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オンラインでの会見に臨んだジョセフHC
ウルグアイ代表との第1テストマッチの翌日、6月19日の朝、ラグビー日本代表を率いるジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)がオンラインで会見を行った。
前日の試合後、会場でのショートインタビューでジョセフHCは「(ウルグアイ代表戦は)フィジカル、特にFW(フォワード)の力が試されるような試合になったと思います。しかし、FWもチーム全体もすごくよくプレーをして、特にセットピースでも力を出せていた」。
「次の試合に向けてはしっかりとワンチームで結束を強めてやっていきたい。今日と違って、宮崎で合宿をしているメンバーが出るが、いい試合展開をしていきたい」と話していた。
翌朝の会見で指揮官は、FWに関して改めて称えた。「全員、テストマッチに勝つためにプレーしてくれ、素晴らしい活躍をしてくれた。ウルグアイ代表はフィジカルの強いチームで、自分たちにとってチャレンジになると思っていました」。
PR淺岡俊亮
「今回の試合、ジャパンのFWがセットピースで素晴らしい仕事をしてくれた。特にスクラムはHO(フッカー)堀越康介、PR(プロップ)三浦昌悟、PR淺岡俊亮の3人が素晴らしかった。また、LO(ロック)大戸裕矢がラインアウトをしっかりリードしてくれたし、ワークレイトの部分も、ルースFWのような働きをしてくれた。LOヴィンピー・ファンデルヴァルトもフィジカルの強い試合をしてくれた」。
「タイトファイブ(FWの1~5番の総称)の活躍がしっかりあるからNO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフの強みである強いボールキャリー、ランニングゲームを見せることができた」。
NO8テビタ・タタフ
「テビタは昨年もスコットランド代表、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦、アイルランド代表戦でもトライを挙げた可能性のある選手ですが、今回、(日本代表ではなく)NDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)に入ったのは、フィットネスレベルが足らなかったからです。彼の学びとして、課題として、(フィットネスは)試合をしていく中で必要なことだと感じています」。
SO田村優
また、NDSでキャプテンを務めたSO(スタンドオフ)田村優に関して、ジョセフHCは「彼はリードしていた。経験があるし、チームにとって価値のある選手だと思います。試合の前もリーダーシップを発揮していて、試合でもコントロールできた部分もあった」。
「アタッキングゲーム、キッキングゲームではもう少し成長していかないといけない。(ペナルティからのキックを)タッチラインに出さないところもあったので、精度を上げていってほしいし、そうすれば日本代表に戻って来られると思います」と話した。
NDSの活動は昨日で終了しており、どの選手が宮崎合宿に昇格するのか固まっているのか?と聞かれると、ジョセフHCは「この後、ミーティングを行って、コーチ陣とともに、誰が宮崎に来るか話したいと思います」。
「(NDSには)可能性がある選手を選んでいるので、誰もが可能性があると思っています。それを目的としてNDSを作りました。テストマッチの試合をするという中で、選手たちのフォーム、パフォーマンスを維持しながら新しい選手を作っていくことが最終的に重要で、その中でテストマッチでも勝たないといけない」。
「(誰が宮崎に昇格されるかは)PRクレイグ・ミラーはふくらはぎの筋断裂で離脱しているので、ルースヘッドが必要です。FL(フランカー)ラピース(ピーター・ラブスカフニ)も同じケガをしているので、選手選考はケガ人も含めて決めていきたい」と話すにとどめた。
宮崎合宿に練習生として参加していた静岡ブルーレヴズの選手は、PR、LO、FLだったことも考慮すると、FWを中心にNDSから日本代表に追加招集されることになりそうだ。
NDSメンバーで戦ったウルグアイ戦
改めて2チーム制で活動してきた成果について聞かれて、ジョセフHCは「このプログラムに関しては成功したと思います。コーチ陣が見たい選手を選出できた。同じようなチームの環境を作り、練習と試合ができた。キャップがある、ない選手を試合で見ることができた。違うコーチンググループの中でも、違う環境を作れたという意味では、このプログラムは成功だったと思います」と満足げに振り返った。
6月25日(土)のウルグアイ代表との第2テストマッチからいよいよ、宮崎で合宿中の「ファーストチーム」である日本代表が登場し、さらに7月2日、9日のフランス代表戦に向けてチーム力を高めていく。
追記:6月19日夜、宮崎合宿中の日本代表に、PR三浦昌悟、LO辻雄康、LOヴィンピー・ファンデルヴァルト、NO8テビタ・タタフが追加招集された。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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