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ラグビー日本代表が宮崎で始動
6月6日(月)、6~7月のテストマッチシリーズに向け、宮崎で合宿中のラグビー日本代表が練習を公開し、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)、共同主将の1人HO(フッカー)坂手淳史(埼玉ワイルドナイツ)など、3選手が対応した。
3日(金)に合流した選手たちは、4・5日はフィットネス、ウェイトなどのトレーニング数値を計ったり、ミーティングをしたりしていたため、6日からが本格的なグラウンド練習となった。午前中は9時半から1時間ほどの練習が公開された。
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
34名中、共同主将の1人、SH(スクラムハーフ)流大(東京サンゴリアス)が、コンディション不良で参加していなかった。また、現在4人の左PRが負傷中ということで、NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)のPR(プロップ)北川賢吾が参加。
静岡ブルーレヴズからPR河田和大、LO(ロック)桑野詠真も練習に加わっていた。また、コンディション不良で代表入りしなかったPR具智元(神戸スティーラーズ)も現地でトレーニングをしていた。
ジョン・ミッチェル コーチ
FW(フォワード)はジョセフHCがラインアウトを、長谷川慎コーチがスクラムを指導していた。また、BK(バックス)はオールブラックスのHCの経験があり、今回の合宿から新たにコーチングスタッフに加わった、ジョン・ミッチェル コーチがディフェンスを指導。正対してしっかりタックルすること、ダブルタックル、2人でジャッカルに入るなどスキル練習に終始した。練習公開後、ディフェンスに主眼を置いたアタック&ディフェンスを行ったという。
午前中の練習後、ジェイミー・ジョセフHCは「みんな非常に熱意があってハングリーな状態です。新しい選手がたくさん入っています。彼らは非常にコーチ陣に自分を印象付けたいと言う気持ちが出ています。ただ、まだ今朝から始まったばかりなので、少しずつやっていきたい」と先を見据えた。
ジェイミー・ジョセフHC
合宿の目的を聞かれて指揮官は「1つは新しいチームを作ることです。新しい選手がたくさんいますし、経験の高い選手もいる中で、来年につなげるということです。もう1つは、私たちがどのようにゲームを進め、どのような展開をするかということをチームに伝えることです。それが、私たちが今やっていることです」と話した。
国際経験豊富なミッチェル コーチが加わったことに対して、ジョセフHCは「彼はまだ加入して2週間ほどです。彼の経験や知識がそれを物語っているのは明らかです。オールブラックスや複数のチームを指導していた、ディフェンスのスペシャリストです。私たちコーチングスタッフを向上させ、その知識は選手の一部になるだろうし、特に来年のワールドカップに向け、私たちのために本当に良いステップだと思います」と感謝の意を表した。
共同主将HO坂手
また、リーグワン決勝の翌日に、オンラインミーティングでSH流とともに新たにキャプテンに指名されたというHO坂手は、「日本人にリーダーが必要で、チームに全体に同じ画を、セイムページ(same page)を見せられる、そういうリーダーが必要ということで選んでいただいたと思っています」。
「今、(流さんとは)話しながら、得意不得意があると思うので、2人で良い形でやっていけたらと思います。歳も近いですし、1個上の帝京大学の先輩なので、話しやすいですし、一緒にやっていきたいと思います」と意気込んだ。
どんなキャプテンになりたいのか?と聞かれてHO坂手は「重圧はありますが、あまり考えすぎず、自分らしく行動で示しながらやっていきたい。僕よりもたくさん経験ある選手が、堀江(翔太)さん、リーチ マイケルさんはじめいるので、そういった選手にも助けられながらやっていきたい」と話した。
HO堀江、左はLOサウマキ、右はFLリーチ
2019年ワールドカップ以来の日本代表に合宿となったHO堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)も元気な姿を見せた。「結構、代表から離れていたが、サインや考え方は忘れていたつもりでしたが、パっと言われたら昔やったな、というのは、ちょっと安心します。3週間後にテストマッチがあるので、早くチームを作って、僕自身もしっかり頭にチームのやることを入れないと、という感じなので必死です」。
印象に残った選手を聞かれてHO堀江は「HOの(橋本)大吾、(ジェイミージャパンになって)日本代表、初めてだと思うが、すごく溶け込んでいます。チームを盛り上げるいいキャラクターだと思います」と話した。
出場すれば4度目となる2023年ワールドカップへの思いを聞かれて、チーム最年長のHO堀江は、「歳も歳なので、最後になる可能性があるワールドカップなので、自分のいいところを出して、自分の悪いとこしっかり伸ばしながらメンバーに選ばれればうれしい」と自然体で話した。
SO山沢拓也
司令塔としての活躍の期待がかかるSO(スタンドオフ)山沢拓也(埼玉ワイルドナイツ)は、久しぶりの日本代表入りとなった。「フレッシュな気持ちで、練習に臨めている。日本代表ということで、すごく光栄な場所でラグビーをさせてもらっている。ホテルの人も含めて、すごくいい対応していただいているので、1つ1つの時間をしっかり大切にしていきたい」。
SO中尾隼太(ブレイブルーパス東京)、SO李承信(神戸スティーラーズ)とのポジション争いに関して、山沢は「自分以外のSOの選手たちもすごく個性があって、いろんな部分で優れている選手。自分としては、今までリーグワンで見せていたようなプレーを評価してもらえたところでもあると思うので、それを継続してプレーしていければいい」と話すにとどめた。
全体練習後もミッチェルコーチに、1対1でディフェンス指導を受けていた山沢は「横としっかりつながって、しっかりディフェンスしていくことを、なぜそれをするのかというところも落とし込んでもらえているので、すごくクリアになって練習できている」と納得した表情で話した。
そして、2023年ワールドカップへの思いを聞かれると、「メンバーに入れれば、すごくうれしいし、光栄なことですが、しっかりその精度やクオリティを上げて、ラグビー選手として成長できればいいと思います」と、来年ではなく、まずは目の前の練習、試合を見つめている。
練習所に飾られたポスター
まもなく、アタックをデザインするトニー・ブラウン コーチも合流する予定だという。ラグビー日本代表は6月18日(土)に東京・秩父宮ラグビー場で行われるウルグアイ代表戦に向けて、少しずつチームを仕上げていく。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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