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三菱重工相模原ダイナボアーズ
歓喜の涙。落胆の涙。
ジャパンラグビーリーグワン入替戦3試合の第2戦が、2022年5月27日(金)28日(土)に、東京と大阪で行われた。
入替戦3試合の結果、上位ディビジョンでの残留を決めたのは1チームだった。ディビジョン1(D1)のNECグリーンロケッツ東葛だ。
逆に下位ディビジョンから昇格したのは2チーム。
D1昇格を果たしたディビジョン2(D2)の三菱重工相模原ダイナボアーズ。そして、D2昇格を決めたディビジョン3(D3)の清水建設江東ブルーシャークスだ。
◆【D1/D2入替戦1 第2戦】三重ホンダヒート(D2)×NECグリーンロケッツ東葛(D1)
東大阪市花園ラグビー場が舞台となった金曜ナイターでは、グリーンロケッツがD1残留を決めた。
三重ホンダヒート vs. グリーンロケッツ東葛
D2の三重ホンダヒートはこの第2戦を24-22で制したものの、勝ち点で上回ることができなかった。
ヒートは第1戦で、3トライ差以上のボーナス1点を与えた上、23点差(10-23)で負けてしまい、第2戦では「3トライ差以上のボーナス1点」と「24点差以上の勝利」が昇格の第一条件という状況だった。
この土壇場で、ヒートは会心の前半戦を披露する。
高いアタッキングマインドでHO李承ヒョ(火に赤赤)などが3トライ。前半を19-3で折り返し、逆転昇格を視界に捉えて後半へ向かった。
しかし後半の序盤でミスが続いてしまった。
痛恨のシンビン(10分間の一時退出)もあって失速。3連続トライを浴び、終盤に機敏なSH根塚聖冴が1トライを返したものの、2点差(24-22)でフィニッシュ。
D1昇格の条件には届かず、勝ち点差で念願は叶わなかった。しかしヒートの決戦に懸ける想いは、確実にラグビーファンに届いたはずだ。
プレイヤー・オブ・ザ・マッチは、この試合でヒートのジャージーを脱いだWTB生方信孝。タックルを弾く猛烈なキャリーなど、チーム最年長の34歳は引退試合で最高の輝きを見せた。
ジャパンラグビー リーグワン2022
【D1/D2 入替戦 第2戦 ハイライト】三重ホンダヒート vs. グリーンロケッツ東葛
◆【D1/D2入替戦2 第2戦】三菱重工相模原ダイナボアーズ(D2)×シャイニングアークス東京ベイ浦安(D1)
シャイニングアークスは第1戦を8点差(25-33)で落としており、逆転残留には9点差以上の勝利が第一条件。
三菱重工相模原ダイナボアーズ
しかし土曜日の第2戦、東大阪市花園ラグビー場で開催された16時40分キックオフの正念場で、ダイナボアーズの守備が光った。
WTB石井魁のトライで先制したシャイニングアークス東京ベイ浦安だったが、ダイナボアーズがその後3連続トライ。前半8分にアライアサ空ローランドに代わり緊急出場したWTB杉浦拓実が2トライを挙げる活躍を見せた。
堅調なモールで前半最後に1トライを奪い、7点差(12-19)で後半へ向かったシャイニングアークスだが、後半26分、イズラエル・フォラウを狙ったパスをダイナボアーズのCTB奈良望がインターセプト。
この値千金のトライで、シャイニングアークスは窮地に。後半33分に1トライを返したが万事休す。
最後は徳田亮真のキックチャージから、ケガ人続きの10番で仕事を果たしたイーリ・ニコラスがダメ押しのトライ。
ダイナボアーズが最終第2戦を33-19で制して、D1昇格を決めた。
NTTグループのシンボルチームが再編成されるため、シャイニングアークスとしての試合はラストマッチだった。
プレイヤー・オブ・ザ・マッチはダイナボアーズでゲーム主将を務めた37歳、守備やスクラムに奮闘したHO安江祥光。
元シャイニングアークスで、この日が引退試合となったFL小林訓也は、要所でジャッカルを連発。現役ラストマッチで最高の仕事を見せた。
ジャパンラグビー リーグワン2022
【D1/D2 入替戦 第2戦 ハイライト】三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. シャイニングアークス東京ベイ浦安
◆【D2/D3 入替戦 第2戦】 清水建設江東ブルーシャークス(D3)×マツダスカイアクティブズ広島(D2)
D3最強クラスの攻撃力が今季ラストマッチでも爆発した。
清水建設江東ブルーシャークス
D2/D3唯一の入替戦は、ブルーシャークスがホストスタジアムの江東区夢の島競技場でD2昇格を決めた。
前半から快調のブルーシャークスは前半を18-0で折り返すと、後半はさらにギアを上げて35得点。
後半7分に好キャリアーであるCTBディック・ウィルソン、同10分にはこの日プレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたFL長谷銀次郎がフィニッシャーとなった。
スカイアクティブズも後半18分、波状攻撃からSO龍野光太朗が鋭い突破で初得点。
後半27分にはFL芦田朋輝のラインブレイクから、途中出場組の加藤滉紫、河野翼とつないでインゴールへ。終盤にも1トライを追加してプライドは示したが、歓喜の雄叫びを上げたのはブルーシャークスだった。
ジャパンラグビー リーグワン2022
【D2/D3 入替戦 第2戦 ハイライト】清水建設江東ブルーシャークス vs. スカイアクティブズ広島
天国と地獄。歓喜と悲嘆――。リーグワン初年度の入替戦は、参加チームにとってもファンにとっても、忘れえぬものとなったろう。
上記3試合の結果、ジャパンラグビーリーグワンの2023年シーズンの各ディビジョンの参加チームは、以下の通りとなった。
◆ジャパンラグビーリーグワン/2023年シーズン参加チーム(2022年シーズン終了時)
【ディビジョン1:12チーム】
・埼玉パナソニックワイルドナイツ
・東京サントリーサンゴリアス
・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
・東芝ブレイブルーパス東京
・トヨタヴェルブリッツ
・横浜キヤノンイーグルス
・コベルコ神戸スティーラーズ
・静岡ブルーレヴズ
・リコーブラックラムズ東京
・NECグリーンロケッツ東葛
・花園近鉄ライナーズ
・三菱重工相模原ダイナボアーズ
【ディビジョン2:6チーム】
・(NTTグループ再編成チーム)
・三重ホンダヒート
・日野レッドドルフィンズ
・釜石シーウェイブス
・豊田自動織機シャトルズ愛知
・清水建設江東ブルーシャークス
【ディビジョン3:5チーム】
・NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
・マツダスカイアクティブズ広島
・九州電力キューデンヴォルテクス
・中国電力レッドレグリオンズ
・クリタウォーターガッシュ昭島
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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