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ラグビー コラム 2022年6月17日

根塚洸雅、竹山晃暉。2人の若き両翼が初キャップ、宮崎への切符を勝ち獲れるか。ラグビー日本代表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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初キャップとなる根塚洸雅(左)、竹山晃暉

6月18日(土)、東京・秩父宮ラグビー場でテストマッチシリーズの第1戦・ウルグアイ代表戦を迎えるラグビー日本代表が出場予定メンバーを発表した。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が宣言していた通り、ウルグアイ代表との第1テストマッチは「セカンドチーム」であるNDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)からメンバーを選出した。

先発では、PR(プロップ)淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ)、FL(フランカー)飯野晃司(東京サントリーサンゴリアス)、WTB(ウィング)根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、WTB竹山晃暉(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の4人。

ベンチにはPR海士広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)PR竹内柊平(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)、LO(ロック)秋山大地(トヨタヴェルブリッツ)、FLシオネ・ラベマイ(東芝ブレイブルーパス東京)、WTBメイン平(リコーブラックラムズ東京)5人の計9人がノンキャップというフレッシュな布陣となった。

日本代表が合宿している宮崎から東京入りして試合を見守るジョセフHCは「別府(NDS)のメンバーには日本代表として、しっかり戦ってもらいたい。すべての選手にいいパフォーマンスをしてほしい。テストマッチの中でいいパフォーマンスができるか、選手層を厚くするためには重要だ」と話した。

今回の試合で初キャップとなるノンキャップのメンバーの中で、注目を集めているのはWTB根塚、WTB竹山の若き両翼だろう。

トンガサムライXV戦での竹山晃暉

WTB竹山はトップリーグ最後の新人賞受賞者であり、リーグワンとなった今季、トップに1トライ差の10トライを挙げ、埼玉パナソニックワイルドナイツの優勝に貢献した。そして、WTB根塚はリーグワンでベストラインブレイカー(22回)、ベスト15、新人賞と個人賞3冠に輝く活躍ぶりを見せた。

2人は11日のトンガサムライXV戦で先発し、WTB竹山はトライを挙げて決定力を見せるだけでなく、細かいステップでゴールラインに迫るなど持ち味を見せた。WTB根塚も得意のランニングやハイボールの競り合いで見せ場を作った。トンガサムライXV戦後、2人はこう話していた。

「フィィジカルの強い相手に、敵陣でボールを持って戦うことにフォーカスしていた。スペースをコールするなどWTBの役割はできた。国際レベルのフィジカルを経験できたのは、次のテストマッチに向けていい準備ができた」(竹山)。

「1対1の手応えは結構あった。この経験を来週、ウルグアイのテストマッチにいい経験として次につなげていきたい。今日のフィードバックをできるかできないかが大事。そういう意味でもいい経験ができた」(根塚)。

そんな2人は、18日のウルグアイ代表とのテストマッチでも再び、揃って先発となった。竹山と根塚の2人を含めて、NDSメンバーは6月3日から大分で合宿を行っていた。

リーグワンの決勝が終わったばかりの竹山は、最初は多少の疲労感はあったようだが「決勝戦が終わっても気持ちを切らさず、準備をしてました。もともと知っている選手もいれば、新しい選手もいるので、コミュニケーションを取っていくことが課題になると思うし、2週間しかない中で、うまく時間を使いながらやっていきたい」と話していた。

日本代表ではなく、NDSという立ち位置に関して竹山は「チャンスを頂けていると思いますし、まだまだ自分の中では完成形ではない。本当にNDSでもしっかりとチャレンジして、成長し続けるマインドを常に持って、もっと上を目指していきたい。プレー面では積極的にボールタッチの回数を増やすこともそうですし、キックを使ってマネジメントしていくところもそう。リーグワンで経験出来たことをしっかりやっていきたい」と語気を強めた。

2023年ラグビーワールドカップへの思いを聞くと「しっかりとワールドカップにフォーカスをおいて、できることを1つ1つ丁寧にしていきたい。1つ1つ、自分が身につけないといけないスキルをクリアして、それを力に変えていくことが自信にも繋がると思うし、それが自分の未来を段々近づけていく要素になる。逃げずに、しっかり目を向けてやっていきたい」と先を見据えた。

自身初のテストマッチに向けて竹山は「個人としてもしっかりとアピールできる場ではあると思うので、今、持っている自分の力を最大限に発揮することと、怖じせず積極的にボールをどんどんもらっていくことでチームに貢献したい。色んなことを学んでいける、めったにない機会だと思うので、チャレンジしていきたい」と意気込んだ。

トンガサムライXV戦での根塚洸雅

一方、リーグワンの3位決定戦まで試合に出ていた根塚は、日本代表に準ずる合宿に初めて参加して「ずっと試合に出ていたので、いい調子でできている。レベルの高いところでラグビーできるのは幸せなことなので率直にうれしいですね。レジェンドの田村(優)さんから教えていただきながらというところでは、本当に良い学びが多いです」と声を弾ました。

日本代表ではなく、NDSからスタートということに関しては「NDSでいいところを見せれば、日本代表の桜のジャージー着たり、宮崎の日本代表の方に参加させていただけると思います。ジャパンがやりたいことで、まだわかりきってないことが多いので、そこを学んで、世界で通用する選手になるための準備と思っています」と話した。

根塚は、特にキャプテンSO田村優、CTB(センター)ラファエレ ティモシーらと積極的に話すシーンが多く見られた。「今回、初めて合宿に来て、一番、聞ける状況だと思うので、どんどん聞いていこうと思っています」。

WTBとしてどんなプレーをしたいかと聞かれて根塚は「大外の狭いところで勝負して、思い切って勝負した結果、トライつながると思います。それをどれだけできるかだと思います。ディフェンスではグランドのスペースを見て、まわりの人とコネクション取ることが一番大事」と話した。

そして、初キャップに向けて根塚は「日本代表を背負って、皆さんのために身体を張るので、応援の方よろしくお願いします」とまっすぐに前を向いた。

NDSの活動は、ウルグアイ代表との第1テストマッチで終了する。ジョセフHCは「何人か(日本代表合宿をしている)宮崎に来ることはあると思います」と話す一方で、「(宮崎には)33名ほどいるので、そこまでサポートはいると思ってはいません」と正直に話した。

NDSからすでにケガ人などの関係で、PR北川賢吾(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)と、トンガサムライXV戦でフィジカルの強さを見せたLO辻雄康(東京サントリーサンゴリアス)は宮崎合宿へと昇格した。

いずれにせよ今回の試合から宮崎の「ファーストチーム」の昇格するのはわずかな人数となるはずだ。ウルグアイとの第1テストマッチでいいパフォーマンスを見せてチームに勝利に貢献し、宮崎行きの切符を手にするのは誰になるか。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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