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ラグビー コラム 2022年7月21日

ワールドカップを3ヶ月後に控えたサクラフィフティーン、釜石で南アフリカと対戦。女子15人制ラグビー日本代表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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釜石鵜住居復興スタジアムでのサクラフィフティーン

7月10日(日)から岩手県・釜石で、10月にラグビーワールドカップを控える「サクラフィフティーン」こと、女子15人制ラグビー日本代表が合宿を行っている。24日(日)に南アフリカ代表戦を控える中、20日(水)に試合会場の釜石鵜住居復興スタジアムで練習を公開した。

合宿に選ばれた選手は52名。数名、コンディション不良で練習に参加していない選手もおり、約50名が参加した。当初は午前、午後のグラウンド練習をメディア、一般に公開する予定だったが、午前中は室内でウェイトトレーニングとなり、午後は4時からグラウンドで練習をした。

17日(日)も同様に公開日だったが、2チームに分かれて、20分×2本の強度の高い練習を行っており、オフを挟んで、日曜日のテストマッチに向けて再び、強度を上げていく中での練習だった。

ベリック・バーンズ コーチ

まず、試合の週ということで、春のオーストラリア遠征に続いてスポットコーチとして帯同するパナソニックワイルドナイツで活躍したベリック・バーンズ コーチらを中心にスクラム、ラインアウトといったセットプレーからのムーブメントを確認した。

スクラムを指導するレスリー・マッケンジーHC

その後はFW(フォワード)、BK(バックス)に分かれてユニット練習。FWはカナダ代表のHO(フッカー)だったレスリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)らがラインアウト、スクラムを熱心に指導していた。BKはアタックのムーブを何度も確認していた。

さらに全体練習で2チームに分かれてのアタック&ディフェンス。最後にフィットネスやラインアウトスロー、キックなど個人練習で終了となった。午前中がトレーニングだったこともあり、みっちりと3時間、5年ぶりの国内でのテストマッチに向けて精を出した。

LO玉井希絵

ラインアウトリーダーを務めるLO(ロック)玉井希絵は「釜石はすごく涼しく練習しやすいので、実力を確認しながらやれています。釜石のみなさまの前向きな姿勢が、明日を頑張るパワーになっているのでありがたいです」と充実した表情を見せた。

サクラフィフティーンは昨年8月も釜石で合宿をしており、玉井は「昨年来たとき、暖かい歓迎を受けました。恩返しがしたかったし、ただ合宿に来るだけでなく残すものがあれば」と発起人となって、4人ほどで合宿直前に根浜海岸の清掃や子ども向けのクリニックを行い、交流を深めている。

地元出身の平野恵里子

岩手県大槌町出身で釜石高校卒業のWTB(ウィング)平野恵里子は「いい状態で練習できています。昨年、(釜石で合宿できて)1つの夢が叶ったので、2回目の今回は自分にフォーカスしています」と話した。

SO山本実

春のオーストラリア遠征時はイングランドでプレーしていた、BKでは数少ない前回ワールドカップ経験者のSO(スタンドオフ)山本実は「また日本代表に戻ってこられてうれしく思います。SOは他に4人いてポジション争いが激しい。ただ、前回は私が全試合出て、ボロボロになりあまりよくなかったので、10番を着たい気持ちもありますが、みんなで切磋琢磨してやっていきたい」と話した。

現在50名を超えるスコッドだが、ワールドカップメンバーに選ばれるのは33名(+バックアップメンバー2名)となりそうだ。3連勝した春のオーストラリア遠征で活躍した選手や、海外でプレーしいていた選手が中心になると予想される中、それ以外のメンバーは7月24日(日)、そして30日(土)の南アフリカ代表戦でチャンスを得た場合は、しっかりとアピールしたいところ。

SOの10番だけでなく、CTB(センター)12番としても準備しているという司令塔の山本は「日本代表は小さいチームなので、できるだけ薄いスペースにどう攻めるか。ハンドリングを大事にしています」と言えば、WTB平野は「WTBとしていろいろ経験している自分の強みをアピールして、ワールドカップメンバーに選ばれるようにがんばりたい」と話した。

また、春の欧州遠征で中軸として活躍したLO玉井は「5月に結果を残せたが、ラインアウトリーダーしてまだ課題があった。世界の背の高い相手に、どうラインアウトで勝っていくか、重点的に取り組んでいます。チームとして成長するだけでなく、個人としてもスタートの4番、5番を取れるようにがんばっていきたい」と語気を強めた。

会場の釜石鵜住居復興スタジアム

女子ラグビー日本代表にとって、7月24日(日)の南アフリカ戦は、2017年7月の香港代表戦以来、実に5年ぶりの国内でのテストマッチだ。SO山本は「本当に久しぶりで、ラグビー人気が高まっていて、釜石にお客さんがどのくらい来るのか楽しみですし、J SPORTSの放送でいろんな方に私たちのラグビーを見てもらえる機会なので、しっかり持っているものを出し切りたい」と意気込んだ

「サクラウェーブ」というコンセプトの下、ワールドカップに向けて強化を進めてきたサクラフィフティーン。5月にはオーストラリア代表に勝利し、大きなうねりを作り出しつつある。ラグビー、そして鉄のまち・釜石で、大きく進化したサクラフィフティーンが見られることは間違いない。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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