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ラグビー コラム 2022年8月19日

大学日本一を占うこの夏注目の一戦 王者・帝京大に王座奪還を期す早大が挑む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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早稲田大学 vs. 帝京大学

今季の大学ラグビーも混戦模様。昨季の大学選手権で4シーズンぶりに頂点にたった帝京大を軸に僅差勝負相次ぐシーズンになりそうだ。帝京大は関東大学春季大会でもAグループで優勝。明治大には敗れたものの、試合を重ねるごとに調子をあげ、早大、東海大を下して昨季とそん色ない実力を披露した。

各大学がチーム力のピークに持ってくるのは、年末年始に行われる全国大学選手権だが、その準備段階である春季大会、夏合宿の練習試合を見ることで秋以降の公式戦がさらに楽しめる。帝京大と早大は6月5日、早大の上井草グラウンドで対戦し、帝京大が52-26で勝利した。立ち上がりは、SO守屋大誠(2年)のトライで早大が先制したが、帝京大は、SO高本幹也(4年)を中心にボールをテンポよく展開し、CTB二村莞司(4年)がトライを返すと、WTBミティエリ・ツイナカウヴァドラ(4年)が早大のタックルを振りほどいて何度も突進し、一気に流れをつかんだ。

その後も帝京大はFL奥井章仁(3年)ら突破力ある選手が縦にディフェンスを切り裂き、スピードあるWTB高本とむ(3年)他の選手が次々にトライ。早大もCTB吉村紘(4年)らがトライを返したが、帝京大は後半に大学屈指のHOである江良颯(3年)が登場し、2トライをあげるなど硬軟織り交ぜた攻撃で8トライを奪った。早大はシンプルなタックルミスも多かった。この夏、早大のディフェンスはどこまで帝京大の攻撃を止めることができるのか。注目点の一つだろう。

メンバーは本稿執筆時点で明らかではないが、両チームとも各ポジションに大学屈指の才能がいる。早大はNO8からHOにポジションチェンジして注目される佐藤健次(2年)、突進力あるFL村田陣悟(3年)、1年生から的確な状況判断でチームを引っ張るSH宮尾昌典(2年)、世代屈指のSO伊藤大祐(3年)、決定力あるWTB槇瑛人(4年)らチームを支えてきた選手が健在。ここにスーパールーキーのCTB野中健吾(東海大大阪仰星)が加わり、6月の帝京大戦でも1年生で唯一先発して落ち着いたプレーでチャンスを作っていた。ラグビー理解度の高いプレーは必見だ。

帝京大も、既述の選手に加えて、FWの核として体を張って突進するLO本橋拓馬(2年)、江里口真弘(4年)、将来期待の大器であるFL青木恵斗(2年)、1年生から活躍するSH李錦寿(2年)、ランニングスキルの高いFB谷中樹平(4年)ら優勝メンバーが残り、WTB/FB神田陸斗(常翔学園)、SO河村ノエル(大阪桐蔭)ら期待のルーキーもいる。両チームともに夏に頭角を現してくる選手もいるはずで、新たなスターの誕生にも期待が膨らむ。

菅平高原の夏の練習試合はこれから注目カードが次々に行われる。明治大対天理大、東海大対同志社大、明治大対帝京大、早大対京産大など大学選手権に向かって見逃せない試合が続く。J SPORTSオンデマンドでは、夏合宿での戦いを計12試合LIVE配信、注目の4試合は実況解説付きで生中継・LIVE配信予定だ。早大対帝京大はその最初の試合になる。春のスコアは、52-26。今季第2ラウンドは、どんな展開が待っているのだろう。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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