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アイルランドとの第2戦に挑むサクラフィフティーン
8月27日(土)、「サクラフィフティーン」こと、女子15人制ラグビー日本代表は、東京・秩父宮ラグビー場でアイルランド代表との2戦目を迎える。
20日(土)の1戦目は22-57で敗戦してしまったが、10月に開幕するワールドカップに向け、国内最終戦での勝利のために東京・府中で練習を重ねている。そんなサクラフィフティーンが23日(火)の午後、練習をメディアやファンに公開した。
午前中は試合に出ていた選手の何人かは、コンディションの回復に注力していたようだが、午後は全員が参加しキックオフからの動きの確認や、FW(フォワード)はスクラム、BK(バックス)はオフロードパス、さらにコンタクトスーツをつけてのタックルなど、約1時間半の練習に精を出していた。
FB松田凛日
府中での練習ということで府中市出身のCTB(センター)/FB(フルバック)松田凛日は「すごくうれしいです!ずっと育ってきた府中市で代表合宿ができるのはうれしい気持ちです」と頬を緩めた。
7月からの3戦は腰痛のためメンバー入りできなかった『海外組』の1人PR(プロップ)加藤幸子も元気な姿を見せていた。「久しぶりに日本で試合ができてうれしいです。コンタクトの練習に入ったのは(8月の)釜石の合宿からです。コンディションは万全です」。
SO/CTB山本実
22日(月)には全体ミーティングをしたという中、SO(スタンドオフ)/CTB(センター)山本実は「全員で一致団結して、次の試合に臨みたいと、みんなで意志を固めました。すごく辛いことであったけど、しっかり前を向いてがんばろうとチーム全員で話し合ったので、今は(メンタル的に)落ちずに頑張っています」と笑顔を見せた。
アイルランド代表との1戦目、課題として挙がったのはペナルティの多さ、モールディフェンス、相手のセットプレーからのアタックに対するディフェンスなどだったという。
「モールの部分で改善するところがあったり、セットディフェンスで立ち位置がちょっと狭かったりした部分があったので、改善しようと話していました」(松田)。
ラグビー女子日本代表テストマッチ
【ハイライト動画】日本 vs. アイルランド(8月20日)ラグビー女子日本代表テストマッチ
「前回はボールキャリアに対して3人、4人で止めないといけない状況があったので、そこは役割を明確にして、2人以下で止めようというのは意識しています」(山本)。また、加藤は「ダブルタックルで、1人は下に入って、上の人がボールを殺しに行くという部分を徹底的にやっていきたい」と語った。
いずれにせよ、5月のオーストラリア代表戦、7月の南アフリカ代表戦に勝利した試合のように、ディフェンスで失点を少なくすることが勝利につながっていくはずだ。
27日(土)の試合ではどんなプレーをしたいかもたずねた。今回はCTBではなくFBでのプレーが濃厚な松田は「FBの方が楽しかったので、またやりたいと思いました。後ろでしっかりキックのケア、あとカウンターアタックが重要なので、そこをしっかりやっていきたい。常にスイッチオンして トライの嗅覚を出してチームに貢献できたら」と意気込んだ。
ゲームコントローラーであるSO/CTB山本は「前回はアタックが単調になってしまったので、ボールをもうちょっと動かしたい。また、自陣でペナルティをしてしまうと、タッチ、モール、トライとなってしまうので、いろんな蹴り方を使って敵陣に入っていきたい」と冷静に話した。
海外組のPR加藤幸子
イングランドでプレーしていたPR加藤は「体感的なフィジカルとかは経験しているので、そこはわかっています。チームとしてはディフェンスでボールに絡んで突き刺さっていかないといけない。個人としてはコンタクトの場面で前に出たい!」と語気を強めた。
また、今回は2016年5月の香港代表戦以来の秩父宮ラグビー場での試合となる。
小さい頃は父(元日本代表の松田努氏)の試合を見るために来場し「ずっと鬼ごっこをしていた」という松田は「いつかは出られたらいいと思っていました。多くの人が見に来てくれたらいいな」と言えば、山本は「家族、 スクールや高校時代の友達、コーチとかも見に来てくれると思います。しっかり勝って終わらせたい」と前を向いた。
モールの練習に取り組むサクラフィフティーン
最後に改めて試合に対する意気込みを聞いた。「日本はたぶん、4年前、5年前と比べてコンタクトレベルがすごく上がっているので、コンタクト場面での激しいプレーとか、日本らしいひたむきなプレーを見てもらいたい」(加藤)。
「いろんなシチュエーションをしっかり経験して、ワールドカップに向けてしっかり修正できる収穫のある試合にしていきたい」(松田)、
「日本の皆さんの前でプレーする最後の機会なので、自分たちの持っているベストパフォーマンスを出して、しっかり勝って応援してくださる方に良い結果を届けたい」(山本)。
スクラムを指導するレスリー・マッケンジーHC
アイルランド代表との1戦目は大量失点で敗戦したサクラフィフティーン。試合に出る23人、いや合宿に参加している40人で一致団結し、再び武器としているディフェンスを強みとして、ワールドカップ前の国内最終戦を勝利で飾ることができるか。チームとしての芯の強さ、レジリエンスが問われる戦いになろう。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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