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『私達を見てラグビーをしたいと思う女の子達が増えたら良いな』 大西将太郎のラグビー語ルシス「女子ラグビー日本代表特集」~鈴木実沙紀選手編~
ラグビーレポート by J SPORTS 編集部
大西将太郎のラグビー語ルシスは、あなたのラグビーに関するモヤモヤを解消! 移籍情報や試合のみどころ、注目選手などのラグビー情報 を不定期でお届けするッス!
今回はスペシャルバージョン「女子ラグビー日本代表特集」と題して、ワールドカップを間近に控える女子ラグビー代表選手たちを深堀り!第1回はJ SPORTS「ラグビーわんだほー!」でもお馴染みの鈴木実沙紀選手をお迎えしてお話をお聞きしました!
ナビゲーター:大西将太郎 ゲスト:鈴木 実沙紀
──ワールドカップが近づいて来たという事で、「女子ラグビーをもっと盛り上げて行きたい!」と思い、今回は鈴木選手にゲストに来て頂きました。
鈴木「よろしくお願いします!」
──鈴木選手はどうやってラグビーというスポーツに出会ったんですか?
鈴木「出会いは小学校の授業でタグラグビーの授業があって。私は横浜市出身なんですけど、横浜市ではタグラグビーの授業がすごく人気なんですよね。タグラグビーの大会も多くあって。そこで楕円球に触れてハマって行ったのが最初ですね。」
──その他には何かスポーツはされていたんですか?
鈴木「中学校1年生までは新体操をしていました。今でも多少は身体が柔らかいので、怪我が防げたりしています。プレー中もみんな的には『危ない!』という場面でも私は意外と立ち上がれたりして。可動域が広いので怪我をしにくいのかなと思っています。」
──ラグビー一本に絞ろうと思ったきっかけはありますか?
鈴木「中学生の時にタグラグビーのチームに入って、月1くらいでのんびりとやっていたのですが、そこで関東ユースに選んで頂きました。ただ、タグラグビーはコンタクトが無いので、そういう場面でFWとして悔しい思いをする事が多くなって。それで、思い切って高校に上がるときに男子のラグビー部に入ったのがきっかけですね。」
──市立船橋高校ですよね?「女子の選手も男子に混ざって入って良いよ」と学校側が言ってくれたって事ですか?
鈴木「元々ユースの1個上と2個上の先輩が市船の男子ラグビー部に入って練習をしていて。それで、『もし進学先で男子のラグビー部に入りたかったら市船は凄く良いよ』って言って下さって、『ちょっと見学に行きます』って言ったんですけど、実際に見たらすぐに『ここに行きたいな』となりました。」
ラグビー女子日本代表 鈴木実沙紀 選手インタビュー
大西将太郎のラグビー語ルシス
──そこからラグビーにのめり込んで行ったんですね。何か自分でも性格に合っていたとか、ハマった理由はありますか?
鈴木「中学生の時、新体操かタグラグビーかを選ぶときに思っていた事があったんですけど、
新体操は採点競技で、色んな方に採点をして頂くという感じで、ラグビーは皆で自分の強みを生かして点を取りに行く競技なんだなと。そこが自分にとっては凄く新鮮で面白くて、それが一番最初にラグビーって良いなぁと思った瞬間ですね。」
──日本代表が見えて来たのはいつ頃ですか?
鈴木「高校生の時に3か月間ニュージーランドに留学する機会があって、その時に日本代表はこういう海外のチームと、国を代表して戦っているんだという事を知って、カッコいいなと憧れました。そこから日本に帰って練習を続けて、18歳の時に7人制の代表に呼んで頂きました。その3か月後くらいには15人制の代表にも呼んで頂く事が出来ました。」
──7人制と15人制はどっちが合っていると思いますか?
鈴木「タグラグビーの要素で言うと7人制の方が似ていて楽しいんですけど、80分の中で試合の流れが沢山あるという点では15人制が面白いなと感じました。代表に呼ばれるまでは15人制をやる機会も無かったので、代表になってから面白さを知った感じですね。」
──最初からずっとFWだったんですか?
鈴木「ずっとFWですね。最初はFLだったんですけど、途中HOになったり、またFLに戻ったり。チーム状況によっては両方やったりします。この間の南アフリカ戦はフロントローの控えでHOで出ました。ただ、あの時はFLの(齊藤)聖奈がグラウンドに居て、聖奈のほうがスクラムが強いので、スクラムでは聖奈がHOとして組んでくれて、私がラインアウトを投げるという『フッカーシェア』をしていました。」
──そんなやり方もあるんですね。ちなみに、鈴木選手が尊敬したり目標にしている選手はいますか?男子でも女子でも大丈夫です!
鈴木「プレースタイルではやっぱり自分と同じポジションのフランカーを見る事が多いんですけど、静岡ブルーレヴズのクワッガ・スミス選手とか、埼玉パナソニック・ワイルドナイツのベン・ガンター選手はとても勉強になります。良い所でチームを救うプレーをしているので、映像を何度も巻き戻して見てしまいますね。ベン・ガンター選手とかは『ここで取り返せるんだ』というシーンが多くて、どういう風にブレイクダウンにアプローチをかけているかとか、ジャッカルの時のフットワークとか、結構何度も見ちゃいます(笑)」
──それがJ SPORTSで1人1人についているキャッチフレーズの「円熟味を増すブレイクダウンの女王」と言われる所以ですね。
鈴木「嬉しいですよね(笑)つけて下さったその名前に恥じないようなプレーをしたいなと思いますし、試合ではそういう部分を見て欲しいなとも思います。」
──ワールドカップは次に選出されたら2回目の出場になると思いますが、そこは目標にしていましたか?
鈴木「すごく目標にしていました。それと、チーム全体としても今回は意味のある大会で。前回は『ワールドカップの出場を掴む』というのがすごく大きくて、出場した上で自分達がどこまでチャレンジ出来るかという大会だったんですけど、今回は『出場した上で勝ち進んで行きたい』と思っていて、ベスト8やもっとその上という所をチームとしても個人としても目標に掲げています。なので、行く前の準備もそうですし、今回はコロナもあるので行ってからもイレギュラーな事が起こると思うんですけど、どんな事にも対応出来るような心と身体の準備をして勝ち進んで行きたいなと思います。」
──ありがとうございます。そして事前に書いて頂いたアンケートの中で気になったものがいくつか。最近中型バイクを購入されたとの事ですね。
鈴木「バイクは3~4年前からずっと乗りたいなと思っていたのですが、母からの許可が下りなくて。でも今年の年明けに話したら『気を付けて乗るなら良いんじゃない?』と言ってくれたので、その瞬間にすぐ免許を取りに行きました(笑)ただ、納車した時期がちょうど梅雨時期だったのでまだそこまで乗れていないんですけど、空き時間を見つけてちょこちょこ乗っています。公共交通機関を使わないで移動が出来るのが良いなと思って、1人でリフレッシュするのにちょうど良いなと思っています。」
──座右の銘は『試合で戦う時間は短い、自分と戦う時間が勝敗を分ける』と書いてますね。カッコいい。
鈴木「これは高校生ぐらいの時に聞いたバスケットボール選手の言葉なんですけど、私が凄く緊張するタイプで試合の前は後輩に笑われるぐらいガチガチに緊張してしまうんですよ。なので、『これだけしておけば大丈夫』というのをお守りとして持ちたいっていう気持ちがあって。そんな時にこの言葉と出会って、試合の前の準備段階に重きを置くところが『良いな』と思いました。」
──なるほど。では最後に、今度のワールドカップに向けての想いと、これからの女子ラグビー界への想いを聞かせて頂けますか。
鈴木「ワールドカップのような大きな大会で私達が勝つ姿を見せる事で、ラグビー以外でも何かに挑戦している人達の勇気になれるかもしれないと思っています。なので、まだまだ頑張らなきゃいけないんですけど、1個1個ステップを積み重ねて行って、良い結果を出して、女子ラグビーに興味を持ってくれる方が増えたら良いなと思っています。
そのためにはまず、試合を見に来て頂いた方に『楽しかった』と思って貰えるようにしたいですね。私達自身良いパフォーマンスをして、見に来て頂いた方が後悔の無いような、見に来てよかったと思える準備をして行きたいと思っています。もっと沢山の方に試合を見に来て頂きたいですね。」
──子供たちの中でも女子のラグビー人口が増えたら良いですよね。
鈴木「本当にそう思います。私が学生の頃は高校や大学に上がるタイミングでラグビーを続ける事を諦めてしまう女の子たちが多く居て。でも今は高校も大学もすごく環境が整って来ました。そして、ラグビーを続ける事で『こんなに良い世界が見えるんだ』というのを私達日本代表選手達がお見せしないといけないなと思っています。それがサクラを背負う責任だと思うので、これからラグビーを始める子や、今ラグビーをしている子の夢になって、今後に繋げて行きたいと思います。私達を見て『ラグビーをしたい』と思ってくれる女の子が増えたら良いですね。」
──ありがとうございます。皆さんが頑張っているのを知っているので、1人でも多くの方に女子のワールドカップがある事や、女子ラグビーの未来が明るいという事を知って貰いたいと思います!
鈴木「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします!」
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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