ボールが渡ると中々途切れない日大の攻撃は前半に増して怖さがあった。京産大が前に出るディフェンスでプレッシャーをかけたり、複数人でタックルへ行き相手のラインを乱しても、オフロードパスが繋がり攻撃を中々止められない。試合のテンポは下がることを知らず、激しさだけが増していく。両チームは体力をかなり削りながらの試合になった。
やってきた試合終了の合図。終わってみるとスコアは68-26と京産大が大きく点差をつけていた。トライ数は京産大が10で日大が4。しかし、見る側としては80分間互角の勝負に感じられた。
試合を振り返って、FL(フランカー)福西隼杜共同主将(報徳学園・4)は修正点を見出しながらも「早いセットから思い切り前に出てラインスピード上げるというディフェンスをしていて、春の関西ではあまりできなかったので、今回の合宿初戦としてそれができたのでよかった」と語った。その言葉通り、この試合の鍵となったのはディフェンスにあると言えるだろう。
また、廣瀬佳司監督は「テスト期間があって、その後にコロナの陽性者が出て、あまり練習が出来ないまま菅平に上がって来たので、今日はどういうパフォーマンスしてくれるのか不安だったが、みんなよく動けていて非常に満足しています」と選手らを称えた。
8月25日(木)には早稲田大学と試合が予定されている。菅平で行われる関東勢との試合に全勝を意気込む進化した京産大ラグビーに期待せずにはいられない。
文:大谷賢之介/写真:藤田芽生(京産大アスレチック)
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