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明治大学 vs. 東海大学
スカイブルーのジャージーが躍動した。
全5試合の関東大学春季交流大会Aグループ。
6月5日(日)、福島・いわきグリーンフィールドで開催された全勝対決。
1位(勝点14)の東海大学(昨季リーグ戦I部1位)が、2位(勝点13)につける明治大学(昨季対抗戦A3位)に、一時26点差をつける闘いを披露した。
スカイブルーのジャージーに身を包んだ東海大は、序盤から守備で主導権を握った。
谷口宜顕(5/15 東海大学 vs. 大東文化大学)
193センチのLOワイサケ・ララトゥブアが、低い姿勢で前進を止める。CTB谷口宜顕が猛スピードで上がり、攻撃ライン後列のキャリアーに突き刺さる――。
石田吉平(5/1 早稲田大学 vs. 明治大学)
一方の明大もWTB石田吉平主将が、再三にわたりド派手なラインブレイク。ハイレベルな攻防に、曇天のいわきグリーンフィールドが湧いた。
先制点は東海大。HO下江康輔のジャッカルで、PG(ペナルティゴール)による3点を先取した。
明大もスクラムでコラプシングを誘発し、FW陣が雄叫び。敵陣右奥に入るが、勝負のラインアウトモールで押し切れず。東海大は注目されたモールの攻防でも力を示した。
スクラムからのサインプレーがズバリと決まったのも東海大だった。
前半13分には自軍投入スクラムから約60mを切り返す先制トライ。同18分にはスクラムからの内返しで独走トライ。
スコアラーはいずれも京都成章高校出身のフィッシャー、WTB中川湧眞。南アフリカ代表のWTBチェスリン・コルビを彷彿させる、パワーと俊敏性を兼備する19歳だ。
準備力が光る連続トライで、17点をリードした東海大。
かたや明大は運動量をベースとした速攻、連続攻撃を展開する。
前半21分には付属高の明大中野八王子出身であるNO8松本光貴が速攻。CTB廣瀬雄也が仕留め、ビハインドを10点(7-17)に縮めて後半へ向かった。
後半にさらにリードを広げたのは東海大だった。
後半最初のトライは13分のモール。ジャンパーなし、速球のスローイングで素早くモールを組み上げると、モメンタム(勢い)を生み出してインゴールへ。
関東大学ラグビー春季大会2022
【ハイライト】明治大学 vs. 東海大学
しかし明大もその4分後、FL森山雄太の相手BKを弾き飛ばす豪快トライが生まれ、ビハインドをふたたび10点(12-22)とする。
ところが東海大は後半23、25分に連続トライ。25分のトライはSO武藤ゆらぎの突破から生まれたノーホイッスルトライ。東海大は豊富なタレントが次々に能力を発揮した。
ここで渋い魅力を発揮したのは明大だ。
終盤になってもエナジーが落ちず、ボールを保持して波状攻撃。後半27分頃からは約2分間、15フェーズ以上の攻撃を展開した。
FB安田昂平、FL森山、NO8松本らが好キャリーを重ね、相手DFがヒザに手をつく中、最後はラインブレイカーの安田が右中間へ。全員攻撃でスカイブルーの壁を崩し切った。
明大は後半32分、相手WTB岡村優太にさらに1トライを追加され、ゴール成功で得点差はこの日最大の26点差(17-43)となるが、終盤にふたたびチームアタック。
後半ロスタイムの42分、NO8松本のオフロードパスからFL森山がフィニッシュ。運動量豊富なバックロー2人の連携で、最後はトライで締めくくった。
ただ注目の全勝対決を優勢に進めたのは東海大。
高い守備意識でアタックを封じ、FWはセットプレーで、BKは決定力で、それぞれ力を示した。
昨季準決勝で敗れた明大を破った東海大は、対抗戦、リーグ戦のトップ3が集まる春季大会Aグループで、唯一の無敗に。堂々と首位をキープした。
東海大は次戦の最終第5戦、2位(3勝1敗/勝点15)に浮上した帝京大学との決戦に挑む。6月19日(日)、帝京大学グラウンドでの無観客試合となる。
3勝1敗の3位(勝点13)となった明大は同日、日本大学グラウンドで、0勝2敗の日本大学と対戦。敗戦という経験を手に入れ、前へと進む。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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