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2トライをあげ活躍した杉本
接戦となった早稲田大学との初戦を制して1週間後、新たな石田組の一面を見ることができた。
連勝を目指し、セナリオハウスフィールド三郷で行われた関東大学春季大会第2戦。明治大学は前戦からスタメンを総入れ替えし、迎えた相手は4年ぶりの対戦となった大東文化大学だ。
久々となる一戦の先制点は明大だった。前半10分、ハーフウェイラインから明大ボールのラインアウトで始まると、SO(スタンドオフ)池戸将太郎(政経3=東海大相模)がキックを仕掛け、ボールに反応した右CTB(センター)石塚勝己(情コミ3=桐蔭学園)が敵陣深くまで到達。
その後、再度池戸が蹴ったボールを右WTB(ウイング)杉本大雅(文4=国学院久我山)がゴールライン前で捉えトライを決めた。「上級生として流れを作らなくてはいけないと思っていた」(杉本)。その言葉通り、緊張感が漂っていたチームの空気に風穴を開けた。
このままの勢いで行くかと思われた明大だが「自分たちのミスから苦しい展開を作ってしまった」(右LO/ロック武内慎・商4=石見智翠館)。大東文化大に2連続トライを決められ、逆転を許してしまう。
しかし、このまま黙っていなかった明大。前半25分、アドバンテージから相手ゴールライン前でプレーが再開すると、左PR(プロップ)中山律希(政経3=天理)を筆頭にFW(フォワード)陣で勢いよく押し込みトライ。
「前が空いていたので(トライを決めに行った)」と中山。重戦車のごとくパワーで押し切った。その後、池戸がコンバージョンキックを決め、逆転に成功。そのまま流れにのった明大は2トライを奪い、24-10で前半を折り返す。
後半トライを決めた石塚
後半では今試合のテーマであった『主導権』を握る展開となった。後半4分、FB(フルバック)金昂平(政経2=大阪朝鮮)が相手のディフェンスを華麗にかわし、ビックゲイン。オフロードパスで石塚につなげると、そのままゴールラインまで走り切りトライ。「ハーフタイムで1対1を仕掛けていこうと話していて、(金)昂平がうまくやってくれた」(石塚)。
関東大学ラグビー春季大会2022
【ハイライト】大東文化大学 vs. 明治大学
17点リードで迎えた後半31分、体力面が厳しくなる場面でも流れを崩さなかった。FW陣で身体を当て続けてフェーズを重ねると、最後は今試合で初紫紺となる床田淳貴(情コミ3=桐蔭学園)がグラウンディング。
「しんどくなってから運動量が明大の方が確実に多かった」(SH/スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)。試合終了間近にもラインアウトモールからダメ押しのトライを奪うと、最終スコア48-17で連勝を果たした。
今試合では下級生が多く出場し、初めて紫紺をまとう選手や、久しぶりに紫紺を担う選手が多く起用された。フレッシュなメンバーが揃うプレーは、相手に押されてしまう場面はあったものの、改めて明大の層の厚さをうかがえるものだった。
「これが本当のA戦メンバーではない。しっかりとスタメンとして定着できるように頑張りたい」(武内)。春シーズンのテーマは『競争』。今後も他大学とだけではなく、チーム内でもスタメンをかけた熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられるだろう。
次戦は5月29日(日)にエコパスタジアムで行われる帝京大学戦。昨年度の全国大学選手権決勝で完敗した相手だ。帝京大の大黒柱であった細木康太郎(現東京サントリーサンゴリアス)が抜けたが、高本幹也や江良颯、奥井章仁などまだまだ警戒すべき選手が多く所属している。
ブレークダウンやセットプレーなどのFW対決はもちろん、BK(バックス)陣の攻防にも注目したい。お互いに新チームの力が試される大きなターニングポイント。次の一戦からも目が離せない。
文:安室帆海/写真:宇野萌香(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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