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両チームの指揮官、主将が参加した前日会見
ジャパンラグビー リーグワンのプレーオフ決勝を翌日に控えた5月28日(土)、両チームの指揮官とキャプテンが東京・国立競技場で会見を開いた。登壇者は東京サントリーサンゴリアスのミルトン・ヘイグHC(ヘッドコーチ)と、CTB(センター)中村亮土キャプテン、そして埼玉パナソニックワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督とHO(フッカー)坂手淳史キャプテンの4人だった。
まず、東京サンゴリアスのヘイグHCは「自分たちのプレイスタイルをしっかり信じてプレーすることがすごく重要。自分たちのアグレッシブアタッキングラグビーがしっかり体現できるよう、ボールを展開していかないといけない。この頂上決戦までに9ヶ月かけて、チームとして準備してきているので3万人ぐらいの観客の方たちの前で、素晴らしいプレーが披露できればと思っています」と話した。
さらにヘイグHCはNO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフを先発ではなく、リザーブ起用した意図を聞かれて「昨季もそうでしたが、タタフはベンチからインパクトを与えるプレーが持ち味と考えている。かなり暑くなることが予想されるが、その中で最後の30分あたりで、しっかりインパクトを出してほしいと期待して、そのように起用した」と説明した。
ヘイグHC(左)とディーンズ監督
続いて、埼玉ワイルドナイツのディーンズ監督は「サンゴリアスさんとはこれまでの伝統、歴史があります。お互い、この試合に向けて戦略、戦術でいい準備をしている。フィジカルな準備をしているし、メンタルも大事になってくる。試合の日にどのくらい対応、適応するかが大事」と話した。
先発に右PR(プロップ)藤井大喜を起用したことに関して、ディーンズ監督は「チームとしてフロントローに大きな変化はない。藤井はリーグワンも出場しているし、いいパフォーマンスをしているので、チームとしてあまり大きな変化は感じていない」と話すにとどめた。
中村亮土キャプテン(東京サンゴリアス)
続いて、両キャプテンが口を開いた。まず決勝に勝利するために大事なことを聞くと、東京サンゴリアスの中村キャプテンは「いつもの通り、シンプルなことをしっかりやるところは、チームに伝えている。一番大事なキーは接点、ブレイクダウン。そこは意識して1週間、準備した」と前を向いた。
埼玉ワイルドナイツの坂手キャプテンは「常に(個々の選手が)役割をしっかりやり切ることがワイルドナイツの強みなので、明日もしっかりやり切りたい。また、ディシプリンも大事にしたい。あとはゲームを楽しんでできることが大事。重要になってくることは、コミュニケーションをすることだと思うので、全員でつながって、ディフェンスして、そこからアタックしたい」と意気込んだ。
自チームのキーマン、相手チームのキーマンを聞かれると、東京サンゴリアスの中村キャプテンは「ワイルドナイツとの試合は後半でゲームが動いてくるので、インパクトメンバーが特に重要になってくる」。
「FW(フォワード)とBK(バックス)で挙げると、NO8タタフ、SH(スクラムハーフ)齋藤直人あたりがキーになる。強く最後にフィニッシュするというところで、相手にHO堀江(翔太)さんがいるので、その空気に飲まれないように、彼らたちにいい風を運んでもらいたい」。
「相手のキーマンはSO(スタンドオフ)山沢(拓也)選手ですね。彼は本当にダイナミックなプレーをしてくるので、そこに翻弄されないように、サントリーとしてつながって試合をしたい」と話した。
坂手淳史キャプテン(埼玉ワイルドナイツ)
また、埼玉ワイルドナイツの坂手キャプテンは「キーマンはPR藤井です。明日、頑張ってくると思います。スクラムが強いので、見ていただきたい。相手のキーマンは(中村)亮土さんですね。お世辞じゃないですが、準決勝やそれまでのゲームでつながりを作って、チームの要として動いている。警戒しています」と話した。
東京サンゴリアスは、昨季のファイナルは26-31で敗戦。そして、今季は2月26日に対戦して17-34で敗戦とリベンジもかかっている。中村キャプテンは「今季スタートしたときから、昨季の負けはモチベーションになっている。そういう思いも背負いながら、1つ1つのプレーの質を大切にしながらプレーしていきたい」と話した。
今季、ここまで15連勝中の埼玉ワイルドナイツの坂手キャプテンは「全体的にディフェンスもアタックも、コミュニケーションし、ゲームをしていくと固まっていくので成長していると思う。サンゴリアスとの試合はいつも特別な思いでやっている。この2試合は勝っているが、その前は負けているので、自分の役割に徹したい。様々なモチベーションがありますが、それをプレーとして出していきたい」と意気込んだ。
初代王者に輝くのは?
最後にリーグワン初代王者にかける思いを聞くと、東京サンゴリアスの中村は「初代王者は当初の目標でしたが、そこは今週、触れていなかったので、(個々の選手が)やるべきことやることが大事。試合が終わった後に一戦の重要さをあとからわかればいい」と話した。
埼玉ワイルドナイツの坂手キャプテンは「この1年間、このトロフィーを獲るために、みんなで努力してきたので、集大成として全員で掲げたい。初代王者には特別な気持ちもあるし、昨季、最後のトップリーグを取って、新リーグでも(トロフィーを)獲るのは、チーム全体で共有して話していたことなので、獲りたい」と語気を強めた。
攻撃ラグビーを信条とする東京サントリーサンゴリアスか、伝統的に堅守速攻を武器とする埼玉パナソニックワイルドナイツか――。リーグワン初代王者を決めるファイナルは5月29日(日)、東京・国立競技場で午後3:00にキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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